【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

A・クリスティーの食卓

2010-12-07 15:58:58 | A・クリスティーの館


   昨日の暖かさの余韻でしょうか・・
  起床時の居間の気温は何と17度。

   昨日のニュースでは今日から
  寒くなるという事でしたので、
  覚悟していたのですが・・。

   ともあれ、暖かい分には
  何の問題もありません。

   ただ今日は朝から北風が吹き、
  ハラハラと紅葉が散っています。

   3分の1程度、残っていた紅葉も後僅か。“もののあはれ”を感じます。
  ところで、今日の空。昨日の午後にも見た、ス~ッと白い1本の筋雲が今朝も。
  同じものではないでしょうが、しばし見惚(と)れていたものです。      

   さて、久し振りの読書。
  今日取り出した本は、これもちょっと
  久し振りアガサ・クリスティー。
  
   12月ですから、クリスマス料理
  中心の本に致しましょう。

   こんな風に記しますと、
  “一体、何の事・・?” って
  思ってしまいますね。
  
   サスペンスも然る事ながら、
  ハーブや料理にも造詣が深いクリスティーならではの事。
  
   その代表的なものと言えば、
  『クリスマス・プディングの冒険』(橋本福夫・他訳)でしょう。
  
   題名からして今の季節にぴったりの短編集です。
  尤も、こちらに取り上げるのは2度目ですね。
  
   こちらの本は、何と言ってもクリスティー自身が、
  『料理長のお得意料理集』 とも呼んでいますように、
  クリスマス料理満載の本でもあるのです。

   その中で、メイン料理の 『クリスマス・プディングの冒険』 は、
  後にして今日は、シャーベットの 「24羽の黒つぐみ」 を。

   そうそう、ここで登場のレストランは、
  チェルシーのキングス・ロードにある、「ギャラント・エンディバ」。

   ここでの食事は、フランス風の凝った料理ではなく、
  吟味の行き届いた英国風の料理のようです。
  そして本日の料理長(シェフ)お勧め料理は、「七面鳥の栗の実漬め」。~なんて。

   ストーリーは・・。
  いつも同じ曜日(火、木)に来ていた客が初めて違う曜日(月)に来た。
  しかも料理も全く違うものを注文。

   たったそれだけの事ですが、
  ポアロの 灰色の脳細胞? は、異変をキャッチ・・するのです。

   私は・・と言えば。先日仕込んだ、【ローズマリーワイン】 を片手に。
  今日のワイングラスは一応銀製です。中身が安物ですので器だけでも優雅に。
  
   ここで事件のヒントとなる伏線を記して置きましょう。
  それにしてもこれ又、優雅な言葉遣いですこと! 

(中略) 「僕の好みをよく心得ているね、君は」 と彼は言った。
「あら、ちょくちょくおいで下さいますから。
お好みを存じ上げるぐらい当たり前です」

エルキュール・ポアロが言った。
「すると、人の好みはいつも同じなのかな! 
たまには変えたくはないものだろうか?」

「殿方はお変えになりませんです。
ご婦人方は、変わったものを召し上がりますが ――
殿方はいつも同じものを召し上がります」

「僕がさっき何と言った?」 ボニントンが不平がましく言った。
「女というものは本来が食い物には全くうといのさ!」
           「24羽の黒つぐみ」~『クリスマス・プディングの冒険』 A・クリスティー