いわゆる“正社員”のように期間を定めずに雇用している従業員が退職しようとする際には、民法第627条の規定が適用され、2週間前に申し出ることによって雇用関係を終了させることができる。
その一方で、期間を定めて雇用している従業員(“契約社員”や“パートタイマー”等)については、本人からも会社からも、期間満了前に雇用関係を終了させることは、原則として、できない。「雇用期間」についても両当事者が同意した契約条件の一項目なのだから、期間中に解約できないのも当然と言えば当然のことであろう。(ただし、民法第628条は「“やむを得ない事情”があるときは、各当事者は、直ちに契約を解除することができる」としており、労働契約法第17条も「“やむを得ない事由”がある場合」の解雇を一応は認めている。)
では、有期雇用従業員の側から本人の都合で退職したいと申し出が有った場合に、これを会社が認めないのは可能なのかというと、実質的には無理だ。と言うのも、それは本人の意に反する労働を会社が強制することになってしまうからだ。日本国憲法第18条は「苦役からの自由」を謳っており、また、「強制労働(労働基準法第5条違反)」には最長10年の懲役まで規定されているのだ…‥
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