人生日訓(284)
「好事つねに失い易し」
良寛の作った漢詩の中に見える一句である。好事は二度とない、うっかりしている
と、絶好の時期を失ってしまうというのである。「また、こんな時が来る、今日に限った
kとではあるまい。明日にしよう」と、せっかくめぐり合わせたチャンスを見送ってしま
うと、もう二度と好機はめぐってこないのである。昔から「思い立ったが吉日」という、
なかなかいい言葉である。内心にひらめく良心の命令にしたがって、さぅと足を踏み
切るのである。迷ったり、ためらってはいけない。もちろん、よく考えることも大切だ
が、つまらぬことを考えすぎてはいけない。好機を逸してしまうのである。
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3月から咲く花「杏(あんず)」
開花時期は、 3/20 ~ 4/ 5頃。 ・中国原産で、 奈良時代に、梅とともに 中国から渡来したといわれる。 ・漢名の「杏子」の唐音から 「あんず」となった、 または、 「甘酢梅(あますうめ)」 が変化して 「あんず」になったとも。 ・ピンク色の花は桜によく似ている。 白っぽい花もある。 花びらを支える部分は赤色。 いずれも、開花は 桜 より少し早いようだ。 幹の部分は桜と同じく 横向きの線が入る。 また、「豊後梅(ぶんごうめ)」は 梅と杏の中間種らしく、 杏と豊後梅は、そっくり♪。 (名前の看板がないと なかなか区別できません) ”アプリコット”。 すっぱくて、あまり甘くないが、 柔らかい。6月頃熟す。 外見上は桃(もも)の実と そっくりだが、 桃よりだいぶ小さい。 ・薬効 冷え性、低血圧 ・薬用部位 実 ・生薬名 「杏仁(きょうにん)」 ・実のタネの中の核の部分を 「杏仁(きょうにん)」と呼び、 生薬として使われる。 桃(もも)のタネの 「桃仁(とうにん)」に よく似ている。 また、「杏仁」は 「あんにん」とも呼び、 「杏仁豆腐(あんにんどうふ)」で おなじみ♪。 でも、杏仁豆腐は、実際には、 この杏仁とよく似ている 「アーモンド」の実を 使っていることが多いようだ。 (アーモンドエッセンス) ・長野県千曲市 (旧「更埴市」。長野市の南)に 「あんずの里」があり、 毎年4月上旬~中旬頃 観光客で賑わう。 ・シリアの国花。 ・「杏一益、梨二益、カリン百益」の 言い伝えが中国にある。 ★<杏林(きょうりん)>の故事 「神仙伝」 中国古代、呉の国に 董奉(とうほう)という 仁医がいて、 貧乏人からは治療代金をとらず、 かわりに症状の軽い患者には 杏を一株、 重病者には杏を五株植えさせた。 数年にして 家のまわりに杏の林ができた。 それ以来、 「杏林」は医者の尊称となった。 (いいお話♪) ・「杏あまさうな人は 睡(ね)むさうな」 室生犀星
(季節の花300より)