ひろの映画見たまま

映画にワクワク

硫黄島からの手紙

2006-12-13 19:09:18 | Weblog
硫黄島映画2部作のうちの日本版である。

アメリカでも公開されオスカーの呼び声が高い。

負け戦を描いてこれだけ感動させるのはさすがだ。

最後の戦闘のためにやってきた栗林中将(渡部謙が演じる)が一つの柱で、

人道的で、思いやりがあり、なおかつ作戦に長けている負け戦には惜しい人物に描かれている。

アメリカに留学の経験があり、家族思いでなかなか理想の上司だ

彼の奇抜な作戦(地下壕を掘って戦う。玉砕せず、撤退しながら敵をやっつける)に反抗する兵士の姿も描いていて、一筋縄ではない作りの深さだ。

一方、アメリカ兵も、捕虜を銃殺するなど、戦はどちらが正義かわからない。

二宮扮する兵士が、いかにも下町の若者らしく最後まで生き延びるが面白い。

いずれにしても、負け戦なのに、人間を描いているところに、温かみを感じて好感を持つ。
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武士の一分

2006-12-04 20:33:24 | Weblog
山田洋次の藤沢周平原作の3部作の3番目の作品だ。

今回は、盲目の剣士の話である。

敵討ちと決めてから、師匠に目明きとの戦いの仕方を教わり、その通りに

動いて敵を制する。

今回は敵が物足りない。

盲目となった剣士の生活の苦労を種にして、もとから焦がれていた剣士の嫁をてごめにした男だ。

しかし、一度ならず何回も不貞を働く愚か者。

不倫の付けを知らぬはずはあるまいに。

又、剣士が盲目だからと侮っていた節がある。


肝心の決闘に迫力がないため、

キムタクの純愛映画と化した。

山田の手練れた作法で、泣かせるところがみそか?
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カジノロワイヤル

2006-12-03 19:20:36 | Weblog
マッチョな007が登場した。

ボスのMは前回同様渋いおばさんだ。毒薬を盛られ死にかけて助けられる。

今回は、飛び道具はない。その分、スタントが必要な大アクション満載だ。

また、敵のおとりにかかってしまう場面も多い。

007の若いころの映画なので、未熟というところか。

ポーカーの場面が長い。その駆け引きが逐一描かれるが、興味のないものには一寸だれる。

素っ裸で拷問されるみっともない姿もさらしている。

助けられるのが、裏切った相棒の指図だったとは。

女にも弱い、それが命取りの寸前だ。

彼女の死にあって、なげくすがたも痛々しい。

ハバナのぎらぎらしたはじめのシーンは何だったのか。

単に悪役の引き立てのシーンだったのか。

何かご都合主義だ。

まあ楽しめるからいいか。
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ウインターソング

2006-11-29 16:39:21 | Weblog
金城武主演の恋愛映画だ。

ウインターソングってのは一寸地味な題名だね。

映画の最初は、ミュージカルだ。

アメリカ映画お手のものだが。中国映画となると一寸違和感が。

10年前のうぶな少女との恋物語が、10年後に再び出会うが

彼女には、既に新しい彼が、10年も待ち続けたのになんと切ないことか。

凍った道で息絶える美女。中国映画らしい情景だ。

映画監督と女優という物語だけに、劇中映画が挿入されにぎやかだ。

そして、ラスト近く、今度は空中サーカスだ。

なんともファンタジーな映画だが、それだけ映画は散漫に。
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めぐみ

2006-11-27 18:03:09 | Weblog
外国人からみた拉致事件。

めぐみを中心に、北朝鮮による拉致事件を

写真、映像、資料を駆使して、その全貌に迫っている。

今にしてみれば、拉致が認められていない時期があった。

そのことが改めて印象付けられた。

いまだ解決していないこの事件は

この映像を契機として、さらに世界の人々に知ってほしい。

その意味で、有意義な映画だ。

とくに、幼いときからの、めぐみとその家族の映像は涙を誘う。

映画としても、よく出来ている。
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プラダを着た悪魔

2006-11-24 17:49:48 | Weblog
プラダを着た悪魔とはどんな悪魔かと一寸引くが、

悪魔は、ファッション雑誌の女編集長のことだ。

悪魔とは、その秘書に対する仕事の命じ方のすざましさである。

のべつ幕なしに携帯に電話はかかってくるは、時間が特に厳しい。

私生活にも及ぶそれは、サドとまで思わせる。

又描写の仕方もオーバーで、たとえば、部屋に入るや服をぬぎすて、放り投げる。

出張先から、天候不良でと飛ばない飛行機を何とかしろとか。

子供のために、未刊の書籍を取り寄せさせたりとか。

この悪魔を演ずるのが名女優メリルストリープ。

たしかに、その演技はてきぱきとして心地よい。むしろコミックですらある。

後半ですっぴんで悩む姿を見せたり、演技を見せる。

又、彼女にしごかれる女性をアンハサウェイが、かっこよく演じている。

新入社員の教育物語風で、一寸彼女に息抜きを与えるおじさんがいて、ほっとする。

しかし、彼女は耐え抜く。

フランスでのファッションショーを始め、ファッション界の裏を見せてくれる。

恋物語もおしゃれだ。

何しろテンポがいいので、あっけなく見終わる。

ファッションに興味のある人にはうってつけの物語だ。
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薬指の標本

2006-11-22 10:40:06 | Weblog
薬指の標本とは、なんともとっつきにくい題名だ。

これは、フランス映画であるが、小川洋子の原作だからだ。

「博士の愛した数式」同様、一筋縄ではいかない物語だ。

でも、フランス映画となると、なんとも官能的だ。

うら若き女性も、愛する男が標本師とは?

人の封印したいものを、標本にするという奇妙な職業。

譜面を持ってきて、曲そのものを標本にして欲しいという。

標本室は、学校の理科の標本室みたいだ。

一方、標本師には、プライベートな地下室がある。

ここでは、なににも邪魔されず、瞑想にふけり心が休まるという。

でもそこが、愛の交錯の場となる。

彼女の住む場所は、港、それも大きな貨物船が係留されている。

そして、彼女は港で働く男と二人でアパートを借りている。

でも、二人の在室時間が異なるので一緒にはならない。

男が、女に魅力を感じる。二人の逢瀬が始まるのか。

港のアーティスチックな風景。

凛とした標本屋のたたずまい、それらの環境が、この映画に不思議な雰囲気をかもす。

一寸粋なフランス映画。だけど原作は日本。

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サッド・ムービー

2006-11-15 17:31:28 | Weblog
英語題名だけど、韓国映画。それだけしゃれているってことか。


若い恋人たちの物語が三つ、母子の愛の物語が一つ。

それぞれ、別れの話だ。

例によって、別れは死でもありうる。

ちょっとどじで、なかなかプロポーズのできない消防士は、消防の現場で亡くなる。

母子は、母の病で、いままで、反抗的だった息子が、母のことを日記で知り、愛を取り戻すが、病であの世へ。

顔にやけどのあとがあり、聴覚障害の娘は、遊園地のキャラクターで、面をかぶって絵を描いている青年に恋をする。そして、勇気をふるって、自分のありのままの姿を彼に見せ、分かれる。純情な恋物語はほろりとさせる。

彼女の姉が消防士の彼女で、手話のアナウンサーだ。手放しでコミュニケを取る、どじさが絶妙に面白い。

別れさせ屋を思いつきネットで依頼人を募集していた男は、自分の恋人から別れさせの依頼を受ける。皮肉なことだ。

この四つのストーリーを交互の描きながら、ドラマを盛り上げる脚本はなかなかのものだが、

どうしても、悲しい物語にもっていこうとするので、無理がある。

それに二人も死人が出ては、泣かせ映画の典型だが、又かという感じだ。

まあ、恋人たちのほろ苦い物語は一服の清涼剤かな。


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キンキーブーツ

2006-11-09 17:22:04 | Weblog
靴メーカーの社長の息子が、父の死であとを継いだが、なんと、返品の山。

会社は倒産寸前。

ひょんなことから知り合ったオカマバーのダンサーと意気投合

キンキーブーツを作って、一山当てようとする。

そして、成功。

映画はかなり濃い。というののは、オカマの男性が黒人だ。

でも、みんなの偏見をなくすために努力し、靴作りに偏見はない。

みんなが好む靴をつくることこそ、本文なのだ。

「フルモンティ」を作ったイギリス映画の本領発揮だ。
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虹の女神

2006-11-07 16:50:36 | Weblog
またまた、いい映画が出た。

大学時代から、好きといえずにきた、気になる二人。

彼女は映画製作に関わり、彼はフータロー。

彼はちょっとおっちょこちょい。

彼女はしっかりもの。

でも二人の気持ちは離れられない。

お互いまじめには打ち明けられない好きだという気持ち。そのもどかしさ。

彼女は、アメリカへ、だが、不意の飛行機事故死。

その日に彼は虹を見る。それを、メールで彼女の携帯へ送った。

その携帯が、お骨を引き取りに行った、妹から彼女の遺品だといって渡される。

そして知る彼女の本当の気持ちを。

揺れ動く映像は生き生きとして、若者たちの今を切り抜く。

彼は、そのほかに、だまされて、年上の女性と結婚しかける。

相手の嘘にやっと自分を取り戻すが、なんとも切ない。

話は、ストーカーから始まる。入り組んだ話は、手短に書けない。

このもどかしさ。

でも最後まで、物語は痛いほど二人の気持ちがわかる。

それは感情移入の問題かも。
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