12回目の3月11日がやってきた。
この日の事は鮮明に覚えている。
今朝も地震があった。
一昨日に、今年の芥川賞の「荒地の家族」を読み終えたところだった。
私は選評を読んでからいつも作品を読むのだが、東日本大震災の復興から
零れ落ちた人々の生死を誠実なリアリズムで描いた作品、などの選者の言葉が連なっていた。
久しぶりに、芥川賞にふさわしい作品だと私は思った。
東北は海岸に沿ってよく旅をした。
この日が近づくと、旅で出会った地元の人や震災前の風景が頭をよぎる。
あの人々は元気なのだろうかなどと…
今日もあの時の同じ時間帯にスーパーマーケットで買い物をしていた。
地震の起きた14時46分に黙とうを捧げましょうと店内にアナウンスが流れ、しばし
静かになった。
私も黙とうしたけれど、周りでは誰も…
人間て12年も経ち、まして関係する事柄が無いとだんだん忘れてしまうものだなと。
せめて、その時だけでも東北地方に様々な想いを馳せてもらいたいと思った。