何気なしに都電の池袋四丁目を降りたくなった。
本当に、ただなんとなくである。
元来、池袋はあまり好きな街ではないのに。
そして、なんとなく首都高速5号線の高架下を歩いて、何気なく路地を覗いていたら、立ち飲み屋を発見した。
なんだか、この店に導かれたみたいに。
しかし、なんでこんなところに立ち飲み屋があるのだろう。池袋の外れだというのに。
お店に入ると店内は変わった造りになっていた。
四角の空間ではないのである。大きな四角にもうひとつの部屋が付け足された空間。ここはもともと飲食店を想定した部屋ではいことが一目瞭然の間取りになっている。
入口から向かって左側に厨房があり、そのカウンターには一通りの酒肴が並べられている。
「ははぁ。センター会計システムだな」とピンときた。
客が自ら酒と肴を取りに行き、そこで会計するシステムである。
立ち飲みには様々なレストランスクリプトが必要だ。キャッシュオンデリ、センター会計システム、食券、チケット制、そして通常の会計などである。
ボクは「煮物」(200円)の小鉢と琥珀のヱビス(400円)を頼んだのである。
琥珀ヱビスの樽生があるのが素晴らしい。ピルスナーの生ビールは1杯350円。この他、ギネスも用意されているとは。
素晴らしい。ギネスは恐らくパイントではないだろう。なんと1杯が450円である。
店主と思しきおやっさんが「煮物」をレンジでチンしてくれ,ヱビスをもらって自分が陣取るカウンターに戻った.
「煮物」は椎茸,人参,里芋,こんにゃくの入ったオーソドックスなもの.だが,これがけっこうしょっぱかった.しょっぱいものが好きなボクでも辛いと感じるくらいだから余程のことだったかも.
慌てて,琥珀のヱビスで洗い流す.ゴクゴク,マジうまい.
カウンターに出ている酒肴はかなりの種類.
「牛すじ煮込み」(250円),「おでん」は各種100円.「唐揚げ」(200円),「ししゃも」は3尾で200円という安価さ.
17時を過ぎて,少しずつお客が増えていく.
日本酒を飲みたくなり,店の名前と同じ「喜平」を頼んだ.これが純米吟醸なのに僅か300円.
なるほど,そういうわけか.造り酒屋「喜平」と関係がある立ち飲み屋さんらしい.これは後で知ったことだが,この店のおやっさんはその造り酒屋の営業マンだったとのこと.そして,この店はその倉庫を改造して営業しているようだ.
道理でコストを下げられるわけだ.
樽生のビールが3種類.ピルスナーにエール,そしてスタウト.この3色のビールが飲める立ち飲み屋も珍しい.
そして,純米吟醸がこの値段.
最高じゃないか.
大学の図書館からの帰りは,途中下車だな.
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