ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「フルートベール駅で」、2009年サンフランシスコのフルートベール駅で起こった事件の映画化

2014-04-02 17:39:36 | アメリカ映画
おススメ度 ☆☆☆
  黒人映画好き ☆☆☆☆

評判の映画だが、昼間の劇場の観客は7人。もっと見て欲しい映画だ。

冒頭、2009年に起こったフルートベール駅で起こった事件の実際の映像が流される。(携帯の発達はこんなところにも)

そしてその前日。

22歳の黒人青年の一日が始まる。

彼には、恋人と目に入れても痛くない娘がいる。

その日は、大みそかであり、母親の誕生日だ。

ただ、彼は、勤め先のストアで、遅刻が原因で首を言い渡されていた。

必死で懇願するが受け入れてもらえない。

黒人差別なのか、彼の人格ゆえなのか。

でもそんな彼は、人にやさしく、通りかかりの女性におばあちゃんに携帯で聞いてまで料理のレシピを教えたり、犬が車に惹かれると、ひき逃げ車を追っかけ、犬の死を見届ける。

彼には、前科があった、刑務所で刑期を勤める。ただ、母親の見舞いに、はぐしてくれと懇願する。

そんな、善悪両面を持った現代青年だ。

なぜ彼が、事件にあったのか、本当の原因はわからない。

だが、いろんな小さなことの重なりで事件は起きてしまう。

そんな、一人の黒人のありのままをドキュメンタリー風に実に新鮮な映像で語り掛けてくれる。

そして最後の事件(ネタバレ)


































まあいろんなところで紹介されているのでネタバレにする必要はないが、私が何も知らずに見たので、ネタバレに。

この黒人青年を警官が射殺したという事件はアメリカでも大きな社会問題になった。

いまだに、黒人に対する差別があるのか?オバマ大統領が。自らにも起こり得る事件だとしている。

この映画の優れているのは、実に丁寧でなおかつ、よけいな部分のない凝縮した一日の描写だ。それぞれが事件の伏線になっている。

おばあちゃんの誕生日、大みそかの花火大会、混雑を避けた電車での移動、親切にした女性の声かけ、刑務所での確執、

威圧的な鉄道警察。何もしないと言いながら、どこか反抗的な黒人の態度。

一方で、罪犯した青年の更生もままならない社会と麻薬の常習。

底辺のアメリカ社会の、そこからの未来をどう描くのか?

いろいろ考えさせられる映画だ。

主人公を演じるマイケルBジョーダンの、演技なのか素なのか、実にうまい。母親役のオクタビア・スペンサーは貫禄だ。




コメント (1)
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