居酒屋さすらひ 2166 - 昼からヒートアップのドンちゃん騒ぎ - 「熱烈酒場 ドンちゃん」（新宿区西新宿）

約1年ぶりのN屋さん飲みin新宿。

いつもはJR新宿駅東南口で待ち合わせをするのだが、この日はヨドバシのベンチら辺で落ち合う。このエリア、ゴールデン街、思い出横丁とは違う賑やかさがある。ただ、好きか嫌いかと言われれば嫌い。新宿はどうも好きになれない。

この日のN屋さん、既に行く店を決めているらしい。

そのお店は「ドンちゃん」。

多分、煙草が吸えるからだろう。

時刻は12:30なのに、なんだがもう店内はヒートアップしているのが外からでも分かる。席の確保は難なくできたが、満席気味。ランチのお客もいるが、ほとんどが昼飲みの人々。おいおい、火曜日のお昼なのに。

外国人向けのメニュー表もあるので、観光客も来るんだろうね。

我々はまず生ビールで乾杯した。

すると、豆もやしのお通しも到着。

自分の斜め向かいの席は十人近くの団体さんで、若い男の子が騒がしく飲んでいる。声のでかさも鼻につくが、それよりも笑う時に手を叩く音が本当にうるさい。手を叩く行為は共感を示すラポール出来行動ななんだろう。

ウチの娘もよく笑いながら手を叩いていたが、数年前に、「それはやめろ」と注意したら、やらなくなった。

N屋さんが頼んだおつまみは、真っ先に「出汁巻き卵」。N屋さんが必ず頼む一品。自分、「出汁巻き卵」を頼む酒場にはあまり行かないんだけど、何故かN屋さんと行く酒場には必ずある。もしかしたら、「出汁巻き卵」があるお店を選んでいるのだろうか。それとも彼自身が「出汁巻き卵」を呼ぶ男なのか。

自分はまず、「ポテトサラダ」をチェック。これが616円。「出汁巻き卵」は715円。この2品だけで店の水準が分かるというもの。「ドンちゃん」という親しみやすい屋号をつけているが、決して大衆的居酒屋ではない。

「ドンちゃん」は、自分なら絶対に選ばない店。

ただ、お客は多い。店の外観は提灯で飾られ、なんだか祭りみたい。それに誘われて吸い込まれ輩も多いのだろう。

ただ、余りにも騒がしくて、N屋さんの声が聞こえない。何回か聞き直したが、途中でそれも諦めた。

まさに、どんちゃん騒ぎ。

「生ビール」を飲み干し、さて何を飲もうかなとメニューに目をやると、まず「ホッピー」はなし。「チューハイ」もプレーンはなしという、絶望的状況。

おいおいおいおい。

仕方なく、「緑茶ハイ」（429円）をオーダー。

その「緑茶ハイ」は案の定アルコールが薄い。

それを飲みながらぼんやりと思った。

なんで新宿が嫌いなのかと。

これだけ飲酒店があるのに、自分好みのお店が少ないからかしら。そもそも立ち飲み屋が少ないし、安価でご機嫌に飲める店にも当たらない。唯一、新宿で行きたくなる店は「岐阜屋」のみ。この街の酒場は人の懐を掠めるような気風すら感じる。

誰にだってそういう街はあると思う。

自分にとって、それが新宿だったということか。