「みんなのタロー」像を見ていた時に気付いた。
かつてふりぃまん師と待ち合わせをした駅に、この像はなかったなと。
そういえば、駅舎の感じも、ロータリーの様子も違う。
もしや、ふりぃまん師と待ち合わせした駅は石岡ではなく、友部だったか。
まぁいい。とりあえず飲める店はないだろうか。
平日の15時過ぎ。茨城県の片田舎で昼飲みできる店を見つけるのは困難だ。
ただ、石岡ならなんとかなると思った。
石岡市の「ヨット食堂」に全てを賭けた。
その食堂がロータリーの向こう側に見える。しかし暖簾は上がっていない。
実は移動する電車で「ヨット食堂」の開店時間を確認したところ、しっかり中休みがあった。
今が中休み中。そして一縷の望みは潰えた。
駅の周囲にはファミレスすらなかった。
だがとりあえず、駅の周囲でも散策するか。
ロータリーを背にして、上り方面に向かった。するとちょっと広いスペースがあって、飲食店が並んでいる。手前はちょっとカッコいいお店で、HINOMARU whiskyとある。
バーのようだが。すでに開いていた。
これは驚きだ。
石岡で15時とはいえ、昼飲みできる店があるなんて。
さらにその先にある店舗を見ると、飲食物らしき店舗がまだある。近寄ってみたら、シャッターが閉まっていた。驚くことにお店は立ち飲みだった。本当の立ち飲みかは分からないが、なかなか興味深い。
埼玉、千葉の通勤圏ならだいたい立ち飲み屋はあるが、埼玉も大宮以北、千葉なら船橋以東は立ち飲み屋がなくなる。
立ち飲み屋がある町は都会といっていいだろう。
ただ、この立ち飲み屋「清兵衛」は残念ながら閉まっていた。
でもいいさ。
「日の丸ウイスキー」があるのだから。店舗外に「常陸野ネストビール」ののぼりがあったし。
ウィスキーだけでなく、ビールもあるのだろう。
お店に入った。
カウンターとひとつのテーブルがある小さなお店。
お客はだれもおらず、カウンターに腰かけた。
メニューを開いたら、しっかりとビールもあった。
「季節のビール」(880円)をオーダーした。
商品名は失念したが、確かラガービールだったと思う。
ただ、300mlで880円はかなり高価だ。
おつまみに「オリーブ&チーズ」(400円)をいただく。
ビールを一口いただく。正直な感想として「若い」なと思った。
熟成されていないのだ。まぁクラフトビールとはこんなものではあるが、クラフトビールの老舗、ネストビールだけにちょっとがっかりした感はある。
「日の丸ウイスキー」というものを知らないので、お店の人に尋ねてみると、木内酒造さんが作るウィスキーらしい。
やっぱりか。
ネストビールだけでなく、ウィスキーも。
いやはやチャレンジングな会社さんだ。
ネストビールは秋葉原の万世橋でビアパブをやっているし、アキバ駅近くでは蒸留所もある。
東京に出てくるだけで相当なパワーが必要だと思うのだが、ブランディングという面も含めて本当にすごい。
そして、ウィスキーまで。
自分はウィスキーはあまり好まないので、もう1杯ビールをいただく。
「15時開店でお客さんは来るんですか?」とストレートに尋ねると、ゴルフ帰りのお客さんが来たりするという。
へぇ。
そして奥にある立ち飲み屋さんの話しも聞いた。
「清兵衛さんのマスターは今、台湾に帰ってるはずです」という。
他店の話題ですまないと思いつつ、「でも今日はこちらのお店でリラックスできたから、かえって良かった」とフォローもしておいた。
2杯目のビールを飲み干して帰ろうかと思った時、バックバーにウィスキーとは異なるボトルを見つけた。
漢字で何かを書いている。
「蔵風土」。
これでクラフトと読ませるらしい。
どうやらクラフトジンとのこと。
ウィスキーだけでなく、ジンまで作っているのかとさらに驚いた。
1杯ロック(750円)でいただくことに。
これがけっこうかおりがよくておいしい。
香りづけにレモンやライムだけでなく、茨城県産の古内茶を混ぜて蒸留しているらしい。
蔵風土ジンのラベルの裏側にそう書いてあった。
なるほどね。それで風土の文字を当てたのか。
そのネーミングの巧みさにも思わず唸った。
思わずボトルを買って帰ろうかと思ったが、1本3,300円とちと高い。しかも、今このバーで散財してしまったので、「オンラインで買えますか?」と尋ねると、「売り切れ中だと思います」。
「ここで買うか、或いは新宿でもまだ買えると思います」とのご返事。
新宿?
今、ネストビールは新宿にもあるのか。
木内酒造は、今最も元気な酒蔵さんかもしれない。
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