海の常識

日本海の近くで生まれ育ったのに、

ニュースで、初めて“離岸流”という言葉を知った。


私が子供の頃、

海の恐さを知っている地元の漁師や年寄りは、

言葉自体は知らなくても、

様々な方法で“泳いではいけない”時期や場合を教えてくれていた。


例えば、

「お盆の時期は泳いではいけない」

というのが

私の田舎では常識だった。


その理由は、

「クラゲが出ていて刺されるから」

…だった。


実際、

私が初めて盆休みに一歳になったばかりの長男を連れて帰省し

海水浴に行ったとき、

長男と夫がクラゲに刺されて大騒ぎしたことがあった。


台風が近づいている時に泳がないのも当然で、

地元の人は誰も泳がない海で、

県外から訪れていた海水浴客が溺れて亡くなる事故が後をたたなかった。


お盆の時期の海は怖い…


そういう常識が、

どんどん忘れられて行く。


不幸な事故が起こっているのは

本当に残念だ。