二つ星の空

(旧「風からの返信」-11.21.09/「モーニングコール」/「夢見る灯台」/「海岸線物語」)

東京タワーの非常階段

2005-09-07 22:28:47 | 「三丁目の夕日」「続・三丁目の夕日」
昭和50年代だけど、東京タワーにのぼったことがある。確か6歳の時のことだ。

東京の下町に住んでたおいらにとって、東京タワーは別世界で「人大杉!」だった。

エレベーターにぎゅうぎゅう詰めになって、上の展望台まで何とか行った。「東京」が見えて、すごいな~と思った。そこまではよかった。

混雑のため、下りエレベーターの前に長蛇の列ができていた。これはとんでもなく待ちそうだ、と思ったとき、気の短い父が言ったのだ。

「階段で下りるぞ」

父は非常用階段を降り始めた。仕方なく母も(妹を抱いて)続く。親戚のおばさん達も続く。おいらも続いた。

今でも、「あれは夢なんじゃないか」と思うが。

階段は、東京タワーの外にあったのだ。階段と階段の間から、東京の街が見える。それは不思議な感覚だった。一段一段、子供心にも何となく「危険」を感じながら、黙々と僕らは降り続けた。

ふと気づくと、おいら達の前後にも、2,3家族が階段を降りていた。皆無口だった。

下のロビーまでたどり着いたとき、何だかすごい体験をしたように感じた。

大人になってから振り返ると、何だか狐につままれたような気がする。東京タワーの展望台から、外の階段で降りれるか?!。。。でも、確かに降りたんだよなぁ。。。

今でも使用可能ならば、もう一回チャレンジしてみたい、、、とは思いません。(長じて高所恐怖症を発症した(苦笑))でも、、、おおらかでよい時代だったなぁ、、、と思うのです。
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「Always 三丁目の夕日」記念 その2

2005-09-07 22:12:20 | 「三丁目の夕日」「続・三丁目の夕日」
手前勝手に盛り上がっている、おいらの夕日町(仮称)経験、その2です。

映画「Always三丁目の夕日」で、「映画予告編」の背景に使われている写真。古い日本家屋の部屋の写真ですが、これがめちゃめちゃ懐かしい。

だって、おいらがよく遊びに行った、長屋の隣部屋に住んでいたケンちゃん(仮称)の部屋にそっくりなんだ。

おいらの家では子供部屋は存在しなかったが、ケンちゃんと妹のトコちゃん(仮称)は3畳部屋を与えられていた。部屋が狭いから、押し入れの中にふとんを敷いて、そこで寝起きしていたが、それがうらやましくて仕方がなかった。部屋の中には、当時流行っていたソノシートがたくさんあって、それが聴きたいがために、おいらは内弁慶のくせに勇気を振り絞って、ケンちゃんの部屋に遊びに行ったのだ。ソノシートって知ってる?ビニール製の柔らかいレコードだ。「ビニール製のCDに溝がついたようなもの」って言ったら、今の人にもわかるのかなぁ。。。おいらは、わくわくしながらケンちゃん達と一緒に、ウルトラマンやら怪獣の話をソノシートで聞きつつ、付属の絵本を見て、「疑似映画」体験をした。

当時、レコードプレイヤーを持っている子供なんて彼らぐらいだった。我が家にはステレオが一台あったが、子供が触ると怒られるし、そこでかけられるのはベートーベンの「運命」(カラヤン指揮)とシューベルトの「未完成交響曲」だけだった。(父親がそれを飽きもせず毎週日曜日に聞くので、おいらは、「運命」はカラヤン指揮(テンポが超速)でないと受け付けない体になってしまった。。。)

閑話休題。

いわゆる「ゲーム」をほとんど買ってもらえなかったおいらは、ケンちゃんのところに入り浸るか、外で探検グループに入れてもらうかして、毎日を過ごしていた。

いかにして自転車小屋から無傷で飛び降りるか、とか、自転車で長屋周りをいかに華麗に駆け抜けるか、とか、いかに人に気づかれないように、他人ん家の生け垣の中を通り抜けるか、とか、どうやって毛虫を採集して育てるか、とか、そういうばかばかしいことばっかり考えながら、毎日を過ごしていた。

ちょっと遠くに行くと、そこは上品な界隈で、テレビでよく見る落語家さんが住んでたりした。ある日、その落語家さんがスーツを着て歩いていったので衝撃を受けた。落語家さんは笑いながらおいらの頭をなでてくれたけど、おいらは「落語家さんが洋服を着ている」ことにショックを受けて、なんて話しかけられたかはあまりよく覚えていない。でも、格子戸越しにたまに見かけた、落語家さんのお嬢さんがとっても素敵だったのはよく覚えている。

長屋暮らしは、音も筒抜けだ。ちょっと大きな声を出せば、隣の部屋に丸聞こえ。夫婦げんかなんかすれば、一発で近所中の子供が集まってくる。母親達は朝に夕に長屋の外で必ず立ち話をし、プライバシーもへったくれもない感じの、でも、それが当たり前の、そんな暮らし。

おいらの体験はおもしろくもないけど、「Always三丁目の夕日」では、そんな記憶を呼び覚ましてくれる、素敵なお話が観られるのだろうな。今から楽しみだ。
コメント (3)
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