![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/36/e3ff08d09bf986b4f25f76730012cef0.jpg)
不本意だねぇ。
お好み焼きって自分で焼くから楽しいんでしょ?
それを店員さんが焼いてくれるなんてすこぶる不本意だねぇ。
恵比寿駅前で信号待ちをしている際に、ふと西の空を見やると、「お好み焼き」の文字が目に飛び込んできた。
「いいねぇ、お好み焼き」
連れのBん君も「異議なし」と言う。
つい、10秒前まで、「お好み焼き」の「お」の字も頭になかったのに、それほど唐突に我々はお好み焼き屋さんに行くことにしたのである。
しかし、「お好み焼き」とはなんとも不思議な食べものだ。
3ヶ月に一度は食べないとまるで地球上に3分しかいられないウルトラマンのように、カラータイマーが鳴るようにわたしの体は設定されている。
普段は気にも留めていない「お好み焼き」だが、何故か3ヶ月経つと、体の中の「お好み焼きエキス」が切れてしまい、居ても立ってもいられなくなってしまうのだ。
これは、20歳のときに初めて親元を離れ、一人暮らしをした浦安がそうさせたのだろう。
あまり知られていないが、浦安は月島や町屋には及ばないものの「もんじゃ」の町である。「もんじゃ」あるとこに当然「お好み焼き」もあり、浦安にはそうした店も少なくない。
わたしは、3カ月おきにお好み焼き屋に通いつめた。
ちなみに、「ちち焼き」と呼ばれる具のない「もんじゃ」は浦安が育んだ独特のものである。
そんな、「お好み焼き」中毒にとって、自らが鉄板の火加減を調節もせず、鉄板に油も引かず、コテすら握らず、店員に調理の全てを委ねてしまうことなぞあったりしたら、それは魂を悪魔に売ったと等しいことではなかったか。
そう、喜び勇んで入った、「お好み・もんじゃ居酒屋 だるまさんが焼いちゃった。」(名前なげぇ~よ)は店員さんが、ばっちり手取り足取り、お座敷に上がりこんでご丁寧に作ってくれるのである。
我々が腰掛けたのは恵比寿駅西口ロータリーが一望できる眺めのよい座敷の席(このお店は6Fにある)で、いち早く瓶ビールとイカ、豚、エビが入っている「だるまMIX天天」を頼んだ。
瓶ビールはアサヒのプレミアムビール「熟撰」。
およよ、「ヱビス」ではないのか。サッポロのお膝元でなんとも大胆な・・・。
しかし、最近はプレミアムビールが花盛りだ。メーカー側と飲み屋の双方で客単価向上の駆け引きが繰り広げられている。
そして、この「熟撰」はうまかった。微妙なホップの苦味が心地よい。「ヱビス」は後味が甘く、やや口に残るきらいがあるが、この「熟撰」はビール本来の苦味があって、お好み焼きの甘いタレとは相性もよさそうだ。
などと、「熟撰」の味にひとり悦にいっていると、「だるまMIX天天」が運ばれてきた。
さて、油でも敷こうか、と思った矢先、少しイケメンの店員が畳に正座をし、「だるまMIX天天」の丼を掻き回し始めたのである。
「おぉっ」っと低い嘆息がわたしの口から漏れると、イケメン君は「大丈夫ですよ」というような微笑を湛え、「作りますんで」と優しく言うのであった。
そこで、わたしは冒頭にある不平が頭によぎるのである。
イケメン君のコテ捌きは思ったほど悪くはなかった。はじめにイカ、豚、エビに火を通し、てきぱきとコテを使ってそれらに火を通す。
だが、問題はその後なのだ。
生地を鉄板に敷いたときに、全てのオコノミャー(お好み焼き調理人)の真価が問われるのである。
イケメン君の力量はたいしたことがなかった。
「若いの、まだまだやのう」と引導を渡してあげたかった。
彼が犯した失敗は「ミキシング」が不十分で、ペーストにダマが残っていたため、鉄板にのせた生地が平らでなかったのである。
また、ダマが残っているということは、焼き加減にムラが出てしまう。
案の定、彼の作ってくれた「だるまMIX天天」は中に火が通っていないところがあった。
だが、なんだかんだ言っても出来上がったお好み焼きはうまかった。山芋を豊富に使っているのか、ホクホクしている。
アツアツのお好み焼きにソースをかけ、削り節をまぶすと湯気に包まれた削りは「こりゃ、たまらん」と踊りだす。青海苔もドバっとかけ、マヨネーズはお好みで。飲んでいるビールグラスにマヨネーズや青海苔がくっついてもお構いなしだ。
こうして、1枚目のお好み焼きと2本の「熟撰」は呆気なく胃袋へと吸い込まれていったのだ。
2枚目のお好み焼きは「うるとらシーフードMIX天天」にした。そして、飲み物はビールから焼酎へとスイッチ。女性店員に適当な麦焼酎をチョイスしてもらうと「泰明」(藤居醸造)を進めてくれた。
「泰明」を水割りにして頂いてみると、なるほどこりゃぁいい。鼻に抜ける芳ばしい香りは、わたしの超お気に入りの本格麦焼酎「釈云麦」(西吉田酒造)に似ている。口に含んだ際のまろやかな芳香。少し燻ったかのような深い味わい。素晴らしい!
締めは「焼きそば」。そして「泰明」のお代わり。
今まで、お好み焼き、もんじゃのお供にビール以外は考えられなかった。やや甘辛いそれらには苦いビールが程よく口の中を中和してくれる。
だが、今日この日、お好み焼きに本格焼酎も悪くはないことに気がついた。道理でこの店、他にも芋焼酎を豊富に置いているわけだ。
鉄板の脇にさりげなく本格焼酎。
あり、でしょ。
お好み焼きって自分で焼くから楽しいんでしょ?
それを店員さんが焼いてくれるなんてすこぶる不本意だねぇ。
恵比寿駅前で信号待ちをしている際に、ふと西の空を見やると、「お好み焼き」の文字が目に飛び込んできた。
「いいねぇ、お好み焼き」
連れのBん君も「異議なし」と言う。
つい、10秒前まで、「お好み焼き」の「お」の字も頭になかったのに、それほど唐突に我々はお好み焼き屋さんに行くことにしたのである。
しかし、「お好み焼き」とはなんとも不思議な食べものだ。
3ヶ月に一度は食べないとまるで地球上に3分しかいられないウルトラマンのように、カラータイマーが鳴るようにわたしの体は設定されている。
普段は気にも留めていない「お好み焼き」だが、何故か3ヶ月経つと、体の中の「お好み焼きエキス」が切れてしまい、居ても立ってもいられなくなってしまうのだ。
これは、20歳のときに初めて親元を離れ、一人暮らしをした浦安がそうさせたのだろう。
あまり知られていないが、浦安は月島や町屋には及ばないものの「もんじゃ」の町である。「もんじゃ」あるとこに当然「お好み焼き」もあり、浦安にはそうした店も少なくない。
わたしは、3カ月おきにお好み焼き屋に通いつめた。
ちなみに、「ちち焼き」と呼ばれる具のない「もんじゃ」は浦安が育んだ独特のものである。
そんな、「お好み焼き」中毒にとって、自らが鉄板の火加減を調節もせず、鉄板に油も引かず、コテすら握らず、店員に調理の全てを委ねてしまうことなぞあったりしたら、それは魂を悪魔に売ったと等しいことではなかったか。
そう、喜び勇んで入った、「お好み・もんじゃ居酒屋 だるまさんが焼いちゃった。」(名前なげぇ~よ)は店員さんが、ばっちり手取り足取り、お座敷に上がりこんでご丁寧に作ってくれるのである。
我々が腰掛けたのは恵比寿駅西口ロータリーが一望できる眺めのよい座敷の席(このお店は6Fにある)で、いち早く瓶ビールとイカ、豚、エビが入っている「だるまMIX天天」を頼んだ。
瓶ビールはアサヒのプレミアムビール「熟撰」。
およよ、「ヱビス」ではないのか。サッポロのお膝元でなんとも大胆な・・・。
しかし、最近はプレミアムビールが花盛りだ。メーカー側と飲み屋の双方で客単価向上の駆け引きが繰り広げられている。
そして、この「熟撰」はうまかった。微妙なホップの苦味が心地よい。「ヱビス」は後味が甘く、やや口に残るきらいがあるが、この「熟撰」はビール本来の苦味があって、お好み焼きの甘いタレとは相性もよさそうだ。
などと、「熟撰」の味にひとり悦にいっていると、「だるまMIX天天」が運ばれてきた。
さて、油でも敷こうか、と思った矢先、少しイケメンの店員が畳に正座をし、「だるまMIX天天」の丼を掻き回し始めたのである。
「おぉっ」っと低い嘆息がわたしの口から漏れると、イケメン君は「大丈夫ですよ」というような微笑を湛え、「作りますんで」と優しく言うのであった。
そこで、わたしは冒頭にある不平が頭によぎるのである。
イケメン君のコテ捌きは思ったほど悪くはなかった。はじめにイカ、豚、エビに火を通し、てきぱきとコテを使ってそれらに火を通す。
だが、問題はその後なのだ。
生地を鉄板に敷いたときに、全てのオコノミャー(お好み焼き調理人)の真価が問われるのである。
イケメン君の力量はたいしたことがなかった。
「若いの、まだまだやのう」と引導を渡してあげたかった。
彼が犯した失敗は「ミキシング」が不十分で、ペーストにダマが残っていたため、鉄板にのせた生地が平らでなかったのである。
また、ダマが残っているということは、焼き加減にムラが出てしまう。
案の定、彼の作ってくれた「だるまMIX天天」は中に火が通っていないところがあった。
だが、なんだかんだ言っても出来上がったお好み焼きはうまかった。山芋を豊富に使っているのか、ホクホクしている。
アツアツのお好み焼きにソースをかけ、削り節をまぶすと湯気に包まれた削りは「こりゃ、たまらん」と踊りだす。青海苔もドバっとかけ、マヨネーズはお好みで。飲んでいるビールグラスにマヨネーズや青海苔がくっついてもお構いなしだ。
こうして、1枚目のお好み焼きと2本の「熟撰」は呆気なく胃袋へと吸い込まれていったのだ。
2枚目のお好み焼きは「うるとらシーフードMIX天天」にした。そして、飲み物はビールから焼酎へとスイッチ。女性店員に適当な麦焼酎をチョイスしてもらうと「泰明」(藤居醸造)を進めてくれた。
「泰明」を水割りにして頂いてみると、なるほどこりゃぁいい。鼻に抜ける芳ばしい香りは、わたしの超お気に入りの本格麦焼酎「釈云麦」(西吉田酒造)に似ている。口に含んだ際のまろやかな芳香。少し燻ったかのような深い味わい。素晴らしい!
締めは「焼きそば」。そして「泰明」のお代わり。
今まで、お好み焼き、もんじゃのお供にビール以外は考えられなかった。やや甘辛いそれらには苦いビールが程よく口の中を中和してくれる。
だが、今日この日、お好み焼きに本格焼酎も悪くはないことに気がついた。道理でこの店、他にも芋焼酎を豊富に置いているわけだ。
鉄板の脇にさりげなく本格焼酎。
あり、でしょ。
しかし、確かに自分で焼いた方がいいね。自分の好きなように焼けるからね。
ただ、関西でもおばちゃんとかが焼いてくれるところ結構あるよ。でもそんなところのおばちゃんはベテランなんで、俺よりうまく焼いてくれたりするけどね。
以前、師は「お好み焼きとご飯を一緒に食べる大阪人と京都人を一緒にしちゃいけないよ」と言った言葉は一生忘れないよ。
しかし、「お好み焼き」って誰が考えたんだろう。
さて、大阪にはお好み焼きと味噌汁、ご飯のセットという「お好み焼き定食」があるらしいと聞き、上記の発言になったんですが、後で聞いたところによると、お好み定、京都にもあるらしい・・・。
俺はこの組み合わせでは食べないけどね。
ただ、うどん定食とかそば定とかラーメン定とか、炭水化物&炭水化物の定食って他にも結構多いよね。
ただ、お好み焼き定食は特に俺には衝撃だった訳で。
しかも、それを頼むお客も少なくない、ときてる。
なんか、ラーメン食べてライスって下品なんだよねぇ。しかも、無料だから、とりあえず、貰っておくか、っていうのもあさましい気がするよ。
でも、「ライス無料ですが」と言われて少し考える自分がいるのも事実。
結局、ケチケチなんだね。
しっかし、どっぷりGWを過ごしたよ。山口に行ったのはいいけれど、出かけたところといえば、近所のセブンイレブンにスポーツ新聞を買いにいっただけ。
明日から社会復帰できるかな。