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日光を出し惜しみしています。
それでも朝早くには、
時折、薄日も射していたのですが・・。
天気予報通り、
午後には雨が降り出しました。
と言っても、一体、
いつ頃から降り出したのか・・。
気付いたのは、午後 3 時頃・・。
音もなく、静かな雨です。
今日は、本当に久し振り、出掛けて来ました。
と言っても、街の中心部まで自転車で下りただけなのですが・・。
寒さもあって、最近すっかり出不精になってしまっている私・・。
それでも、ついこの間まで黄金色に輝いていた周りの景色は、
びっくりするほど、冬枯れの灰色の景色に、一変しています。
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今日の空のせいもありますが、これこそが、
アン の言う、「色彩のない世界」 なのだと、
妙に感心してみたり・・。
この所は、毎日ストーブを暖炉に見立てて?
空想に耽ってばかりいたものですから、
こんな事ですら、新鮮? です。
それと言うのも・・。
先日来からの、『世に棲む日々』 にあるかも知れません。
ふと・・ある場面を思い出してしまったのです。
高杉晋作の嫁、お雅が萩から晋作のいる下関に旅する時の事。
(この時代は、こんな事は、まずありません)
何もかもが珍しくて ―― と、後にお雅は語っています。
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世間ずれた者にとっては珍しい
ような風景や事柄は一つもない。
が、お雅にとっては、
雲雀峠を越える時、そこに落葉樹
の原生林があって、恐らく、
たらの樹であろう見慣れぬ巨樹が
白い樹身に枯れ蔦を絡ませながら
一個の怪物のように、
そそり立っていた。
それを見るだけでも ―― あれ、
あのような樹が。と、珍しく・・・
山道を下る度に村が蟠っている事にさえ、
世の不思議のように思えた。・・・・・” 【「世に棲む日々」 Ⅲ】
いやはや・・何とも感化されやすい私です。
ところで、右上の写真は、
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けもの道が通れるようになって・・という、それです。
この径をまっすぐ辿ると ・・それこそ、『お化けの森』 に通じるような径。
先に行ってみたい気はしたのですが、何分にも今にも泣き出しそうな天気。
それが心配で ・・? 引き返してしまいました。
この先に一体何が・・? 後のお楽しみと致しましょう・・。
※ 前回は、径の向こうは、「妖精の国」 だったのですね。
思えば・・秋晴れの良いお天気だったようです。
逆に今日のような薄ら寒い天候では、「お化けの国」 も仕方ないのかも知れません。