株に出会う

独自開発のテクニカル指標で株式市場の先行きを読む!

明日の注目銘柄(1.10.06)

2006-01-08 11:22:47 | 明日のモニタリング銘柄
アメリカの相場が急上昇のようですので、明日の日経はまた上げるかと思います。こちらは新興市場中心に、これまで通りに淡々とテクニカル分析に基づき明日の注目銘柄を抽出するのみです。

1.3758アエリア ○

 子会社ゲームポットの時価総額が大きくなったことで結構上げましたが、その手法自体への批判もあり、その後調整を余儀なくされました。しかし、テクニカルにはOSCが+7%の38%へと急反発し、指数値も11月30日段階と同値であり、1月5日を底にしての反発が見られます。乖離幅も-10Kと良好、RSIも36%でこれは反転しておりません。過去10%台までの下落はありますが、一旦この水準からの反発の可能性が大でしょう。

2.4974タカラバイオ △

 この株のホルダーの方々は値動きにイライラしていることでしょう。これがMSCB銘柄の特徴なのです。下げ圧力があるにもかかわらず、期待買いが入るため株価が煮え切らない動きとなってしまうという特有の現象です。競馬で言うと年に1回見せる最後方からの一気のまくりを得意とする気まぐれなじゃじゃ馬に似ております。こうした馬に魅せられた博打打ちは、いつもオケラ街道から帰る以外にありません。ところが、今回ちょっと注目したのは、OSCが+5%の31%とコンバージェンスし抜け出る気配があることです。少々の出来高を伴っての-1Kの下げですので、微弱なサインではありますが、上放れの可能性もあります。そろそろ筋の方がMSCBの転換後の益出しのための動きをなさる時期かも知れません。そこで明日は筆者もちょっと高見の観覧席から、この罪作りなじゃじゃ馬株を眺めて見ることとします。迂闊に1レースからいきなり馬券を張らないようにだけお気を付け下さい。

3.3331雑貨屋ブルドック ▲

 この株も地味ながら何処までも伸びていっております。そう思って理由を詮索したら、12月22日にメリルリンチが買い推奨したのが追い風になっているようです。目標価格6500円だそうですので、そろそろ警戒が必要ですが、出来高も少なく過熱感はないようです。そして、OSCも+4%の50%と穏便な上昇で更に上を目指すポジションです。以前にもこのブログで取り上げたことがありますので、ブログ内検索で会社内容はご確認下さい。筆者には全く縁がなく論評のしようもない業態です。

4.2371カカクコム ▲

 この会社、MSCBは発行しないと取締役会で決議するという真面目な一面が多分評価されているのでしょう。ジリジリと株価は上昇しております。6日はOSCが+1%の49%となりまた更に上を窺う位置まで来ました。高値圏でありかつPERはすでに164倍ですので、少々の利食いには合うかと思いますが、場さえよければ指数値は12月26日と27日の中間まで落ちていますので、再度、30日に付けた604Kという高値を目指す動きがあるかと思います。この価格比較サイトの元祖の明日にご注目下さい。

5.4313IXI △ (下落注意)

 これは純粋にテクニカルな側面からの注目銘柄です。OSCがこの株としては珍しく49%まで落ちました。もう少し明日は調整が入るかと思います。その後は、調整完了待ちからの買いが入ることが期待できそうです。その意味では、830Kを巡る攻防からの反発狙いです。もし寄りで反発期待先取りから高めに始まってしまったら、辛抱強く830Kあたりで待ち受けて下さい。親の4741IRIは何とも伸び悩んでおりますが、この「優良子会社」を何故かIRIは買収したのです。何故一本立ちでいる技術があるのに買収に応じたのか、これが筆者の疑問です。来期の売上倍増、利益倍増のいわばカラクリをいずれ解いておく必要がありそうです。大証が上場廃止基準に該当するかどうかを調査するため監理ポストに割り当てていること、また半期報告書の適正性に関して、わざわざ東証に確認書を提出していること、など少々きな臭い動きがあります。このようなことから、長期に保有するのではなく短期利鞘狙いに徹するのがよいでしょう。

6.4743IT4 ▲

 この株、予想通りに6日は急な反騰からの調整日となりました。ここでOSCがコンバージェンスするかどうかが、その後の株価動向に影響を与えるのですが、一応+1%の42%とコンバージェンスしました。まだ予断を許しませんが、反発態勢は出来ていると見た方が良さそうです。目安は揉み合いからの1236円越えです。この会社はIXIのような変な動きは一切ない真面目なIT会社です。このところの予期せぬセキュリティ関連物色循環に株価が乱暴な動きを見せているだけです。

7.4794デザインエクスチェンジ △

 こうした赤字見通しながら時折急反発する下落基調の株で利益を挙げるのも、相場環境が悪化したときに必要とされるテクニックを磨くには絶好の機会であります。その意味で筆者は、この低位で膠着状態にあるこの株に明日は注目してみたいと思います。なぜならOSCが+9%の47%と急伸していながら、前日比イーブンで終わっているからです。このところずっと、30-40%台をこの株行き来しており、47%というのは11月18日以来です。12月20日に一度46%をマークし、その後21日、22日とこの株としては最近のクライマックスをつけております。但し、RSIはその時が38%で、今回は50%です。オシュレーターによる予測が勝るか、それともRSI値に影響されるか、ここ2日ほどは値動きを注目したいと思います。

8.4771F&M △

 分割後の売り一巡から、OSCは38%まで落ちましたが、ダイバージェンスを果たしております。乖離幅がこの値段にしては-10Kもあることは珍しいことです。既に分割後の新株も売却可能となっているので、それに伴う現象かどうかも見極める意味で注目です。財務面ではAAの評価ながら、PERは既に137倍です。生保のおばちゃん向けのサービスや記帳代行の商売にしては買われすぎかと思います。あくまでテクニカル面、そして分割子株環流面からの興味での注目銘柄です。

9.2420CHINTAI △

 この株も面白くない株に成り下がりました。あのワクワクするような躍動感ある値動きが影を潜めております。しかし、昨年暮れにかけては出来高が増えております。新年の出来高は低調ですが、OSCが+4%の49%と盛り返して来ました。指数値も27日段階と同じです。一息入れての25日線の112Kあたりの奪還がなるか、明日は久方ぶりに注目してみたいと思います。

10.6675田村大興HDS ▲

 東証1部からはこのIP電話関連銘柄を注目します。明日は937円の安値を下まわるかどうかを見て、そこからの945円越えあるいは950円戻しを確認しての参戦となります。乖離幅-13円、RSIは28%、12月19日以来の指数値の低さ、といったあたりがテクニカルに注目する所以です。

11.1720東急建設 ▲

 もう打ち止めにしようかと思いましたが、この株、OSCが1月4日の27%を底にしてじり高の29%と低位に留まっております。出来高も増えております。12月21日に突如暴発しましたが、その余韻を引きずっているだけなのか、それとも第二弾の仕手戦にむけての不気味な胎動なのか、いずれにしても明日は注目です。

【順張り銘柄】

・3760ケイブ

 昨年8月10日の958Kが見えてきました。OSCも48Kも上げて+2%の52%です。一本調子で来すぎておりますので、寄りでの利確の動きに注意しつつ、出来高を伴っての上げに追随がよいでしょう。PERは56倍です。携帯コンテンツ関連での「出遅れ銘柄」との再認識がされたのかも知れません。

・3762テクマトリックス

 引き続き注目銘柄です。OSCも+2%の52%と理想的な上げ状況です。RSIは77%で12月20日ほどの過熱感はありません。

・3734MPテクノロジーズ

 これも引き続きの注目銘柄です。OSCが+2%の51%と順調な反転を示しました。これで出来高を伴えば再度大幅な上昇が見られるかも知れません。

・4849エン・ジャパン

 この株、まだ強い騰勢を保っております。OSCも+2%の47%と再度の上げ勢いのポジションです。4日の819K越えがあるかどうかご注目下さい。高値圏だけに場全体の勢いに影響され急落もありえますので注意。

以上です。もう少し銘柄を厳選しようかと思いましたが、書いてしまったものを削除するまでもないので、結構な数になってしまいました。何らかのトレードの参考になれば幸いです。それでは明日、いや明後日のご健闘をお祈りしております。
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医療における看護についての雑感(6)

2006-01-08 00:38:48 | 折々の随想
前回は、看護師が陥るバーンアウトを巡る問題について、特に回復の見込みがない患者に対して、「最善の医療」の提供をトリガーとして、肉親では行い得ない、生から死への先験的選択を幇助するというシンボリックな役割を果たすことのなかに、「象徴的な仕事としての看護師」の役割があり、その過程における患者との一体化を通じてバーンアウトが回避できるのではないかとの話をしました。

今日は、患者の「修復行為」たる医療の「分業化」「専門化」が進んでいる現状において、看護という仕事において、単にバーンアウトを回避するだけでなく、看護師の医療における役割を大きく変貌させることにより、バーンアウトを醸成する根本的な条件を作り変えることの必要性について考えてみたいと思います。つまり、今のままの医療体制では、このテーマの3回目にも書きましたが、看護師の「修復行為」における役割が受身の看護に限定されており、患者と過剰に同一化しバーンアウトに陥るか、無意識に感情を抑制することによりバーンアウトは回避できるものの、患者を「モノ的」に扱うという副作用に陥ってしまうか、そのどちらかになる危険性が高いことが問題としてあります。

その際にやはりキーワードとなるのは「最善の医療」です。何故なら「最善の医療」こそが患者の求めるものだからです。企業活動においては、「最善の顧客サービス」が結果的にその企業を存続させるだけでなく、そこで働く社員にとっても、自らが関わる仕事がお客さんに喜ばれることで、働くことの大きなインセンティブが与えられます。そして、それがその企業の総合的な力をさらに押し上げていくという好循環がありますが、これと同様なことが医療においては「最善の医療」だからです。「最善の医療」と括弧に付けているのは、その病院、その地域での医療情報や医療技術などの利用における格差が、いつの時代でも医療機関ごとに当然あり得ますので、全ての患者に対する真の意味での「最善」はありえない、という論理的な帰結から来ております。もちろん、最善の医療を巡る医療機関、地域ごとの格差は少なくする方向に早期に持っていかなければならないことは言うまでもありません。

現代は、ますます複雑化し進化するテクノロジーの進展により、医療においても「分業」と「専門化」の流れが加速されております。医師の養成においても、過去に必要とされた知識量の100倍もの量が今の医学教育においては求められているようです。それだけ医療においても様々な分野で膨大な量の新たな知見が出てきているということですね。
その時、従来のままの医療体制では問題となるのが、「分業」と「専門化」からくる弊害です。弊害は2つあります。1つは、分業と専門化が進むにつれ、人は段々と物事の全体が見えなくなることです。もう1つは、専門家同士の垣根が段々と高くなっていることです。医療においても高度化するテクノロジーの修得のために専門化を余儀なくされる訳ですが、対象となる人間の疾患の治療においては、あくまで総合的な見地からの診断と治療が必要となります。人間の身体、各臓器、心、生活・社会環境などは、別個に存在しているのではなく統合化されているからです。ストレスが引き起こす疾患などは、まさにこの統合化された全体のどこかにほころびがあることから来ていると言えます。ここに、分業化、専門化の進展に伴い、これら2つの弊害を打ち消すため、医療活動においても、統合化、協働化、ネットワーク化などの働きがどうしても必要となります。

一例として、慢性期に入った身体障害をもつ患者のリハビリや社会復帰を巡る問題を考えてみましょう。これまでは、病院において通常考えられるリハビリテーション治療を繰り返すだけでした。そのことで、本来の社会復帰が返って妨げられている現状があると聞いております。慢性期の患者が社会復帰するためには、このように医療機関だけの論理で治療をいくら行っても限界があるどころか、返って患者を病院に長くつなぎ止めてしまい、社会復帰が出来なくなるという弊害があるようです。

そこで必要となるのが、その患者の生活環境に合わせた社会復帰のための総合的解決策です。家族や地域のサポート、介護を巡る訪問医療体制、地域医療機関同士の連携によるリモート診断と治療、地域の行政機関の法制面からのサポート、といった観点からの総合支援体制です。当然ながら、社会復帰に至る前にその病院内でも、医師だけでなく、看護師、理学療養士、作業療養士、メディカルソーシャルワーカーといった、コメディカルとの連携支援が必要となるのはいうまでもありません。

こうした連携・協働のためには、国や地方行政機関による様々な基盤整備も必要ですが、そのためのコーディネーションを行う医療機関の窓口責任者も必要となります。この役割には、看護師こそが適任となります。なぜなら看護師ほど患者と長い時間を親密に付き合っている医療の職種はないからです。また、看護を通じてある程度の最新医学に関する情報について精通する動機づけと機会があります。現状でも他科の医療や看護に通じることにより、患者の容体をより総合的に見ることが看護師には要請されております。こうして、場合によっては専門化しすぎた医師よりも看護師の方が、医療の総合的な情報に通じる機会さえ開かれているのかも知れません。

1月7日のNHKスペシャルの「がん医療を問う」という特集で、静岡がんセンターの「よろず相談室」という名の、看護師がまさに相談役となる、がんに対する情報提供活動が紹介されておりました。そこではがんセンターの患者だけでなく、一般の方々に対してもがんとその治療についての様々な相談事、悩み事について受付け、適切な医療情報を提供しておりました。これを情報提供だけに留めるのではなく、コーディネーション活動まで拡げて、上に述べたような統合化、協業化、ネットワーク化のハブとなることが、これからの看護師に対して求められるべきというのが筆者の考えです。これは、ジャック・アタリが定義する「調整や統御が主たる仕事」に当たる、全く新しい看護師の仕事となります。この新しい仕事を看護師が担うためには、これまでの看護師教育とは全く異なる分野での知識・技術そして経験が要求されます。

この雑感シリーズの第一回目に、看護師は一般のビジネス社会と異なり、8-9年目でベテランとされてしまうことについての疑問を呈しておきました。これは受身での看護師の仕事という側面から生じる必然的なキャリアパスの限界です。このキャリアパスの限界は、このようなコーディネーションの仕事にまで看護師の役割を拡大することにより突破できるものと考えます。その際には、当然ながら現行の看護師の処遇についても考え直すことが必要です。しかし、こうした変革を通じて、医療に関する社会的なコストはかなり低減することが期待できます。また個々の病院にとっても、「最善の医療」を巡る患者サービスの向上により、評判が評判を呼び、かえって病院経営上もプラスになることが予想されますので、十分に看護師の処遇の向上にあてる原資は確保出来るものと思います。もちろん、診療報酬など現行制度上の改革も並行して進めなければなりません。そして、何よりもこうした看護師の仕事の変貌こそが、中堅看護師になった段階でバーンアウトすること自体を減じ、それまでに身につけた看護に関する様々な経験とノウハウもバーンアウト退職により無に帰することなく、このような将来の「最善の医療」に役立てることもできます。

実現のための具体的な問題解決には色々な知恵と仕組み、そして社会資源の結集が必要とされますが、その詳細は理論的なことも含めてまだ未完ですので、このブログでは一旦このテーマについては終了とさせて頂きます。

医療・看護の関係者の方々や読者の方々から、ご意見・ご感想・ご提案・ご批判など何でも結構ですので、この雑感シリーズに関しての感想があれば、是非お寄せ頂ければ幸いです。
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