声の仕事とスローライフ

ただ今、仕事と趣味との半スローライフ実践中。遠方の知人友人への近況報告と、忘れっぽい自分のためのWeb忘備録です。

五分粥の味

2018-12-05 19:16:36 | Diary
い今日から五分粥が出た。

昼食には八宝菜や中華スープ、

夕食には鰆の西京焼きに粉吹き芋、
ほうれん草と人参のお浸し…


絶食と禁食生活を一ヶ月近く続けていた身である。

いきなり、

「もう、食べても大丈夫ですよ!」

と言われても、

一気には食べられない…。


ゆっくり食べれば問題ないという事もわかっているが、

なんだか怖いのだ…

1ヶ月間の“習慣”がそうさせたのだ。


TVのグルメ番組をみて、

治ったら、アレも食べたいコレも食べたいと

思っていた気持ちが急に萎えた。(~_~;)



手術時の麻酔のせいで、少し吐気があったせいもある…。


昨日の若い女医さんの回診で

「若い人ほど、麻酔の後で吐き気がしますので」

と言われ、

( 私、幾つに見えるんだろう )

と、ちょっと嬉しくなったが、


看護師さんに

「目を瞑ると、色んな情景が浮かんできてめまぐるしい夢を見ているような時があります」


というと、

「麻酔の影響で一時的に高齢の方などは、せん妄症状が出ることもあります」

と言われ、


私は、いったいどっちなんだ??

と戸惑った。




主治医からは、

「食べられるようになったら退院ですからね!」

と言われている。


頑張って食べるぞ!







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病棟のアイドル

2018-12-05 16:51:57 | Diary
病棟のナースステーションの前の丸テーブルで

いつも歌ってるおばあちゃんがいる。

小さくて背中の曲がった可愛いおばあちゃんだ。


“アイコさん”と誰かが呼んでいた。


アイコさんは歌が上手だ。


まるで少女のような細くて優しいソプラノで毎日何曲も歌い続ける。

十八番は「緑のそよ風」「仰げば尊し」、
時には「山のロザリオ」や「琵琶湖周遊の歌」まで、

「高校三年生」や「こんにちは赤ちゃん」
も歌い始めるが、

流行歌は苦手らしく滅多に歌わない。



アイコさんの声には童謡がよく合う。

「お歌上手ですね!」

褒めると、
可愛らしい顔をクシャクシャにして

「そ〜お、ありがとう!」

と、笑う。

「小学校、中学校、高校で習ったのよ!」
と嬉しそうに答えた。

認知症があるようだが、

アイコさんの丸テーブルの周りには、

他の患者たちが集まって折り紙をしたり、塗り絵をしたり、

同年輩の男性患者たちも、一緒にご飯を食べたりして賑やかだ。

きっと誰からも、アイコさんは愛されているのだろう。


ふと、実母が認知症で施設に入っていた頃を思い出した。

残念ながら実母は、いつも不機嫌な顔をしていた。

元気な頃は、歌をうたうこともあったが、
認知症になってからは、滅多に歌わなくなった。


アイコさんが、一般病棟で過ごせる期間は限られているに違いない。


私は、入院してからというもの毎日アイコさんの歌を聞いているが、

アイコさんの歌声に癒されている。


今日は、私自身のリハビリを兼ねてアイコさんと2人で「山のロザリオ」を唄った。


この病院を出ても、

アイコさんが歌い続けられる環境があればいいのだけれど…。


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