声の仕事とスローライフ

ただ今、仕事と趣味との半スローライフ実践中。遠方の知人友人への近況報告と、忘れっぽい自分のためのWeb忘備録です。

偶然の出会いに思うこと

2023-01-12 07:03:00 | アナウンサー 話し方 企業研修 ビジネス
ラジオ局で午前中の仕事を終えた後、

午後の仕事までの1時間半のインターバルにラウンジでひとりお弁当を広げていると、

入り口から見覚えのある長身の女性が関係者と一緒に入ってきた。

思わず互いに

「あ〜っ!」

と言いながらハグのマネをして久々の再会を喜びあった。

彼女は昔、一緒にバンドを演った仲間だが
今は様々な雑誌に記事を載せている活躍中のライターである。

聞けば、当時まだ4才くらいだったお子さんが高校生だとのこと…

ということは、
十数年ぶりという事になるだろうか…。

偶然とはいえ、嬉しい出会いだった。


次の仕事に向かうためにエレベーターで1階に降りていくと、
目の前にスラリとした長身の男性。

どこかで見たお顔が…と思い、

「青木さん…ですか?」と声をかけると

「そうです」とニッコリ。

自己紹介もそっちのけで、

ラストラン 拝見しました、お疲れさまでした」

と言うと、

一瞬ビックリしたような表情で私を見て、すぐに好相を崩し、
改まった様子で丁寧にお辞儀をした元GPレーサーは、
とても気さくな印象の人だった。  

短い会話の後、別れ際に

「私も昔、KR250に乗っていました!」
と言うと、

「また、クセの強い…」

と笑ってエレベーターに消えて行った。


(あぁ、そうだった…こう言う出会いもあったのだ…)

ここ数年の私は、
仕事で出会う人、いわゆる利害関係のある人は別として、
プライベートで人と会う事を、ほとんど経験していない事に気づいた。

コロナのせいか?
多分それもあるが、それ以上に時間的余裕のない生活をしていた…という事に愕然とした。

仕事が終われば一目散に家に帰る生活が当たり前だった。

留守をさせているHalが気になって仕方ないのだ。

Halを最優先するライフスタイルが4年近く続いたせいで、

知らず知らずのうちに人との出会いを遠ざけてしまっていたのかもしれない。

一つのことにのめり込むと周りが見えなくなってしまう私の悪い癖でもある。

視野が狭くなっていた事を反省した。

それで思い出した。
今、朝ドラのテーマ曲を歌っているバックナンバーとも、

以前の古い社屋では何度かエレベーターホールですれ違ったことがあった。

当時は名前を聞いても、

(知らないバンド名だなぁ)

と思っていただけだったが、こんなにメジャーになるんて。

だいたい、ラジオ局に出入りしていれば
多くの業界人や著名人に出会う機会があるのは当然のことだ。

それなのに、
ここ数年の私は何も見ていなかったし、
見ようともしなかったのだ。

やっぱり、これではまずい、
これでは、いけないと思う。

このままでは、
私は、近い将来きっと孤立してしまう。

どうしたものかなぁ…。


画像はラジオ局の壁にかかっていた有名アーティストのコレクション画像。







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肉球が温まるまで

2023-01-12 04:17:58 | 大型犬との生活
午前3時、
まるで目覚ましをセットしているかのように
Halは起き上がる…

正確に言うと起きあがろうとする。

何度も生まれたばかりの子牛のように後ろ脚を踏ん張って立ちあがろうとするが、

もはや自分の力では立ち上がれない。

それを私はハーネスで支えてやり立ち上がらせる。

立ち上がってから、ゆっくり歩いて玄関に向かう。

外は寒いが、
Halはどうしても外で用を足そうとする。

マナーベルトを外してやると玄関の段差で躊躇して頭を下げてジッとしている。

上り框に飛び降りることができないのだ。


それをまたハーネスで支えてやりながら

「ピョーン」と声をかける。

Halは自分で飛んで降りているようなつもりで、
玄関のたたきに降りる。


外に出ると流石に寒さが堪えるのか、4、5歩、よたよたと歩いたところで用を足す。

脚が思うように動かないので最近は徘徊もできないらしく、

終わるとUターンして、
玄関に戻ろうとするが、逆コースでは玄関の段差が超えられない。

目がよく見えないのだ。

「ジャーンプ!」と声かけしてHalの身体をハーネスで持ち上げる。

するとHalは、自分の力で飛んだ気になるらしい。

玄関からリビングに通じるガラスのドアを開けてやると、

自分でそそくさとベッドのある場所に帰って行くのだが、
今夜は、いつものベッドがない。

昨日は私の留守中に、
朝食べさせたペースト状の腎臓サポート食をベッドに戻してしまったらしい。

夫が大騒ぎして片付けたというベッドがベランダに干してあった。

いつものベッドの代わりに座布団を組み合わせて毛布をかけてやった場所に

Halは当たり前のように再び伏せてウトウトし始める。

前足の肉球を触ると冷たい。
耳もひんやりしている。

薄目を開けて私を見るHalに話しかける。

(がんばってるね)
(オシッコ出てよかったね)
(まだ大丈夫だよね)

私が以前着ていたダウンコートを掛けてやり、
身体をさすってやると静かに寝息を立て始めた。

Halが我が家に来た頃に、よく口ずさんだ子守唄風のフレーズを繰り返す。

(ねんねこっこ Halちゃん…ねんねこっこ Halちゃん…)

Halは薄目を開けて見ている。

(やめてくれよ…おいらオッサンだぜ)

と言っているようにも思える。

Halは、やっぱり硬派のイケメンだと思う瞬間だ。

Halの額にオデコを当てて
(愛してるよ、大好きだよ)

と囁く。

人間には絶対に言えない言葉が、自然に口について出てくる。

小太郎のときもロメオのときもそうだった…ことを思い出す。

本当の愛とは代償を求めないものだ。
動物は代償を求めないから愛おしい。

それだけに自然に「愛してる」と言えるのだ…と私は思う。


病みし犬の寝息に安らぐ極寒の夜




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