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高松の酒場街は、ひたすら長い。もしや永遠に続くのではないかという、そんな錯覚すら感じてしまう。さて、どこに入ろうか、思わず目移りしてしまう。だが、立ち飲み屋はほとんど見かけない。
かなりの時間、店を物色し、歩き回った。探しあてた立ち飲み屋は2軒。1軒は随分と騒がしい店。店もだいぶ混んでいた。もう1軒は、対照的に落ち着いた雰囲気で、こじんまりとした店だった。さて、どっちに入ろうか。前者は入りやすい雰囲気だったが、後者は入りにくい。ここは敢えて、厳しい道を選ぼうか。
5坪程度の店だろうか。一面ガラス張りで店内が見える。店は相当混んでいた。いや、客の数は4,5人なのだが、いかんせん店が狭いので、人口密度が高いのだ。
店内には、長い白木のテーブルがひとつだけ。そこに客が群がり酒を飲んでいた。思いきって店に入ってみた。だが、どうしていいか分からない。何しろ、テーブルはひとつ。そこは、客同士、譲り合ってテーブル上のスペースを確保しなければならない。手刀を切って、スペースを空けてもらった。
店の奥には冷蔵庫とレジ。レジで注文して、お金を払う仕組みである。
壁に、お酒の銘柄が酒米の種類や度数、値段などの各種情報が記載された紙が貼られている。そう、ここは日本酒専門の立ち飲みだった。一杯がだいたい500円。冷蔵庫にも数十本の一升瓶を取り揃えている。
見たところ、厨房設備はなさそうだ。したがって、業態は極めて角打ちに似ているといえる。厨房はないものの、あてはしっかりと用意されているようだ。
さて、何を頼もうか。あいにく、日本酒は詳しくない。
レジで地元の酒をリクエストしたところ、薦められたのが、「悦凱陣 純米酒オオセト 無濾過生」。「悦凱陣」と書いて、よろこびがいじんと読むらしい。
読めね~。
ご当地、香川の酒。特徴は、酒米オオセトを使用。これを冷やでいただいた。一杯500円。
ほんのりと香るフルーツ臭。いい感じじゃないか。
あては「鶏皮ぽん酢」。
うん。うまい。あての種類は多くないが、かえってそれが角打ちらしさを際立たせる。
やがて、店に数人の客が入ってきた。テーブルをつめたけれど、その人数が入らない。
「オレ、外に行くよ」。
一人の老人がそう言った。
外でも飲めるのか。ちょっと、寒いけれど、窮屈で飲むよりは、と思い、ボクも外で飲ませてもらうことにした。
外では、その老人と話しが盛り上がった。四国新幹線の話題とか、うまいうどん屋さんの話しとか。
酒は、「悦凱陣 純米酒」を2杯おかわり。
なかなか、いい酒を飲むことができた。
派手さはないが、よけいなものもない。シンプルな立ち飲みである。そのシンプルさが、硬派な店を感じさせる。
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