季節の花と言葉の花束

写真付きで季節の花や言葉の意味をを書くならgooブログ

季節の花の紹介と言葉の花束を書いています。

季節の花「庭梅」

2018-03-26 04:27:14 | 暮らし
名言名句(190)

「創業は易く守成は難し」『貞観政要(じょうかんせいよう)

新しく事業を起こすことはやさいいけれども、その事業を守り、

育てて行くことは難しい、ということです。

唐の太宗と名臣たちとの政治問答を集めた『貞観政要』に、次の

ような話が記されています。太宗が臣下に向かって、「帝王の業

は、国家を創建することと、その国家を守り続けることとは、

どちらが困難だろうか」と尋ねたところ、太宗の天下平定に加わ

って、命の瀬戸際を幾度も潜り抜けて来た経験のある房玄齢

(ぼうげんれい)が、群雄が競い立つ乱世において敵を打ち破って

ゆかねばならないのだから、創業の方が難事である、と答えました。

すると、太宗と共に国の安定に努めてきた魏徴(ぎちょう)が、創業

は前の国が衰えているときだから天下も人民も進んで助けてくれる

から難しくはない。しかし、一旦天下を取ると、心がおごり政務も

おろそかにする。安定を求めた人民も夫役に苦しみ、人民が疲れ切っ

て工事が続けられるというということになり、国の衰微は、常にこう

しことから起こるもの、してみると、守成のほうが難しい、と述べた

のです。

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3月から咲く花「庭梅」

開花時期は、 3/20 ~ 4/15頃。
・原産地中国。
 かなり昔に日本に渡来。

・枝に沿ってたくさんの
 うすピンク色の花をつける。
 庭桜(にわざくら)に
 形がよく似ているが
 庭桜は八重で
 庭梅は一重なので区別できる。
 花弁は5つ。

・花が梅に似ていて、かつ、
 庭木として
 よく植えられていたことから、
 この名前になったらしい。


・7月頃に、
 ふよふよの丸い実がなる。
 食べられるらしい。
 「ゆすらうめ」の実に
 よく似ている。
 「ゆすらうめ」の方が
 早く実がなる(6月頃から)。


・「夏まけて
  咲きたる唐棣花(はねず)
  久方の 雨うち降らば
  移ろひなむか」
 (「唐棣花」は庭梅の古名)
   万葉集
   大伴家持
   (おおとものやかもち)

 「思はじと
  言ひてしものを
  はねず色の
  移ろひやすき
  吾(わ)が心かも」
   万葉集
   大伴坂上郎女
   (おおともの
    さかのうえのいらつめ)


(季節の花300より)


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季節の花「十月桜」

2018-03-25 05:08:04 | 暮らし
名言名句(189)

「卒業の歌山峡(やまかい)の雪解ける」『光 秋』


三月の末は、各種の学校の卒業式。未来に胸膨らませ、

希望に燃えて学窓を巣立って行く若者たちの姿は、

かっての私の姿でもあったと思うと、再びかえらない

少年時代、青春時代が、懐かしく偲ばれます。精神的にも

何一つ障害物のないそれらの若い日々、まさに前途洋々

でした。戦後間もないころ、昼間部の定時制高校があって、

家の農作業を手伝わなければならなかった私は、そこで

勉強しました。今でいう五日制の高校で、週に二日は、母の

農作業や叔父の家の農作業を手伝いました。この句は卒業の

前の年に、文学少年の一年先輩のK氏が卒業するその日、残雪

の残っている山峡を見て私が作ったのです。「蛍の光」を念頭

においた句ですが、その歌声が、長く寒かった冬の季節から一

挙に春を呼び寄せるのです。春は、陽光の季節です。季節の明

るさは、希望の明るさを予感させます。将来の幸せが待ち構え

てているというと言った期待が、若い胸に弾んでいます。


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3月から咲く花「十月桜」

開花時期は、10/20 ~ 翌 1/10頃。
 (二度咲き→ 3/20 ~ 4/10頃)。
・花弁は白、または、うすピンク色。

・全体のつぼみの3分の1が
 10月頃から咲き
 (開花ピークは11月)、
 残りの3分の2は春に咲く。
 1年に2回楽しめる。
 春の花のほうが少し大きいらしい。
 秋や冬に、
 「季節はずれに桜が咲いてるな」
 というときは
 この十月桜であることが多い。


・同様に、
 秋から冬にかけて咲く桜に
 「冬桜」がある。
  (上記「写真集 2」に掲載)
 「十月桜」と「冬桜」は似ていて、
 「十月桜」の花びらはやや細めで、
   八重のものもあり、
 「冬桜」の花びらは太めで、5枚。
 (両方並んでたら区別は難しそう・・)。
 群馬県藤岡市鬼石(おにし)に
 冬桜の名所がある。

 十月桜も含めて、
 秋から冬にかけて咲く桜のことを
 総称して「冬桜」と
 呼ぶこともあるようだ。


・秋冬に咲く「桜」には
 子福桜(こぶくざくら) もある。



(季節の花300より)











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季節の花「片栗」

2018-03-24 04:21:34 | 暮らし
名言名句(188)

「後悔先に立たず」『沙石集』

ことが終わってからでは、いくら悔やんでも取り返しがつかないから、

ことを起こす前に、慎重に考えてから取り掛かる事、ということです。

『沙石集』は、鎌倉中期の臨済宗の僧、大円国師無住禅師(1226-

1312)が、信仰を大衆に広めようと、仮名まじり文で通俗的に書いた

仏教説話集です。感情に先走ったりしないで、よく考えて慎重に行動

しろ、と言っても、人間は感情の動物です。それに、人間というもの

は、ほとんどの人が、何らかの形で短気な面を持っています。だから

こそ、その短気な面を戒めているのですが、なかなか戒めを守ると

いう風にはいかないというのが実情のようです。

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3月から咲く花「片栗」

開花時期は、 3/20 ~ 4/10頃。
・山地に生える
 (場所によっては群生する)。

・ピンク色の花が下向きに咲く。
 花は陽のあたるときのみ開く。
 くもった寒い日や雨の日は
 開花しにくいが
 曇ってても
 温度が高めだと開花する。
 なかなかデリケートな花です。


・種子が地中に入ってから
 平均8年目で
 ようやく2枚の葉を出して開花。

・樹冠が緑の葉に覆われる前の
 (3、4月の)わずかな日光を
 利用して花を咲かせ、
 花のあと、
 5月頃に葉も枯れたあとは
 ずっと次の年の3月頃まで、
 球根のまま休眠する
 (地面からは消える)。
 (1年のうちの10ヶ月の間は
  地中で過ごす)。

 このように、早春、
 他の花に先がけて花を咲かせ、
 逆にまわりの木々や草が
 すっかり緑になる季節になると
 地上から全く
 姿を消してしまう植物のことを
 ヨーロッパでは
 「スプリング・エフェメラル
   ”春のはかない命”」や
 「エフェメラルプラント
   ”短命植物”」と
 呼んでいる
 (エフェメラとは
  「かげろう」のこと)。
(節分草(せつぶんそう)も同じ)


・昔は、球根から
 ”片栗粉”(かたくりこ)を
 採っていたが、
 今は8割がじゃがいも、
 2割がさつまいもの
 でんぷんからつくられている。

 「片栗」の本物の「片栗粉」は
 薬局で売っている。 
 片栗粉は消化がよく上質なので
 漢方薬として
 病後の滋養用に使われ、
 江戸時代の本には
 「病人飲食が進みがたく至りて
  危篤の症になると
  カタクリという葛粉のごとく
  なるものを
  湯にたてて飲ましむ」と
 書かれた。


・「片栗」の漢字は、
 食用にする根の鱗片が
 栗の片割れに似ていることから
 あてられた。

・古名は
 「傾籠(かたかご)」。
 籠を傾けたようにして
 咲くところから。
 それがしだいに
 「かたくり」となった。
 また「かたかご」は
 「片葉鹿子(かたはかのこ)」の
 意味もある
  → 育ってしばらくは
   片葉(一枚葉)で、
   葉に鹿子模様の斑点
   があることから。

・英名は
 「Dog tooth violet」
  (犬の歯の”すみれ”)
   → たしかに似てる♪


・「もののふの
  八十(やそ)少女らが
  くみまがふ 
  寺井の上の
  堅香子(かたかご)の花」
   万葉集
   大伴家持
   (おおとものやかもち)


・東京周辺の見どころ

 <練馬区清水山>
   清水山憩いの森。
   東京23区内では
   唯一の自生地らしい。
   花見頃4月上旬。
   練馬区大泉町。
   最寄駅
    西武池袋線石神井公園駅
         からバス 



(季節の花300より)


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季節の花「杏(あんず)」

2018-03-23 04:13:06 | 暮らし
名言名句(「187」)

「私はもう60にちかい老人だが、しかい、もし幸にも天が私に、

私の祖母や父や母やの長寿を恵んでくれるならば、私は、私の最

も愛するこの日本に、私の愛する娘たちや孫たちの住んでいるこの

日本の社会に、私が涙をこぼして喜ぶであろうような変化が到来

する日を、生きた眼でで見ることが出来るであろう」『川上肇(はじめ)



日本におけるマルクス主義経済学の研究及び啓蒙に専心した

川上肇(1987-1946)の『自叙伝』にある言葉ですが、

農民党、日本共産党などの運動に従事した思想的な経歴を抜

きにしても、愛する日本の国が平和な日々をもつことを望む

気持ちは、万人共通の願いでしょう。長寿を恵まれれば、

「この日本の社会に、私が涙をこぼして喜ぶであろうような

変化が到来する日」とは、川上肇の理想とする国家の出現と

いえますが、より豊かに、より平和な国家という意味と受け

止めても良いのです。

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3月から咲く花「杏(あんず)」

開花時期は、 3/20 ~ 4/ 5頃。
・中国原産で、
 奈良時代に、梅とともに
 中国から渡来したといわれる。

・漢名の「杏子」の唐音から
 「あんず」となった、
 または、
 「甘酢梅(あますうめ)」
 が変化して 
 「あんず」になったとも。


・ピンク色の花は桜によく似ている。
 白っぽい花もある。

 花びらを支える部分は赤色。
 いずれも、開花は
  桜 より少し早いようだ。

 幹の部分は桜と同じく
 横向きの線が入る。
 また、「豊後梅(ぶんごうめ)」は
 梅と杏の中間種らしく、
 杏と豊後梅は、そっくり♪。
 (名前の看板がないと
  なかなか区別できません)

・実(み)は食べられる。
 ”アプリコット”。
 すっぱくて、あまり甘くないが、
 柔らかい。6月頃熟す。
 外見上は桃(もも)の実と
 そっくりだが、
 桃よりだいぶ小さい。


・タネの中の核の部分を
 「杏仁(きょうにん)」と呼び、
 せきどめなどの
 生薬として使われる。
 桃(もも)のタネの
 「桃仁(とうにん)」に
 よく似ている。

 また、「杏仁」は
 「あんにん」とも呼び、
 「杏仁豆腐(あんにんどうふ)」で
 おなじみ♪。
 でも、杏仁豆腐は、実際には、
 この杏仁とよく似ている
 「アーモンド」の実を
 使っていることが多いようだ。
 (アーモンドエッセンス)


・長野県千曲市
 (旧「更埴市」、
  長野市の南)に 
 「あんずの里」があり、
 毎年4月上旬~中旬頃 
 観光客で賑わう。


(季節の花300より)


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季節の花「木五倍子 (きぶし)」

2018-03-22 04:26:37 | 暮らし
名言名句(186)

「悪しき友と交わるなかれ、いやしき人を侶(とも)とせざれ、

こころ清き友と交わるべし。上(まされる)士を侶とせよ」『法句経・七八』


人との付き合いには、慎重なうえに慎重であった方がいい、

というのです。それには、悪い友人とは交際しないことで

ある。心いやしい人を、身近な人間としないことである。

心の綺麗な友人と交際を深めるべきである。魂の清らかな

友人を身近な人とすべきである、ということです。言うま

でのないことですが、良き友人を持つ人生は幸せです。

よき妻を持つ幸せよりも、よき友人をもつ幸せのほうが

いい、とまで言う知人を私は知っています。ここまでくる

と、妻になる女性が気の毒ですが、つまり、それほど、友

人という存在は、この人生にとって大きなウェイトを占め

る、ということでもあります。

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3月から咲く花「木五倍子 (きぶし)」

開花時期は、 3/15 ~ 4/15頃。
・山野に咲くことが多い。
・ぶどうの形の花をいっぱい垂らす。
 ズラッと垂れていると
 壮観な眺め♪

・果実に含まれるタンニンが、
 黒色染料の五倍子(ぶし)の
 代用になるところから命名。
 (ふつうに読むと
  「ごばいし」・・・)

・海岸近くの山地に、
 これより大型の花を咲かせる
 「八丈木五倍子
  (はちじょうきぶし)」
 という花もある。



(季節の花300より)


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