【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

ミス・マープルのティータイム

2010-12-17 16:56:56 | A・クリスティーの館




     昨日は全国的に寒気に覆われたようですね。
    今朝は昨日より更に1度低い11度となりました。(居間の気温)

     ただ昨日と違うのは、空に1点の雲もない快晴だという事。
    太陽の光が、ふんだんにあるという事は、
    本当に有り難い事ですね。

     今朝の気温は今季一番の寒さとなりましたが、
    体感的には随分、暖かい気がします。

   




   「ああ、小父さん、素敵な朝ね。
  神様がご自分でただ楽しみのために描いた
  絵のような世界じゃないこと? 
   この木ったら、あたしのひと吹きで吹き飛びそうだわ――フッ! 
  あたし、白い霜ってものがある世界に住んでいて本当に嬉しいわ。
  そうじゃない?(略) 
                     
                                【「赤毛のアン」 第18章】

   





   そうそう昨日の紅葉、今朝もまだ散っていません。
  心なしかピンと張っていた葉は、少し縮んだよう。

   他の枯れた葉のように、このまま枝にくっついたまま最期を迎えるのか、
  それとも潔く地面に舞い降りるのか・・少々考えさせられます。







 
 

   




   さて、今日の話題。
  こちらのアガサ・クリスティー作 「クリスマス・プディングの冒険」 を
  取り上げるのは、今日で3回目ですね。

   短編集ですので既に読了していますが、
  前回も申しましたように、こちらの作品はクリスマスのご馳走本です。

   前回は、クリスティー自身が “シャーベット” と呼んでいる、
  「24羽の黒つぐみ」 を取り上げましたね。

   今日は、これも “選り抜きの添え物料理” の中から
  「グリーンショウ氏の阿房宮」 を。この本では唯一、ミス・マープルが主役です。

   ミス・マープルと言えば・・。
  揺り椅子と編み物、お茶・・が定番。お得意の推理力が冴えます。

   阿房宮とは建物の事であり、“阿呆” も連想されますね。
  それは美術的にも価値が高いお屋敷であり、老嬢が家政婦と庭師と共に住んでいます。

   老嬢は家政婦に全ての財産を譲るとの遺言書を作成。
  その矢先、老嬢が矢を放たれて殺される・・というストーリーです。
  今回は、料理は殺人事件に関係ありません。

   でも、ここでもクリスティーお得意の植物が謎解きのヒントになります。
  例えば、こんな風に。~ミス・マープルの言葉






なずな、雪の下、えにしだ、釣鐘草・・・・・
さあ、これで私に必要な証拠が、残らず揃ったという訳だわ。

昨日の朝、ここで草を摘んでいたのは、庭の事など、
分かる人ではなかったのよ。
雑草と一緒に、大事な草の方まで抜いてしまっているのですもの。

これで、私の意見の正しい事が証明出来たって訳なの。
お礼を言うわ、レイモンド。ここへ連れて来てくれた事によ。
私、この場所を自分の目で確かめてみたかったの」
A・クリスティー 『クリスマス・プディングの冒険』 より 「グリーンショウ氏の阿房宮」


   



   クリスティーと言いますと、今ではお目にかかる事の出来ない、
  古風で優雅な社会を描いているから好きなのです。