町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

小田急8000形・後期更新車

2020年08月24日 | 小田急電鉄

2002年から開始された小田急8000形の更新工事ですが、全160両の更新が完了したのは2013年のことで実に11年の長期間に及びました。2003年度施行の8254Fより3000形3次車と同等の性能にするべく制御装置のVVVFインバーター制御化改造と運転台のワンハンドル化が施工されるようになりましたが、2008年からは更に踏み込んだ内容になり、前年に登場した4000形に合わせて全密閉式主電動機の採用と、車内へのユニバーサルデザインの導入が更新メニューに加わりました。

6両固定編成では一番最後に更新を受けた8265F。前回の更新車と比較すると、ブランドマーク制定後に工事を受けた為、OERの切り文字が撤去されているのが分かります。VVVF制御装置のソフトウェアも全密閉式主電動機に対応する為内容が変更され、磁励音が4000形と同一になりました。

3000形2次車と連結した10両編成で運用される8052F。普段連結している8252Fが単独運用に入った為このような編成を組みました。4両編成の更新も2008年度から8051Fを皮切りに開始され、分割併合を廃止したことからブレーキの読み替え装置の設置を省略し、変わりにモニタ装置へTIOS搭載車・非搭載車双方に対応できる機能を追加しています。単独での運用は想定されておらず、8000形同士で6両+4両で編成を組成するのが基本ですが前述の通りブレーキ読み替え装置が無い4両は界磁チョッパ制御で残存する8251・8255Fや1000形6両と連結不可の為、2013年から3000形初期車と連結しての運用を開始しました。これと前後して読み替え装置を搭載する6両も1000形4両編成、更にTIOSを搭載する3次車以降の3000形6両と8000形更新車4両による10両編成組成を解消・廃止し現在異形式との連結は3000形1・2次車のみに限定されており、本来組むべき6両が界磁チョッパ制御のままである8051・8055Fは必ず3000形1・2次車との連結しての運用になります。

かつては日常的に分割併合を実施しており当たり前のように見られたステンレスとアイボリーによる併結編成も今は3000形初期車との組み合わせしか見られなくなってしまいました。ちなみにこの編成以外に現在でも見られる6+4両の異形式の組み合わせは3000形1・2次車+未更新1000形、3000形3次車以降(TIOS搭載車)+1000形更新車と、非常に限定されたものになっています。

4000形の意匠を取り入れ、ドア付近の滑り止めが点字ブロックになり一般の長い座席には曲線の手すりを2本ずつ設置しています。優先席部分は床を青で区分し黄色の手摺りを設置して明確化しました。初期の更新車両と比べ、ソフトで一層華やかになった印象です。写真では分かりませんが、戸閉装置には戸閉力弱め制御機構が追加され、ドア開閉時の動作音が変化しました。

さて、2代目5000形により順次置き換えられて行くと思われた8000形ですが、1000形のリニューアル計画が大幅に変更され、同型式の未更新車を先に廃車にする方針になってしまいました。今後は6両と4両が別々に運用される機会も増えそうですが走行性能が3000形・4000形並みでサービス水準も問題無いこれらの編成は相当遅くまで残るのではないか?と予想されます。1000形が廃車にされるのは残念極まりないですが、本格的置き換えまで猶予が出来た8000形には1日でも長く走り続けて伝統の車体カラーを伝えて欲しいと切に思います・・・。

※本記事は2017年投稿の内容を改変しました。

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