
実家の銭葵。夏になると葵たちが、元気です。
鴨の子を 盥(たらい)に飼ふや 銭葵
正岡子規
江戸時代には、入っていて、一文銭に似ているから、銭葵と名前がついた庶民にも身近な花でした。
鴨の子をたらいに飼うような庶民の庭に夏になったら咲く銭葵が咲いています。
庶民の当たり前の生活の中にあるささやかなひと時の中に彩りを添えています。
その頃の庶民からしたら、王侯のような生活している私たち。
それでいて、子規の頃の方が豊かな気がします。
ペットショップじゃなくて、迷い子の小鴨を助けるその家の人たち、こどももいたかもしれません。貧しい生活の中自分たちの食費のなかから、餌代を贖い、鴨を慈しむ。温かい家庭だろうなということも感じられます。
また、庭で鴨を飼うくらいあるだろうなという地域社会の大らかさも感じます。
幸せってなんだろう?