音楽の喜び フルートとともに

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タンゴのリズム

2016-06-24 21:47:37 | フルートレッスン

先週末の夕空です。

Sさんのレッスンは、ピアソラのリベルタンゴ。

タンゴのリズムが課題です。
フルートは、唇の下をマウスピースにあてて、歌口の穴の上下に息を吹き込むことによって音を出します。
穴をくわえませんし、全ての息を中に吹き込むわけでもありません。
なので、かなり早く鋭く吹き込んでも音の立ち上がりが、ソフトになってしまいます。
タンゴは、鋭いリズムの切れが信条ですが、フルートでそれを表現するのは、かなり難しいです。

音を早く出そうとして、舌で息を強く押し出したりすると、かえって音になりません。

舌を口の中の唇に近いところで、平らにして、息を遮らないように、横に引くように素早くタンギング。

1拍目は、ピアノが刻み、8分休符の裏拍から始まります。
タンゴは、1拍目と3拍目に重さがあるので、始まりの裏拍は、1拍目の後ではなく、3拍目のアウフタクトになります。
3拍目の裏は、スラーで、3拍目に繋がっていますが、スラーで繋がっている2つの音は、ディミュニエンド、次の拍に、ロングスタッカートがついているので、後の音は短く切れます。
そして、その最後のロングスタッカートは、次の1拍目へのアウフタクトで、重みはありませんが、軽く推進力があります。

このリズムは、フルートのパートだけを取り出すと、3拍目を頂点とするクレッシェンド、ディミュニエンドです。

要注意は、3拍目が、他の音よりも低い音のときです。
低い音は、普通に吹くと他の音よりも聞こえにくくなってしまいます。
そのままの勢いで吹いてしまうと、4拍目が、重くなり野暮ったくなってしまいます。

あくまで3拍目。

冷徹に刻むことで、タンゴのもつパッション、血と運命、秘められた愛、迫り来る悲劇の予感。
そういうことが、浮かび上がってくるといいですね。