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居酒屋さすらい 0711 - 午前0時の夜に - 「串焼 若大将」(高松市西の丸町)

2014-01-11 06:39:10 | 居酒屋さすらい ◆地方版

うどん屋を出たあとの記憶はあまりない。
ボクは彼女とのおしゃべりに夢中になっていたのだ。
人通りのない街を歩き、ボクはベンチに腰かけたり、ぽつんと光るラーメン屋の灯りの脇をすり抜けたり、気がつけば、ボクは真っ暗になった高知駅前の広場にいた。

ボクらはどうでもいいような話しばかりして、目の前のコンビニで売っているベルギーチョコのソフトクリームの話題になった時は、駅前の時計は日付をまたいでいた。
このままだと本当に夜明けまで話してしまいそうだった。

高松駅前は煌々と光るコンビニの灯と街灯の他にもう1軒、灯の点ったお店があった。

居酒屋の「若大将」という店だった。

電話を切るのを何度もためらいながら、ようやく「おやすみ」と言ってケータイをポケットにしまった後、ボクはこの店の暖簾をくぐった。

「まだいいですか?」と店頭から厨房に声をかけると、男性の声で「いいですよ」と返ってきた。

時刻は0時を30分も回った頃合いだった。

ボクは「チューハイ」と、讃岐名物「しょうゆ豆」を注文した。

ボクは喉が渇いていた。

「チューハイ」を何度もおかわりした。でも、酔うことはなかった。

このまま酔わなければいいなと思い、4杯目の「チューハイ」でやめ、〆にコーチン玉子という恐らく地鶏のものと思われる「月見ごはん」を食べて店を出た。

外はコンビニの灯だけが点り、寝静まっているようにみえた。

深まる秋に夜風は少し冷たい。

ホテルまでの帰り道をボクはゆっくりと歩いた。

ボクは眠りたくなかった。この夜がずっと続けばいいと心から願った。

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