今日はピアノの坂田さんと枚方市文化芸術センターイベントホールで「華麗なるオペラ演出の世界」マリーナ ビアンキ トークイベントに行って来ました。
坂田さんは午後から仕事で
帰りに1人ランチ
t-siteの8階のタコライス。
大きな舞台なのでクレーンで毎晩終演後から明け方まで掛かって移動させ、その後ゲネプロ。ディスカッションしてから本番という激務でした。
が美術をしましたが、絵を描くだけで動かすのはすべてマリーナさんです。
帰りに1人ランチ
t-siteの8階のタコライス。
お天気がよく眺望の良いテラス・デッキで1人ランチも気持ちよかった!
マリナ ビアンキさんは
ミラノスカラ座の座付き演出家です。
スカラ座でのすべてのオペラ公演に関わっています。
講習では
オペラ演出家の奥村啓吾さんから、座付き演出家の説明がまずありました。
オペラの準備、原作をなぜ作曲者が選んだか?から、作品のコンセプトを考え、指揮者、制作、芸術監督と共有し、歌手を決めます。
ここまでで2年間かかるそうです。
リハーサルは立ち稽古、オーケストラ稽古、仕込み稽古、舞台稽古、オーケストラ付き舞台稽古をやってからゲネプロになります。
ゲネプロは本番と同じようにすることで、スカラ座では合唱ユニオンが強いので途中で止めることは許されないそうです。(たぶん時間が延びると労働時間が延びるから…。)
会場や国に合わせていろいろ考えるそうです。
例えば、昨年枚方市で行ったノマド「カルメン」では反響板にプロジェクターでマッピングを行いましたが、この劇場の反響板だからできたそうです。
ヴェネツィアでは船で会場に行くのですが、すべての大道具を船で運ぶので、分解できて船に乗らなくてはいけません。
ヴェローナではローマの遺跡コロッセオを半分使ってオペラをやります。
半分は客席で3万人入りますが、5階建ての高さですが、下から歌っても最上階まで声が聴こえます。
大きな舞台なのでクレーンで毎晩終演後から明け方まで掛かって移動させ、その後ゲネプロ。ディスカッションしてから本番という激務でした。
ここからマリーナさんの話し
オペラ演出家というのは劇場内のすべてを把握しなくてはいけません。
有名なダンテ フェレッティ
が美術をしましたが、絵を描くだけで動かすのはすべてマリーナさんです。
マリーナさんは芝居出身だそうですが、芝居、合唱、ダンス、ソリスト、オーケストラすべてを含む総合芸術がオペラです。
演出家はカリスマ性をもたなけれはいけませんが、molt Aggressive(とっても攻撃的)ではなく、自分の考えを持ち、魅惑させるだけでもなく、人の考えも受け入れるバランスが大切です。
ジョジョ ソレルが1980〜1981年に演出をしましたが、彼は一度演出しただけで本番にも来ません。
押さえておくとお金がかかるので、本番、その後の公演の演出を行うのは座付き演出家マリーナさんです。
オマーンでモーツァルトの「フィガロの結婚」をされた時の話し。
まず、台本作詩ダ・ポンテの研究です。
彼はヴェネツィアでヘブライ人として生まれました。
カトリックに改宗し、借金をして、ヴェネツィアを追い出され、ナポリやローマで司祭になり教義を教えていましたが、愛人を作りそこも追い出され、アメリカに渡り、そこでも借金を作っています。
台本作家と作曲家を繋ぐ線を探します。
「フィガロの結婚」はラ・フォル・ジュルネ(ばかげた1日)という副題がついていてこのオペラはスザンナとフィガロの結婚前の1日の出来事です。
第1幕 朝の屋根裏 照明だけでなく背景に窓から太陽光が、入る絵を描いています。
第2幕 伯爵の部屋で昼間 太陽光が明るく見えています。
第3幕 音楽の部屋 奥行きがあり、傾斜がついていて奥は描かれた絵の錯覚により遠く見えます。1番奥のダンサーは15.6歳の子どもたちに依頼したそうです。
最後は革命が、起きるので照明を冷たい色にかえます。
第4幕 庭 スザンナの変装、変装は当時の流行でした。
登場人物のカップルがもとに戻ります。
伯爵は伯爵婦人に謝り、伯爵夫人は赦します。
伯爵夫人の赦しは人間としての赦しで宗教的なものです。
歌い終わると舞台照明が降り、客席側のシャンデリアも降りてきて光に包まれます。
この頃は2ヶ月の舞台稽古がありましたが、今は経済的に逼迫していて行えません。
パルマで、ヴェルディの「仮面舞踏会」を上演したときの話し
1913年ジュゼッペ ガンヴィニアーニが描いた舞台背景の幕が発見されました。
破れたり、変色していた幕を修復し使いました。
序曲で舞台の緞帳に修復時の様子をプロジェクターで映し、出来上がった幕を映像で広げると緞帳が上がり、本物の修復済みの幕が重なって映り、映像が消え、本物の幕がはっきりと見えオペラが始まりました。
不吉な予言をする占い師の元へリッカルドが行きますが周りはすべて敵対勢力の人々で占い師が「初めに握手した人に殺される」という占いに誰も握手しないでいると、親友のレナートが入ってきて握手します。
アメーリアも占い師に自分のレナートへの恋心を消してくれるように頼みます。
ここで原作にはない介添人の女性に手を引かせて登場させます。
アメーリアの不安がより伝わります。
第4幕の始まりは通常は緞帳が上がってリッカルドが官邸の部屋で歌いますが、カンビアーニの幕は大広間の絵なので、緞帳を降ろしたまま執務室の机や椅子で演技したあと幕があいて、大広間になります。
嫉妬にかられリッカルドを仮面舞踏会で刺し殺すレナート。
この時の話ではありませんが質問に答えて
パバロッティの時は大変でした。
マリーナさんが座るべき椅子に座って、友だちと電話で話したり、やりたい放題。
階段の上で死ぬことになっていましたが、太り過ぎて階段では足りず、ソファを運び込んで、そこで死ぬことにしました。
マリーナさんが演出した「フィガロの結婚」の動画ありました。
長いですが、各幕のラストシーンを見て頂くとマリーナさんの言っていることがわかりやすいと思います。