雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

帰ってきた、Cooled 60D (2)

2013年01月03日 | 機材
この記事は12/25掲載の
  の続編です。

前回記事で、早速届いたCOOLED 60Dのダークノイズの検証結果では
 ●冷却ONで、露光時間が増えてもノイズは増加しない。
 ■冷却ONでも、ISO感度を上げると比例してノイズは増加する。
 ■冷却ONでも、高レベルのホットスポットノイズが発生する。
という事がわかった。
これをまとめると
当初、冷却カメラに期待していた冷却によるノイズ抑制効果で、
 ・より高感度設定による「露光時間の短縮
 ・「コンポジット枚数の削減
つまり 『今までより楽をして、今までと同じレベルの作品を得る。
という、もくろみははずれ
今までと同じ努力で、今まで以上のレベルの作品を得る。
という姿勢でのぞむべき事がわかった。

その後も天候に恵まれず、日々ダークファイルのデータ蓄積を
行っていたある日の事。
□2012. 7.14   最初の異常発生!
シャッターに異音が発生し、カメラの液晶画面に"Err 20"の表示が!


それ以降撮影ができなくたったため、Err 20 がなんなのか調べてみた。

Err20は、「メカ機構関連の不具合」となっている。

何度かカメラ電源を入れなおしたが回復しない。
そのうち、うんともすんとも言わなくなってしまった。
改造品のため、新品にもかかわらずメーカ修理ができないというリスクを実感した。
一応自然回復もありうるので、翌朝まで待ったが状態が変わらなかったので、
購入した Syu○○ttoに送付した。
送付した後に、もしかしたら故障原因に関連するかも知れない事に思い当たった。
それは、カメラ本体に内蔵するタイプの光害カットFILの事。
以前手持ちのKissDXのFIL改造依頼をした際に、同時に購入したものを
CCD面へのゴミの付着を防ぐため、COOLED 60Dにも装着していたのだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(FIL装着前)


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(FIL装着後)
装着にあたって特に違和感も無かったため、ダークファイル取得時も
着けたままにしておいたのだが・・・
気になって、FFフィルタの購入を扱っているメーカのHPで調べたところ、
購入時に 『Dシリーズ』 『Kissシリーズ』 を選択するようになっている!

どこが違うのかは、わからなかったが不具合要因かも知れない事を
メールでお知らせした。
その後Syu○○ttoからの連絡では、既に自然回復していたようで
Err 20の発生は無く、念のためACアダプタも送付して検証も行ったが、
異常は発生しなかったとの連絡をいただいた。
またFFフイルタのちがいについて、瀬○さんに問い合わせていただいたところ、
「D60は”出っ張り”があってKissシリーズ用は装着できない筈」との返答が
あったとの事。
実際には問題なく装着できていたのだが、製造元が言うからには無理に
使うとミラーとの干渉もあるかと思い、仕方なく『Dシリーズ』の
LPS-P2-FF を追加購入する事にした。(送料込み\25,800-安くない!
*光害カットフイルタは必需品であり、FFタイプは常時カメラ内部に取り付けておけば、
 撮影レンズ・鏡筒が変わってもそのまま使える便利なもの。

□2012. 7.25   COOLED 60D 戻ってくる
送っていたCOOLED 60Dが追加購入したFFフィルタと一緒に戻ってきた。
Dシリーズ』 『Kissシリーズ』のFFフィルタの比較(右側が追加購入した『Dシリーズ』用)

下の画像はCOOLED 60Dに追加購入した『Dシリーズ』用FFフィルタを取り付けたところ。

(たしかに切り欠きがシックリ収まっている感じ)

□2012. 8. 1   COOLED 60D 初SHOTは月
戻って来たCOOLED 60Dの受け入れ検証は、新しく購入したFFフィルタを装着して
5分×10枚のダークファイルの撮影を行ったが、Err20の発生は無かった。
無論、本当の原因がFFフィルタとの確信がなかったため不安は残る。
その後、天候に恵まれずに本番での初ショットは8月1日、満月に近い月が
あったため、冷却OFF、FFフィルタをはずして月の撮影をおこなった。
(30%縮小トリミング画像)

撮影DATA:
月齢12.9 VixenR200SS(コマコレクタ3)+CanonEF2.0x(合成f=1600mm) 2012/08/01 22h08m~
1/160sec 20コマ AviStack処理×2枚モザイク ISO 200 COOLED 60D(冷却オフ)

今回の月の撮影方法は動画では無く、EOS 60Dの高画素を有効に生かし
月の上下半分づつを撮影した静止画各20枚をAviStackで処理したのち、
モザイク合成でつないだ。
(100%トリミング画像)

ほぼ満月なのだが、周辺部のクレータや小さく輝くクレータが高い解像で
写っていた。
冷却の有無に関わらず、60Dの基本能力が高い事が実感できた。

□2012. 8.20   待望の星雲、初ショット
昼間は猛暑で、夕方から雲というパターンが続き、やっと冷却ON・FFフィルタ装着での
本格的撮影をする事ができた。
IC.5146 まゆ星雲 (はくちょう座)   (35%縮小画像)

撮影DATA:
VixenR200SS(コマコレクタ3)(f=800mm) 2012/08/20 00h22m~ 5Minx1、10Minx9
LPS-P2フィルタ EM-200USD GS60Sガイドスコープ+PHD Guiding ISO 1600
COOLED 60D(冷却ON -2℃) ステライメージ FlatAide

低ノイズからくる透明感や、14bitの高階調から得られる画像はやはりすばらしい!
特に空が暗ければ露光時間を延ばしても、ノイズが増えないという冷却ならではの
特性が心強い。
(  この画像は『ビクセンギャラリー2013春』に応募し、銅賞をいただきました。
その後のCOOLED 60Dで撮影した作品は

   の[8月撮影分][9月撮影分]を参照願います。

この他にも撮影したものがあったのだが
北アメリカ星雲とペリカン星雲 (はくちょう座)   (35%縮小画像)

撮影DATA:
CanonNFD400mm F2.8開放 2012/08/22 01h50m~ 5Min X18
LPS-P2フィルタ EM-200USD GS60Sガイドスコープ+PHD Guiding ISO 1600
COOLED 60D(冷却ON -2℃) ステライメージ FlatAide

これが、天体アルバム選外となった理由のひとつは、
画面下部にモヤモヤとした”かげり”が写っていた事。
そういえば、まゆ星雲の写真にも変なハレーションがあった・・。
今思えば、
9月下旬に発生する深刻なトラブルの前兆だったのだろうか?

記事が重くなったため、
帰ってきた、Cooled 60D (3)」 につづく

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