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毒がいっぱい。

2024-07-18 21:00:00 | 古典
先週行った里山にドクセリ毒芹。 


セリ科ドクゼリ属の多年草。有毒植物。別名、オオゼリ(大芹)。ドクウツギ、トリカブトと並んで日本三大有毒植物の一つとされているそうです。

Franz Eugen Köhler, Köhler's Medizinal-Pflanzen •1897年
全草有毒で、誤食すると嘔吐、精神錯乱、呼吸困難となって死に至る場合もあるそうです。

春先の若葉の形状が食用のセリとよく似ている上に、同じようなところに生えるので、若葉をセリと間違って摘み、中毒者が後を絶たないそうです。

ただし、葉や茎にセリ特有の香りがない点や、セリと違って地下茎が存在する点に注意すれば区別は比較的容易です。

オペラでは、よく毒が使われています。
有名なところでは、
シャルル グノー(1818-1893年)


「ロメオとジュリエット」(1867) や、
セルゲイ プロコフィエフ(1891-1953年)

の「ロミオとジュリエット」
ロメオとジュリエットのバルコニーの場面フランク ディクシー1884年

ジュリエットは両親が勧める結婚をしたくなく、「仮死状態になる薬」を飲みます。
死体安置所で行違いで彼女が仮死状態とは知らないロメオがやってきて、彼女か死んだと思って毒薬を飲んで死んでしまいます。
入れ違いで目覚めたジュリエットは残った毒を飲んで死のうとしますが、毒は飲み干されていて、ロメオの短剣を 自らの胸に刺し、息絶えます。

アミルカレ・ポンキエッリ(1884-1836年)

の「ジョコンダ」(1876)  

ジョコンダの盲目の母を助けたラウラ(裁判官長官の妻)に、エンツォとの不貞疑惑が持ち上がります。
嫉妬に狂った長官が妻 ラウラを毒殺しようとします。

その時にジョコンダが「仮死状態になる薬」にすり替え、ジョコンダは、 愛するエンツォとラウラを小舟に乗せて、長官から逃がします。

ガエターノ・ドニゼッティ(1797-1847年)


のオペラ「ルクレツィア・ボルジア」(1833)  

バルトロメオ・ヴェネトが1510年ごろに描いたルクレツィアの肖像画。

ルネサンス期に実在した恋多き悪女。ルクレツィアは、現夫大公から毒を飲ませられた自分の息子(母とは知らない)に「解毒剤」を与えて救います。

後日、再度大公は 敵対する6人に復讐のため毒ワインを飲ませます。しかも息子もまた毒を飲んでしまいます。
ルクレツィアは再度「解毒剤」で救おうとするも、 息子は「仲間と一緒に死ぬ」と拒否して死んでいきます。

もうお腹いっぱい!
しかし、まだまだ毒を使ったオペラは多数。

ルイジ ケルビーニ(1760-1742年)トスカーナ大公国フィレンツェ生まれ、フランス王国パリ没


作曲オペラ「メデア」(1797年初演)

初演時のポスター

アルゴー号の冒険の主人公ジャゾーニ


はコルキスの王女メデア


と結婚し二人の子どももいます。

ヴォーカルスコア表紙

ところが帰国するや、子どもを取り上げ、コリントの王女グラウチェ


と結婚式をあげます。 

哀願するメデアに「魔女!」と罵り追い払います。

メデアはなだめても怒ってもジャゾーニの気持ちが変わらないと知ると、王冠と打掛けを子どもに持たせてグラウチェに贈ります。

しばらくすると王冠と打掛けを着たグラウチエが死んだと叫び声が上がります。
王冠と打掛けには毒がしこまれていたのです。


1909年アルフォンス ミュシャ
「メデアに死を!」と叫ぶ大衆を逃れ宮殿に入ったメデアは二人の子どもを刺殺し、呆然とするジャゾーニに 「復習は終わった。」と告げ、宮殿に火を放ち、自ら炎に包まれます。





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