憧れの人と邂逅。
その初々しさが、この展示にあふれているのは何故だろう。
子どもの目線でしか見えない細い糸。それを手繰りよせた2人の引力。その優しい空気に包まれた企画展。
時を隔てた、その奇跡ともいえるWORKに出会えるのは多くはない。
共鳴しあう2人の創造にボクの心も震える。
例えば、初山の「海のなかの人魚姫」、いわさきの「王子を想う人魚姫」。
制作年はともに1967年。その繊細なタッチに2人が心の中で協働した創造を垣間見ることができる。
この創造の美しさは原画を見ないと分からない。そして絵の背景にあるそれぞれの心の動きも感じないと分からない。
そして、この絵を見たボクらが、そこに何を重ねるのだろう。
いわさきの描画。
そこに点を描いただけで、魂が宿り、少女に感情が現れる。それは果たして何なのだろうか。
例えば「ゆきのひのたんじょうび」。ポッと点ったあたたかい感情。
初山の描く色彩のダイナミズムは、彼のどこに宿る心象風景なのだろうか。
そして、その心象風景という抽象的なものとはいったい何を示しているのか。
ボクはその押し寄せるやさしさと色彩の洪水に幾度となく魂をゆすぶられた。
揺り動かされた心は、寒さに打ちひしがれそうな心に小さな灯をつけてくれる。
いいえ、小さな灯はいつもボクらの心を照らしていることを忘れてはいけない。
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