本人の適性や経営上の都合など事情は様々であろうが、従業員を解雇しなければならないこともあるだろう。
従業員を解雇するには、30日前までに解雇を予告するか、30日分以上の平均賃金を支払うものとされている(労働基準法第20条)。そんな事ぐらい、賢明なる読者諸氏には今さら説明するまでもないとは思うが、この規定は、パートタイマーやアルバイトにも適用されることは承知しておられるだろうか。
「そんな事だって解っている」という方。では、彼らについては解雇予告手当の計算方法が正社員とは異なる場合もありうることはご存じだろうか。
労働法を勉強された方でも、ここまでは知らなかったり、あるいは知っていてもうっかり月給制の者と同様の計算をしてしまう例が見受けられるので、ここで再確認しておきたい。
労働基準法第12条第1項ただし書き第1号では、時給制や日給制の従業員については、平均賃金は「直近3ヶ月間の賃金総額÷実労働日数」の6割を下回ってはならないことを定めている。
したがって、月あたりの労働日数が概ね18日に満たない者には、通常の30日分の賃金よりも多額の解雇予告手当を支払わなければならない計算となるのだ。
この点をしっかり理解し、実務上も失念しないようしておく必要がある。
昨今では、解雇後しばらく経って(会社の担当者も忘れたころ)、解雇予告手当を請求してくるケースも増えていると言う。
そもそも解雇自体できれば回避すべきではあるが、不幸にして従業員を解雇せざるを得ない場合には、正しい手続きを踏んでおかないと後から大きなしっぺ返しを食らうことがあるので、充分に注意したいものだ。
※この記事はお役に立ちましたでしょうか。
よろしかったら「人気ブログランキング」への投票をお願いいたします。
(クリックしていただくと、当ブログにポイントが入り、ランキングページが開きます。)
↓