【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

薔薇とボルドーの豊潤なる時

2010-12-23 16:11:26 | 煌きの硝子(ランプ含む)




   真珠色の空で明けた朝。
  今朝も起き抜けの気温は15度。
  暖かい朝です。

   しかしながら「天使の梯子」の
  空は荘厳かつ厳粛な雰囲気。

   荘厳と言えば昨夜のお月様は、
  それはそれは美しいものでした。
  透明感のある冴え渡った月。

   




   “その年は冬の到来が
  遅く、季節は大変暖か
  だった。
  地面には雪もなく、
  ジョー・レイモンドのボート
  が青岬の砂浜に打ち上げ
  られてからひと月ほどして、
  庭をぶらぶら歩いていた
  サイラはもつれ合った葉の陰に
  数輪のパンジーが咲いているのを見つけた。(略)”

                                       【「アンをめぐる人々」 10.】








   『アンの世界』でも冬にパンジーが・・。しかも100年前。
  明らかに今は異常気象でしょうが、こんな記述を目にすると何だかほっとします。





   ところでワイン色、葡萄酒色、
  ボルドー色、アンティークローズ色・・。

   これらは、みんな同じ色ですが、
  色の呼び名・・色々あるものですね。

   その中で、「アンティークローズ色」
  という呼び名に驚きを隠せません。
  何と気品ある呼び名でしょう。

   ボルドー色もそうですが、赤のように
  身につけるにしてもためらう派手さは
  なく、紫ほど合わせる色に迷う事も
  ありません。

   今日のワインのように、
  香り立つように豊潤な色ですね。

   そうそう、リラ版「白い貴婦人」。
  (上から2枚目の写真)

   長く保ってくれた、
  前回の薔薇と入れ替わるように、
  次の薔薇のお目見えです。   

   話はがらっと変わって。
  溜まった本の整理(主に雑誌)をしようと意気込み、
  捨てる本の整理をしていた筈の私。

   実は、ちょっとだけパラパラ・・のつもりが、
  つい懐かしくなって読み進んでしまい、なかなかはかどりません。

   しかも、あるホテルの広告文に、こんな文章を見つけましたもの。
  その当時は見逃していたもの。尤も、コマーシャルですものね。

   でも、素敵なホテルである事はこれだけで想像がつきます。
  随分、昔に泊まった事がありますが、(箱根)確かに素敵なホテルです。

   数軒、全国展開している格調高いホテルですが、私でなくても、
  ちょっと泊まってみたくなりますね。








 「もう一度会いたい人がいるんです。
 その人は、こんなアンティークが好きだった」

 アンティークランプの灯が揺れるグラスを、
 ゆっくり傾けた彼女は、
 季節ごとに一人でみえるお客様。
 忙しい日々を送る彼女が、
 ふと漏らした言葉でした。

 「灯を見ると思い出すの。
 きっと、大切にしたい過去があるから、
 今の自分を愛おしく思えるのね」
 ―― 灯には不思議な力があるのね。

 そう呟いた彼女のために、
 私達はその夜、小さなキャンドルを一つ、
 薄紙に包みました。
 翌日ホテルを発つお客様に、
 そっと手渡したキャンドル。
 はっとしたように顔を上げ、微笑んだ彼女は、
 深い優しさに満ちて。

 誰かを特別扱いするのではない。
 お客様が何かを感じて下さる、
 その空間と時間を誇りたいから。