季節の花と言葉の花束

写真付きで季節の花や言葉の意味をを書くならgooブログ

季節の花の紹介と言葉の花束を書いています。

季節の花「柃 (ひさかき)」

2018-03-21 04:29:00 | 暮らし
名言名句(185)

「去る者は日々に疎く、来る者は日々に親しむ」『文選(もんぜん)』

人生の無常を感じさせる言葉です。遠くに去って行く者は

日に日に忘れられてゆき、身近にやって来る者は、日に日

に親しみが増す、ということで、、周りの人を見ても、

親しくしているのは、いつも顔を突き合わせている人間

ばかり。その反面、遠くに離れて行った人、また死んで

しまった人は、いくら親しい間柄であっても、日を追うに

つれて忘れ去って行くものです。このどうしょうもない人と

人との出会い、そして別れーー。これほど親しくしているの

だから、これだけ親密な間柄にあったのだから、たとえ遠く

に離れても、あの世の人になったとしても、その面影は記憶

の中に鮮明に刻まれて永遠に消えることはないだろうと固く

信じていても、いつのまにか淡い記憶の霧のかなたに徐々に

隠れて行ってしまう人々。薄情なのではなく、人と人とのつ

ながりはそういうものなのです。そんなのではない、と否定

しょうとしても、人の思いは意外にもろく、はかないものと

言えるでしょう。

歳時記

春分の日

3月21日頃(。および清明までの期間。

太陽黄径0度(春分点)啓蟄から数えて15日目頃。

地球の赤道を延長した天の赤道と太陽の通り道の黄道が

ちょうど交差したところが黄径0度。

春分とは、太陽がちょうど黄径0度(春分点)に到達した

瞬間のこと。

太陽が真東から昇って真西に沈み、昼と夜の長さがほぼ同

じになります。

この日から夏至まで昼がだんだん長くなり、夜が短くなり

ます。

ヨーロッパなどでは、春分をもって春の始まりとしています。

春分・秋分の3日前から7日間をそれぞれ春の彼岸、秋の彼岸

とします。

春分・秋分は「彼岸の中日」といいます。彼岸は日本独自の

行事です。

雷が稲光り雷声が轟き始める時季でもあります。

「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉があるように、寒さは

和らぎ過ごしやすい季節になります。

桜の開花情報が聞かれるのもこの頃からです。

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3月から咲く花「柃 (ひさかき)」

時期は、 3/15 ~ 4/15頃。
・白い小さな目立たない花を
 枝に沿って咲かせる。
 ちょっときつめの匂い。
・秋に黒い実になる。

・”榊(さかき)”のかわりとして
 神棚に飾られる。
 葉のふちは、榊は丸く、
 ひさかきは少しギザギザがある。
・「浜ひさかき」のようには
 葉っぱは外側には反りかえらない。



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季節の花「辛夷 (こぶし)」

2018-03-20 04:50:00 | 暮らし
名言名句(184)

「親しき仲にも礼儀あり」『北条 時頼』

人間の本質には、ちょっとしたことで知り合いになると、

相手の思惑などかまわずに、生活の裏面にまで入り込もう

とする癖があります。馴れ馴れしくすることで、自分は

ここまであなたを好いているんだよ、ということを示そう

とするのです。たとえ肉親であろうと友人関係であろうと、

親しい間柄でも礼儀を守ることは大切なことです。

親しさによりかかってわがままを発揮したりすると、不和

を招くことになる、というのがこの言葉の真意です。

北条時頼の言葉ですが、北条時頼というと、北条氏の独裁

制を確立、鎌倉幕府の執権でもありましたが、のち出家して

諸国を遍歴した人物です。時頼を一層有名にしたのは、世阿

弥作の謡曲「鉢の木」の伝説です。

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3月から咲く花「辛夷 (こぶし)」

開花時期は、 3/15 ~ 4/15頃。
・「北国の春」(千昌夫)の
 歌詞にでてくる。
  ♪ こぶし咲く
    あの丘 北国の
    ああ 北国の春 ♪

・昔の人は、この花の開花時期から
 農作業のタイミングを判断したり、
 花の向きから
 豊作になるか否かを占ったりした。
  (種まき桜と呼ぶ地方もある)

・つぼみが開く直前の形が
 子供のにぎりこぶしに
 似ているところから
 この名前になったらしい。
 また、辛夷の実は
 ゴツゴツしており、
 その実の具合から
 「こぶし」と命名されたのでは、
 との説もある。


・白い花で、花びらの幅は狭い。
 全開する。
 白木蓮より小さい。
 葉に先立って開花。
・花の下に小さい葉を一枚つける。

・細長い花びらが10数枚あって
 垂れ下がるさまが、
 神前に供える玉串の
 「四手」に似ている、
 「四手辛夷(しでこぶし)」や、
 ピンク色の
 「紅辛夷(べにこぶし)」
 もある。


・花のつぼみを摘み取り
 乾燥させたものを、
 同じ漢字で
 「辛夷(しんい)」といい、
 生薬(しょうやく)の一つに
 数えられる。
 風邪による頭痛や
 鼻づまりなどに効く。

・別名
 「田打桜(たうちざくら)」
   昔は、コブシが咲く頃に
   田植えを始めたことから。

・3月24日の誕生花(辛夷)
・花言葉は「信頼」(辛夷)

(季節の花300より)


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季節の花「黄楊 (つげ)」

2018-03-19 04:47:26 | 暮らし
名言名句(183)

「上可(かみか)なれば則ち下聴かず」『管子』


上に立つ者がむごいことをすれば、下の者は、上のいいつけを

聞かない、という意味です。

『管子』は、春秋時代の前期、斉の桓公に仕えた宰相管仲

(かんちゅう=前720頃-前645)が著した富民、立法、敬神、

布教などの内容とした書です。

Aは、ある電気関係の会社の営業課長に昇進しました。

自他ともに実力を認めていたほどの仕事熱心でもありました。

あせり気味だったAに、明るい前途が開かれたわけです。いずれ

の日にか取締役に名をつらねることです。だが、それはまだまだ

遠い道のりでした。さしあたっては、目前の仕事に全力を注ぐ

ことです。(中略)

Aは管理職相当の閑職に回されたのは、それから僅か十カ月後の事

でした。管理職に不相当であるという烙印を押されたAは、上に立

つものの基本的心構えである「厳しさの中にも優しさを」のモットー

をなおざりにしていたことになります。

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3月から咲く花「黄楊 (つげ)」

開花時期は、 3/15 ~ 4/10頃。
・「柘植」とも書く。
・梅雨時に
 葉が黄色になることから、
 「つゆき(梅雨黄)」。
 それがしだいに
 「つげ」に変化した。
 漢名は「黄楊木」。

・小さい黄色の花が枝先に咲く。
 葉の色と似ているので
 あまり目立たない。

・材は緻密で堅く、
 印材、定規、櫛、将棋の駒
 などに用いられる。
  ”つげ細工”

・園芸品種に
 「西洋黄楊(せいようつげ)」
 がある。
 ふつうの「黄楊(つげ)」に
 似ているとのこと。
 (私は区別がつきません)。

 西洋黄楊は英語で
 「boxwood(ボックスウッド)」
 と呼ぶ。  
 (「黄楊」を総じて
  「ボックスウッド」と
   呼ぶこともある)


・「夕されば
  床のへ去らぬ 黄楊枕
  いつしかと汝(な)は
  主待ちがてに」
   万葉集

 「君無くは
  何(なに)ぞ身よそはむ
  くしげなる
  黄楊(つげ)の
  小櫛(をぐし)も
  取らむと思はず」
   万葉集
   播磨娘子
   (はりまのをとめ)



(季節の花300より)


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季節の花「日向水木(ひゅうがみずき)」

2018-03-18 04:36:14 | 暮らし
名言名句(182)

「ハナニアラシノタトエモアルゾ「サヨナラ」ダケガ人生ダ」『井伏鱒二』


于武陵(うぶりょう)という中国の詩人の詩を、井伏鱒二が

翻訳したものです。四行詩で、この前に「コノサカヅキヲ受

ケテクレ ドウゾナミナミツガレシテオクレ」の二行があり

ます。転勤、退職などの時期になると、私は、この短い詩を

思い出します。送別会が催され、献酬の機会が多くなります。

送りそして送られる者同士が、「さあ、一杯」と、銚子を手

に酒をすすめ、すすめられる方が受けると言った光景は、正

に、さよならだけが人生だ、の万感の想いが漂っているもの

です。たとえ親子といえども、いつかは別れなければならな

い運命にあります。人間は所詮ひとり、の哀しみに耐えなが

ら、人はそれぞれの生を歩いて行くのです。

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3月から咲く花「日向水木(ひゅうがみずき)」

開花時期は、 3/15 ~ 4/ 5頃。
・「日向~」の名前の由来は、
 日向(宮崎県)に多く
 植栽されていた、という説と、
 明智日向守光秀(みつひで)の
 所領だった丹波地方(京都北部)に
 多く植栽されていた、
 という説がある。

・魚のうろこが
 重なったような形の花が
 ぶら下がるようにして咲く。

・「土佐水木」「支那水木」と
 花姿が似ているが、
 日向水木は一房の花の数が少なく、
 全体に丸っこく小さめなので
 区別できる。
 おしべの部分は黄色。

・「水木」には似ていない。

・別名
 「伊予水木(いよみずき)」



(季節の花300より)


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季節の花「花大根」

2018-03-17 04:39:50 | 暮らし
名言名句(181)

「最も辛い人生を、しっかりと生き抜いていく人ほど、

優しさを豊かに持っている」『高 明史(こう みよし)』


この人生は、楽しいこともあれば辛いこともあります。

どちらかというと、辛いことの方が、楽しいことを上

回っていると言ってもいいいでしょう。従って、辛い

苦しいことに耐え抜いて生きてこそ、人間の優しさが

生まれて来るし、その優しさの量は多く豊かになるもの

です。辛いからと言って、逃げてしまってはいけません。

辛さ苦しさと仲良くすることが、この人生を乗り越えて

行くコツともいえるのです。この言葉は、『生きる意味』

という本の中の高明史が述べているのですが、昭和の初め、

貧しい在日朝鮮人の家庭に生まれ育ってきた高明史は、

少年時代、いくどもぐれて刑務所生活をも体験しました。

日本人を恨んだこともありましたが、やがて良い日本人に

も出会い、無責任な自分の行動を反省するとともに、それ

までの辛い日々は、逆に自分を教訓する答えであったこと

を知ったのです。

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3月から咲く花「花大根」

開花時期は、 3/10 ~ 5/末頃。
・中国原産。江戸時代に渡来。
・花が大根に似ているから
 この名前に。

・紫色の4弁花。
・1935年頃、東アジアから渡来。

・菫(すみれ)に似ている。
 背丈は菫よりかなり高い。


・別名

 「大紫羅欄花
  (おおあらせいとう)」

 「紫花菜」(むらさきはなな)

 「諸葛菜」(しょかっさい)
   三国志の
   諸葛孔明
    (しょかつこうめい)が
   出陣のさきざきで
   この種子をまき、
   兵士の食糧となるよう
   栽培したことから。



(季節の花300より)



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