朝倉彫塑館  〈台東区 谷中〉

2007年08月21日 | art



 何気なく観ていたTVに、見慣れた建物が映っていた。
桐島ローランドが『朝倉彫塑館』を案内していたのだ。
ピアノのレッスンスタジオから数分歩くと、谷中商店街の先に『朝倉彫塑館』がある。

10年ほど前に、下町見物と称して「乃池」の穴子寿司を食べたり、そしてこの『朝倉彫塑館』に初めて寄った。
友人と一緒だったので、その時はあまり深い印象はなかった。

気候の良い時は、彫塑館を過ぎ、芸大の前から上野へと抜ける。
彫塑館の前を過ぎる時は、そのうち寄ろう寄ろうと思いながら、
とはいえ、その内とお化けは出たためしが無いのだ。
そして今回、番組で詳しく説明されると猛烈に行きたくなっていた。





今日、この残暑の猛暑の中に寄ってきました。
夏休みのせいか、そして放映のせいか、若い人や外国の方も多く
しかし、部屋によっては冷房が無いところもあり、、、、ホント!暑かった。

『朝倉彫塑館』はアトリエと数寄屋造りの住まいで構成され
朝倉文夫自身が拘って設計したので、気に入るまで8回、そして7年をかけ増改築を繰り返し、今の建物になったという。
細部にわたって朝倉の美意識が発揮されて、凝り過ぎた感が無いとはいえないが、趣味人の手作りのこだわりの空間だった。
ひとつひとつ、朝倉がこだわった細部や曲線を多用したアトリエを隅々まで眺めていくのは、楽しかった。

今回はひとりなのでゆっくり見学が出来た。






気になっていた外壁はコールタール塗装だとか。
朝倉文夫ときくと、浮かぶのはやはり早稲田の大隈重信像と代表作の「墓守」
そして猫たち。
100匹の猫を造形するつもりだったのが願い叶わず、
あ!結局何匹作ったのか忘れてしまった。
今にも動き出しそうな猫ちゃんばかり。(わたしは猫が苦手なのだが)

そういえば彫塑といえば、学生時代に自分の頭部を造形したことがあった。
あの下手糞な、若かりし頃のわたしの石膏の頭はどこへいったのでしょう(笑)

館内は写真厳禁だけれど、日本庭園に限っては可能なので何枚か撮ってみた。

中庭は「五典の水庭」と呼ばれ、朝倉が自己反省の場として設計し、儒教の五常を象徴した五つの石が配され、今も湧き水が池を満たしていた。



                         
コメント (2)
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