社内では「パートタイマー」と呼んでいても、正社員と同じ業務をこなしている者もいるだろう。もし、それがパートタイム労働法第8条に言う「正社員と同視すべき短時間労働者」であるなら、短時間労働者であることを理由として賃金その他の待遇において差別してはならないので、注意が必要だ。
「賃金その他の待遇」というのは、典型例として「家族手当」や「賞与」等が挙げられるが、これらを「パートだから」という理由で支給しなかったり減額したりするのは違法となる。「正社員と同視すべきパートタイマー」には、正社員と同様の基準で支給しなければならないのだ。ただし、無論、実働時間数に応じた合理的な差異や個人の勤務成績により生じる差異については許される。
この場合の「正社員と同視すべき」とは、①業務の内容や責任の程度が同じである、②配置転換等の人材活用の仕組について同じ運用が見込まれる、③雇用期間に定めが無い(有期雇用契約の反復更新を相当回数繰り返した場合を含む)、の3つすべてを満たすものとされている。
逆に言えば、これらのいずれかについて正社員と明確に区別されていれば「正社員と同視できない」ことになるわけだ。例えば、パートタイマーには「補助的な業務のみを担当させている」とか「正社員のような転勤を命じない」というのであれば、「正社員とは異なる」と主張できよう。
責任範囲や職務ローテーションにおいて扱いが異なることを理由に正社員とパートタイマーとの賃金格差を容認した判決(京都地H20.7.9判)は参考になりそうだ。
「正社員」と「パートタイマー」とは何が違うのか、単に“呼称”だけでなく、長期的な観点を含めて“会社が期待する役割”を明確に区分しておくべきだ。
さらに、それを踏まえたうえで、有能なパートタイマーは正社員に登用する制度を整えておくのが、インセンティブ面でも有効な方策と言えよう。
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