お店はお客が作るのだということを、この「珈琲大使館」で改めて思い知らされる。
三井記念病院の目の前というロケーション。お客の年齢層は高い。サラリーマンの営業組も多いが、圧倒的に病院の利用者と思しき客層である。
処方箋を取りに来たという人が、薫りのいいコーヒーを楽しみに来店しているという感じだ。
だから、いつも店は繁盛している。
煉瓦ビルの赤茶けた外観は落ち着いた雰囲気。あまり迷うことなくお店に入れるのは、活気のある店内とシックな外観によるものだろう。
店内は木製の調度で統一されている。大使館というあんばいではないけれど、ボクはこういう喫茶店が好きだ。
ボクはたまにここに来て「ケーキセット」をお願いする。
セットは700円。ちょうどいい値段設定だ。コーヒーはいつも「大使館ブレンド」。
酸味があるが、コクもある。風味の表層が幾重にもまたがり、飽きないテイストである。さすがは、コーヒー専門店。
店内はややざわついているので、本を読むのには適していないけれど、様々な人を眺めているだけで、頭を空っぽにすることができる。
よく喋るおばさん。スポーツ新聞を読み更けるおじいさん、ケータイを無心でいじるサラリーマン。
チェーンスモークする若い男。たまに若い女性が一人でいる場合もある。彼ら、彼女らは、この後どのような用事を持っているのだろうか。
この喫茶店が、もし三井記念病院の前ではなく、1ブロックずれていたら、店は同じ道を辿っていただろうか。多分、違う雰囲気の店になったのかもしれない。
先日、キャバクラに行って面白い話を聞いた。
御徒町、神田、浅草橋にそれぞれ店舗があるという店だが、全て客層が異なり、自然と雰囲気も違うようになってきたと女の子は語った。
「珈琲大使館」のその他の店舗に入ったことがないので、何とも言えないが、大なり小なりそういう傾向はあるのだと思う。
秋葉原店の店長さん、コーヒーをよく理解したナイスガイな方。多分、この人柄もお店の雰囲気に反映されているのだと思う。
「珈琲大使館」には「ブレンドの日」というのが毎月ある。2杯目のお代わりが無料で、40gの豆をお土産にいただける。
コーヒーを楽しくなるお店である。
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