江戸川橋にある印刷屋の用事を済ませ、ちょっと飲んで帰ろうと商店街に出た。江戸川橋には角打ちが一軒あるが、どうもそこは気が向かない。以前、商店街をくまなくチェックして立ち飲みがないのは知っていたが、もしかすると新しく出来たかなとパトロールしてみた。その地蔵通りには立ち飲みどころか、酒場すらない。ただ、通りの護国寺方向の端にくると酒場が何軒が出てくるが、どうにも気が進まない。こうなったら中華でもいいから、寛いで飲める店を探そう。
江戸川橋の交差点近くに、「らくらく」という中華があった。大きな看板で目立つ店。中を覗くとほとんどお客さんはいない。ちょっとパス。
ただ、後で印刷屋さんに聞いた話しでは、昔マイケル・ジャクソンの来日で、マイケルが食事をした店だという。何故、ここが選ばれたのかは謎だ。
ともあれ、そんな事は知る由もなく、更に店を探してさすらいは続く。結局交差点を護国寺方向に行っても埒があかなかった。それなら、交差点を東の方に行ってみようか。ただ道の先は暗く、店があるような雰囲気ではない。もう、「帰れマンデー」のような心境。次に見つかった店にとにかく入ろうと道を辿った。
すると、向こうの方に灯りがポツンと見えてきた。何やら赤い提灯か見える。飲食店であることは間違いない。少しずつ近づいてくると建物にネオン管があるのが見えた。
「中華料理 川柳」。
え? せんりゅう? まさか、川柳だろ?
とにかく入ってみることにした。
ちょっとひなびた店内には暇そうにテレビを観るお父さん。自分が入店したことでちょっと驚いた様子で、「いらっしゃい」と言った。お父さんが観てたのは、「孤独のグルメ」で、ちょうど五郎さんが、お店に入ったとこだった。もしかすると、お父さんが驚いたのは、テレビと現実がシンクロしたのかな。
席についてメニューを見る。
なるほど。飲み物が少ない。
瓶ビール、生ビール、「ウーロンハイ」(400円)、そして「梅サワー」(400円)。「お湯割り」というものもあるが、何のお湯割りだろうか。恐らく焼酎だと思うが。
「梅サワー」にしてみた。
以前、蔵前の「太白楼」でいただいた酎ハイの梅干し入りが本当においしくて、その味再びと思ってオーダーしたが、想像していたものと違う飲み物が出てきた。氷いっぱいで、酎ハイに梅シロップを入れたものだった。一口飲んだが、いまいちだった。
つまみは「レバニラ炒め」(600円)をチョイス。
自分のテーブルから、微かに厨房が見えるのだが、どうも鍋を振るっているのは女性のようだ。
やがて、運ばれてきたレバニラの皿。見た目はよくなかったが、味は良かった。ちょっとホッとした。他に客もなく、お店のお父さんも所在なげに立っている。さっきまで、「孤独のグルメ」をボケっと観ていたお父さんとは別人だ。
次に何を飲もうか、かなり悩んだ。紹興酒はないし、サワーももういい。だったらもうビールしかない。「酒」(550円)という選択肢もあるが、酒と中華は合わないから、自分は中華で日本酒は頼まない。まだ白酒の方が断然いい。
結局、酒は諦めて、「餃子」で〆ることにした。
「餃子」は大きめでぷっくりしている。餡もたっぷり入っている。
その餃子をいただき、ちょっと感動。皮もおいしく、餡はニラとにんにくの基本形の餃子だった。これはビールが抜群に合うだろう。ただ、ちょっと自分は肝臓が疲れ気味。昨夜は新宿で3軒、その前日は神田で2軒だった。明日は仙台だし。今宵はやっぱり一杯だけにしよう。
なんだか不完全燃焼ではあるが、この日は食前酒をいただき、料理をおいしく味わえたことで満足しなければと帰宅の途についた。
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