ＩＰＯの値動きは疲れる

筆者、たまたま水曜日に新規上場の６１６３エイチアンドエフの最初からのホルダーなので、昨日１０６０円で買い増した分と合わせて今後の成り行きを見守るため、岩井トレーダーに入れております。このＱＵＩＣＫ社提供のシステム、青、黒、赤、黄、緑、の天然色の満艦飾で、ラスベガスのカジノにも勝るとも劣らない数字の入れ替わりと点滅で、初めての方は目が眩む思いが味わえるシステムです。

そのせいか、このＨ＆Ｆをついに前場の終わりに１１００円で追加させられました。いつもながらＭＭ銘柄の場合は堕ちる勢いが、グランドキャニオンの絶壁にたむろするコンドルが獲物を見つけた時の急降下にも負けない早技でした。いや、これは技などというものではなく、予期せぬ察の手入れが入った鉄火場に、折り悪く不審火による火事まで起こった時の、我先に逃げまどう小金持ちのお父さん方やお姉さん方の、あの小梅太夫も顔負けの、顔面を引きつらせての逃亡劇、とでも形容したらよいのでしょうか。

ひょっとしてジャスダックのお偉方も、このような「スリル」に既に麻痺状態となっており、ＭＭ銘柄に対する様々な非難にも耐えて、ナスダックとの提携話で「正当化」を図ろうとしているのかも知れません。

この株は、そんなに慌てて買ったり売ったりするほどの「博打株」でも「業績急変銘柄」でもありません。自動車産業に貢献する生真面目な会社なのです。しかも同業と比較してもＰＥＲも割安で来期の成長見通しも社長さんが堂々と宣言している会社です。なぜ、静かに、ゆっくりと、その気がある方だけが買いに入らないのでしょうね。元、月島機械という、それなりのお年の方はご存じの、砂漠の月夜に駱駝でゆったりと移動する商人にふさわしい銘柄なのです。

これだから証券税制の「改正」などと言う声が高まってきているのかも知れません。合法的な鉄火場に法外な税率をかけるのは、これは「世界の常識」です。現に合法的な麻薬的趣向品である酒やたばこの税率は高いではありませんか。

どうか、もう少し真面目にトレードにいそしみましょうよ。皆さん。しかし、余計なことを言うなと、おしかりを受けそうです。言い直します。不真面目でも何でもいいから、とにかく場を盛り上げて下さい。よろしく。何せ、「お客さん」全員が察に捕まったら、筆者もおまんまの食い上げです。

ところで、金曜日にもかかわらず、マザーズ指数は＋６％の７１％に、ヘラクレス指数も７０％まで上昇です。８月１６日の夏の暑い盛りに７４％や７９％などという、日本脳炎にでもやられたような熱気での値がありましたが、この初冬にこの数字です。そろそろですね。

筆者はＨ＆Ｆを買い増した他は、前日から持ち越しの静かなる銘柄である６９０８イリソ電子工業、５３８４フジミインコーポレーティッドはそのままです。市況が悪化しても下げサインが出ない限り継続保有のつもりです。こうした地味な株がじりじりと上がっていくのを見るのも、ＭＭの騒乱状態とは違った、ほんわりとした株トレードの通の味があるというものですね。このまま上品にかつ清楚に上げていって欲しいものです。