ひょんなことからA藤君と取手で飲むことになった。
取手の酒場に行くのは9年ぶり2度目。前回は「福和内」というエスニックな店に入ったが、さて、今回はどんな店の出会いが待っているのか。
取手にはけっこう期待を寄せていた。というのも、取手には競輪があり、そこに集うろくでなしが通う店があるのだろうと踏んでいたからだ。以前、A藤君がこんなことを言っていた。
「競輪開催の日は、駅前にワンカップを持ったおっさんが、いっぱいいる」。
そんな街に、名居酒屋は多い。だが、前回の訪問では、その期待は脆くも崩れ去った。酒場自体が少ないのだ。今回、期待したのは、ジモティとしての酒場チョイスである。だが、それも甘い考えだった。自宅の最寄り駅に着いたら、人はもう居酒屋に行かないのだ。ましてや、家庭を持っていれば、尚更である。
そこで、我々は、駅の東側に出て、居酒屋を物色することにした。物色すると言っても、選択肢は、それほど多くはない。ぽつんぽつんとある赤提灯。
「さつま」という店が、まず候補に上がった。だが、中の様子が見えない。だから、やめた。ちょっと歩くと、「さつま」の2号店が現れた。多店舗展開しているとなれば、それはそれで客に支持されている証である。ボクらは、「さつま」の2号店に入った。
「さつま」は、良くも悪くも田舎の典型的な酒場だった。テーブル席は、既に全席埋まり。ボクらが通されたのは、カウンターの下座、一番端だった。
カウンターには、たくさんの一升瓶が置かれていた。銘柄は、ほぼ、鹿児島産の焼酎である。一瞬にして、この店の由来が分かった。
だが、店は繁盛している。
ボクは「ホッピー」、A藤君は、スーパードライ。
まずは、肴に「さつまあげ」をチョイスした。
鹿児島では、「さつまあげ」を、「てんぷら」と呼ぶそうだが、本当なのだろうか。ボクらは、鹿児島の共通の知人、M浦さんについて語りあった。M浦さんは、天文館に飲み行くのに、クルマで出かけ、施錠をしないで、酒を飲むらしい。
そういえば、この茨城も、クルマで酒場に出かける習慣があるという。以前、ふらいんぐふりーまん師と出かけた石岡の酒場は、大きな駐車場があった。そもそも、その店は、クルマでしか行けない山奥だった。
話しは脱線したが、ボクらは、鹿児島の知人を肴に酒をあおったのである。
「さつまあげ」が運ばれてきた。それも、とびきり大きくて、中央に海苔が貼り付けられている。それは、かつて、見たこともない「さつまあげ」だった。
早速、かぶりつくと、あつあつでホクホクで、見事にうまい。これはうまい。鹿児島の人は、こんなにうまいものを食べてるのか。これは、断然、芋焼酎が合うはずだ。けれど、普段から、焼酎をショットで頼む習慣がなく、ボクは、その後もホッピーで通した。ちなみに、A藤君は、ずっとビールである。そのスタイルは、昔から変わらない。
「さつま」の雰囲気はよかった。
後でA藤君から、聞いた話しによると、奥方のママ友で、この店に集うこともあるようだ。
取手まで、わざわざ電車賃使って行った甲斐があった。
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