銀天街を抜けて、再び松山市駅に戻ってきた。
まだまだ飲みたりない。
市電の停車場を横目にアーケードを歩く。すっかり市街は夜の闇に包まれた。
4年ほど前にボクはここを通ったボクは「みゅんへん」でおいしいビールと唐揚げを食べた。
でも、今夜は松山らしいお店に入りたい。
松山らしいって?
一六タルト。みかん。
道後温泉。坊ちゃん?
松山の文化薫る歴史の文脈に酒の文字は出てこない。
だが、瀬戸内の山海の珍味を松山人はどうやって召し上がっているのだろう。
そう思いながら、歩いていると、ほっこりと温かい香りがどこからともなく流れてきた。どうやら目の前の店がその匂いの源らしい。
意外だった。そこは「おでん屋さん」だったからだ。
見たところ、ずいぶんと年季の入ったお店だった。
お店はそれほど広くはなかった。恐らく多分に確実にボクは幸運だった。
何故ならば、カウンターに唯一空席があったからだ。
しかも、おでん種が間近で見られる特等席。
常連さんとおぼしきやさしい御仁方がわたしのために席を詰めてくれた。
まずは、お酒をぬる燗で。
ご年配のおかみさんが、優しい笑顔でちろりをおでん器に入れる。
あぁ、これだけで心が温まる。
おでんを覗いて驚いたのが、タコだ。
1匹丸ごと入っている。
タコといってもそれは「イイダコ」で、親指サイズだ。だが、すっかりと赤く染まっており、ミニチュアながらとことんおいしそうである。
「いいだこ」「大根」「巾着」「ちくわぶ」をいただく。
「巾着」は周囲の人がほとんど頼んでいたから。
ほくほくのおでんは出汁が極めて薄い。関東煮とは色も味も違った。
昆布をただくぐらせたかのような上品な味。でも京風とも違い、もっと大衆的だ。
「イイダコ」がおいしい。お酒もおいしい。
なにより、おかみさんの笑顔がお酒をもっとおいしいものにしてくれる。
なんて優しそうなおかみさんだろう。
全身から慈愛が満ちている。
これは後でわかったのだが、「赤丹」は昭和2年ごろの創業という。なんと!
というと、このおかみさんは二代目だろうか。
お酒がおいしくて、とまらない。おかわりを繰り返し、気が付けば三合も飲んでしまった。
おでんも「大根」と「玉子」を追加した。
ちろりとおでんとおかみさん。本当に温まった。
躰ばかりでなく、心もすっかりね。
暫くです・・・
松山に家人の実家があるので一年に数回行きます
何時も道後温泉の定宿に泊まり毎日飲み歩きます
赤丹にもよく立ち寄ります
先日、市駅の地下にある「まつちかタウン」にあるワインバー、昼からやっていて気軽にシャンパンを飲める店を見つけました
とってもお洒落で、3人の美女が交代でやってます…お勧めの店です
又2月下旬に道後温泉に行きます
避寒は暖かな地方の温泉で過ごすのが一番です♪
こんばんは。
本年もよろしくお願いいたします。
松山、いいですね。
あの文化の薫りが感じられるところが好きです。
赤丹にもよく立ち寄られるとのこと。
いつまでもおかみさんが元気でいらっしゃることをお祈りします。
わたしは、ティコさんほど頻繁にはいけませんが、次の機会では昼飲みできるシャンパン美女のお店に行きたいと思います。
今年は、是非お会いしましょう。