雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

天体写真における ”招かれざる客”(私の場合)

2013年09月04日 | 天体写真よろず話
ちょっと気取った記事タイトルですが、私の天体写真撮影において
招かれざる客”とは、撮影中にカメラの写野に飛び込んでくる
飛行機の灯火人工衛星の光跡を言います。

私の場合は望遠レンズや望遠鏡で星雲や遠くの銀河を撮ることが多く、
夜空の狭い範囲を写しているため、飛行機や人工衛星の光跡が
写りこむ確率は少ないのですが、それでも時々はいやがらせかと思うほど
見事に画面の中央を横切る事があります。
その場合はコンポジット(何枚も画像を重ね合わせる事)から除外するか、
「加算平均(σクリッピング)」で光跡を除外してコンポジットしています。
その結果、飛行機や人工衛星の写った画像をお見せする事はまず無いのですが、
今回はあえて ”招かれざる客”が写りこんだ画像をメインにお見せします。

(写りこんだ画像だけではノイズが目立つため、他の画像とコンポジットしています。)

さそり座からいて座の銀河 TAMRON 17-50mmF2.8(f=50mm) 写野角(長辺)25
(Cooled60D 2013/05/31)
画面上部に明らかに飛行機(またはヘリ)の灯火と思われる光跡が写っています。(画像クリックで拡大)

 

いっかくじゅう座の星雲 CanonNFD400mmF2.8(f=400mm) 写野角(長辺)
(Cooled60D 2013/02/10am)
中央上から右下に人工衛星と思われる光跡。(回転のためか、わずかに変光しているようです。)
中央に流れ星の様に見えるのはイリジウム衛星と思われます。(延長線上の右上でもフレアが見えます。)
(*イリジウム衛星・・・衛星電話用に打ち上げられた66個の衛星。鏡面のようなアンテナが太陽光を反射し、時々-9等級もの明るさで輝く。)


アンドロメダ大星雲 CanonNFD400mmF2.8(f=400mm) 写野角(長辺)
(Cooled60D 2012/09/13am)
飛行機の光跡が、余りに見事にアンドロメ大星雲を縦断しています。
( 2本の光跡は翼端に付いている航空灯でしょうか。光跡の間隔は角度にして0.25度です。 )


プレアデス星団 VixenR200SS反射鏡筒(f=800mm) 写野角(長辺)1.6
(KissDX(改) 2012/10/14am)
光跡から見て人口衛星でしょうか? ( 画像の上側が北方向になります。 )


らせん星雲(みずがめ座) VixenR200SS反射鏡筒(f=800mm) 写野角(長辺)1.6
(KissDX(改) 2010/10/01)
光跡から飛行機(またはヘリ)の胴体下部に付いている赤色の衝突防止灯と思われます。
( らせん星雲の見かけの大きさは約13分(0.2度) )


ひまわり銀河(りょうけん座) VixenR200SS反射鏡筒+Canon1.4X(f=1120mm) 写野角(長辺)1.1
(KissDX(改) 2013/04/14)
人口衛星と思われますが、写っていた2枚の画像を合成しています。
( 画像の上側が北方向になります。 )


NGC1300銀河(エリダヌス座) VixenR200SS反射鏡筒+純正エクステンダー(f=1500mm) 写野角(長辺)0.8
(Cooled60D 2013/01/31)
航空灯(位置灯)は右翼端が緑色、左翼端が赤色と定められています。
という事は、飛行機は左上から右下に通過していった事がわかります。
( 訂正2017. 6. 9 地上から飛行機の背面を見ているため、飛行経路は右下から左上が正解でした )
棒渦巻銀河NGC1300の見かけの大きさは約0.1度。
その銀河の手前を寸分たがわず、飛行機が通過していきました。
近くに空港も無い、田舎の空の上で・・・

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9月の新月期も期待できそうにありません。
グズついた天気のまま秋が終わり、冬が来たら・・・
本当の”招かれざる客”は、飛行機や人工衛星では無く、
雪国の長く続く冬の鉛色の空です。

雲上くもがみ
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コメント (10)
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