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居酒屋放浪記 0336 - ビールの丁寧な注ぎ方にマルっ! - 「弁慶」(豊島区西池袋)

2010-04-27 18:43:13 | 居酒屋さすらい ◆東京都内
 「ふくろ」を出たのが15時半。子供たちの迎えまでにもう1軒行けると、再び炎天下の池袋で居酒屋を物色した。
 さすが池袋。真っ昼間から営業している酒場はいとも簡単に見つかった。
 居酒屋「弁慶」。
 その名の通り、外観は無骨なイメージである。由緒正しき、居酒屋の風情だ。
 
 まるで、中に吸い寄せられるようにわたしは店に入った。
 木造の店内は内も黒塗りにしつらえてあり、大衆的な居酒屋には違いないだろうが、どちらかといえば割烹といったような案配だ。

 入口右側に厨房を配し、それをカウンターがぐるりと囲む。その向こうはテーブル席になっており、5脚も6脚も、或いはその向こうにもテーブルが用意されているのかもしれない。店内は相当広く、テーブルは余裕をもって配置されているところが、心地よい。

 わたしは、カウンターに腰掛け、生ビールを頼んだ。
 ビールは長めのタンブラーにて出てきた。泡はクリーミィ。上品に注がれた麦汁からは強いホップの香りがする。「プレミアムモルツ」だ。

 このビールの注ぎ方でその店の姿勢は計り知れよう。
 カウンターの前に置かれた保冷機の中は整然と食材が陳列されている。
 いい仕事をする店であることは一目瞭然だ。

 接客係はこの店の女将さんらしき人が切り盛りしている。
 ニコリともせず、見た目はかなりおっかない。

 つまみに「焼き鳥」をもらった。基本セットというものがあってそれを頼むことに。
 実は、この時点からわたくし熊猫の記憶はあやふやになるのであった。

 ビールの後に飲んだものは確か酎ハイ。値段も特徴も忘却の彼方へと行ってしまったが、悪くはない味だった、と思う。
 そして、出てきた焼き鳥もどこの部位が出てきたか、それはタレか塩だったか、何本出てきて、それがいくらだったか。わたしの備忘録には何も記載されていないのである。

 ちなみにその晩わたしは妻からこっぴどく叱られた。
 へべれけで保育園に子供たちを迎えに行ったからだ。
 だが、わたしがどうやって家まで子供らを連れ帰ってきたか、実はそれすらも覚えていないのである。

 こうして、わたしの短い夏休みは終わった。
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