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休日のバッハ(10.23.10)

2010-10-23 14:15:47 | 休日のバッハ


今日の休日のバッハは、BWV234ミサ曲から、第6曲クイ・トリスのソプラノのアリアです。これは5月29日にご紹介したカンタータ179番からの編曲です。(ファイルは既に削除済みです。)
テンポや曲想は良く似ておりますが、細かな部分ではかなり異なっております。当時は、亡き妻の介護に苦悶しながらご紹介しました。今またこの編曲の悲しくも美しいアリアをご紹介するのは、全く筆者自身の心の内から湧き出てきたものです。

ところで、写真のカンタス・ケルンという演奏者の本拠と思われるケルンは、30年以上前に妻と二人だけで行った初めての海外旅行で立ち寄った思い出の場所です。ヨーロッパで初めて見た黒くくすんだ天を突き刺す大聖堂には圧倒されました。

詩人の岩成達也は、「みどり、その日々を過ぎて」の詩集の中で、妻を亡くして3ヶ月は立ち直れなかったと言っておりました。しかし、これはあくまで肉体的な回復への道のりの長さだったことに、3ヶ月半たった今、気づかされております。そう思って、もう一度この詩集を開いてみると、そのことを如実に書いておりました。少し長いのですが引用します。

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(マドリガル)

この地へ流れ着いてから 僕らはいつも孤独だった 君には兄の家族があり 本当の友達も少しはいたが それでも 僕らはいつでも孤独だった

だから君が突然召されて 三月ほどというものは 来る日も来る日も横になり ただ日の移りだけを感じて過ごした 孤独な二人から一人を引いたら 残りは多分人でなくなる 

そんなある日 横たわっている床が先へ先へと廊下のように迫りだした そして廊下の一番向こうに 蹲っている君の懐かしい影がはっきりみえた いま縊死すれば 真直ぐあそこへ飛んで行けると僕は思った (主よお許し下さい 私はそのとき受洗したことを忘れていたのです)

だがそのときだ 透き通った君の体が 限りなく僕の体に近づいたのは 何粍という至近距離で 僕の全身は君の全身にすっぽりと包まれ 君が好きだったブルー・グレイや淡いラベンダー色の靄の中 

荒れすさんでいた僕も僕の体も そのときぴたりと鎮まったのだ それからなのだよ あいも変わらず僕らは二人で孤独なのだが 僕だけが唯一人ここに「在る」のではないと信じられるようになったのは

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先日読んだ国立がんセンターの名誉総長の垣添忠生氏が書いた「妻を看取る日」という話題になった本。ここにはやはり3ヶ月で肉体的には底を打ち、半年後にようやく日常生活に溶け込むことができるようになったと書いてありました。

今、そのことを実感しております。筆者の場合は岩成達也が廊下の向こう側に見た懐かしい影というのは、3ヶ月経った頃に見た夢の中でした。全く世界が変わったような感触が体全体を覆い、同じ寝室の襖の側に佇む妻が突如現れ、欣喜雀躍して思わず抱きついてしまった自分がおりました。その直後、夢から覚めて現実に戻りました。

この出来事と前後して、大学病院に献体に出している妻と一緒に行った海外旅行の時に撮った写真から、気に入ったものを数枚大きなサイズに焼き、それを額に入れて、その前にキリスト者だった彼女に相応しい十字架の置物を置き、二人を繋いでいた携帯電話も置き、大学病院の慰霊祭で貰った羊羹と生前好きだった柿を供えた空間が、知らず知らずのうちに出来上がっておりました。

今日そこに花を添えました。彼女が好きだった瑠璃色の庭に咲く花も一緒に添えて。

話が随分と長くなってしまいましたが、今日の休日のバッハのソプラノのアリアも合わせて妻に捧げたいと思います。

最後に、筆者がこうして今もこの世の時を変わらずに過ごすことが出来ているのは、拙いブログやツイッターを毎日見て下さる沢山の方々のお陰です。とりわけ、あの時にメールをお送り頂いたり、ブログにコメントを下さった方々に、改めて御礼致します。どうもありがとうございました。

いつものようにここをクリックして、ウィンドウズ・メディア・プレイヤーでお聴き下さい。期間限定の公開です。

追伸:しかしながら不思議な出来事が起きました。今回のアリアはCDの6番目のトラックに収録されております。いつもはパソコンにCDを挿入して、その6番目だけをチェックを外してPCに取り込む手順なのですが、今回に限り、何もしないで取り込まれておりました。事実ですが、どうにも合点が行きません。
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市場概況(10.22.10)

2010-10-23 08:29:00 | 市場概況
10月22日(金)の市場概況です。 下部に22日の海外市況

◆日経先物:9420円(+50円)OSC40%(+6%)20日の33%から切り返しに転じる。RSIは52%(+9%)。
◆日経平均:9427円(+50円)OSC46%(+4%)10月18日の35%からコンバージェンス中。 RSIは51%(+1%)。
◆TOPIX:825(+4)OSC47%(+3%)10月18日のOSC35%からコンバージェンス中。 RSIは48%(+3%)。
◆マザーズ指数:350(+5)OSC42%(+13%)10月19日の25%、終値346ポイントから上げに転じる。RSIは26%(+12%)。
◆ジャスダック指数:47(+-0)OSC36%(+4%)10月20日の31%からコンバージェンス中。RSIは27%(-2%)。

◆10日高値移動平均値超の銘柄比率:20%(+7%)
◆10日安値移動平均値未満の銘柄比率:45%(-16%)

後場は昨日と違ってじり高。しかし、引け際に先物がストーンと落ちるや、個別株も乱高下。ここは一旦切り返しに転じたと見て、後場後半に7731ニコンと9437エヌ・ティ・ティドコモの買い玉を仕込みました。

ニコンはギリギリOSCを前日同値として踏ん張っております。VR改が8月25日の32%に次ぐ36%まで落ち込んでおり、ここからは円高が80円突破されない限り反転すると見ての買い。ドコモは今日しぶとくプラ転してダイバージェンスが深まっていることを評価しての買い。

【以下は10月22日の海外市況】

◆ドル・円:81.36円(2銭の円安)OSC51%(+4%)RSIは18%(-2%)10月20日のOSC44%から上昇(円安)へと転じたか?
◆ユーロ・ドル:1.395ドル(+0.003ドル)OSC51%(+2%)19日の46%から上昇基調は継続中。RSIは61%(+6%)
◆USドルインデックス:77.46(+0.04)200MA(81.85)と50MA(80.34)割れからの下落トレンドから少し上がる気配。
◆米10年債利回り:2.59%(+0.02%)ついに50MA(2.59%)にタッチ。 ここを突破できるか?
◆NYダウ:11133ドル(-14ドル)OSC58%(+-0%)RSIは73%(+6%)10月13日の68%からはダイバージェンス中。
◆Nasdaq:2479(+20)OSC64%(+3%)18日の74%からはダイバージェンス中。RSIは75%(+9%)
◆VIX指数:18.78(-0.49)200MA(23.47)と50MA(22.72)から大きく下放れた後、揉み合い中からのここ3日の下落。
◆原油先物:81.99ドル(+1.43ドル)200MA(78.23ドル)を一気に抜き去り8月初旬の水準に達っして揉み合い中。終値で85ドルの壁がなかなか突破できず。
◆CRB指数:297.23(+1.68)週足の200MA(302.47)に再度あと一息まで迫るも揉み合い中。 
◆NY金:1328.1ドル(-40.5ドル)7月末あたりから上昇し新値更新トレンドの下限レンジへと下落中。
◆シカゴCME(円建て):9445円(+25円)

NY株は特にナスダックが上昇。企業決算の好調が背景。10月7日以降の決算発表で実に85%以上がアナリスト予想を上回る。これはアナリスト達と政府との「出来レース」ではないのか?一歩譲って60%程度なら納得ですが、予想で飯を食っているアナリストが85%も外すとは考えにくい。あっ、そうか。飯を食っているがために、お上の無言の圧力に屈しやすいということなのか?

なお、ドル安の話題に隠れておりますが、ユーロLIBOR(ロンドンの銀行間借り入れ金利)が9月28日頃から急上昇し続けております。3ヶ月ものは0.83%程度だったものが0.95%を突破。15%程度の上昇。ドルLIBORはむしろ僅かな下落が続いておりますので、ユーロ圏の銀行システムに対する懐疑がくすぶっていることに注意。アイルランドやスペインなどのソブリン問題が尾を引いております。

それにしても話は国債金利に変わりますが、世界最強のドイツ国債の10年もの利回りが2.471%に対して、日本国債の10年ものが0.896%とは、チョイとおかしいのではないでしょうか。2003年3月6日に0.43%という安値をつけておりますが、その後は1%を切ることなく安値は2%弱程度まで下落しております。

そこでこの0.895%の国債バブル金利が2%にまで上昇した時、残存期間10年の国債の価値がどうなるか?約10%の値下がりです。もっとも国債はすべて10年ものではありません。平均残存期間は6年と言われております。その場合でも約6%の値下がりとなります。国債残高は6月末現在904兆円です。(注)その6%は約54兆円。904兆円の95%は国内金融機関が持っておりますので、国内金融機関の損失は約52兆円にのぼり、時価会計をすればすべての金融機関が破綻という恐ろしい事態です。

そうならないため、個別金融機関は相手の出方を見ながら、より短期な国債にシフトしたり打つ手を考えているでしょうが、株と同じで、「破綻の気配」情報でも密かに流れれば一斉に売りに入ります。我先に売るのは株と同じです。そうなると2%どころの金利上昇に収まる訳はありません。これが一般国民には正しく理解されていない日本財政固有の問題ですね。国内で95%消化されているから問題ないという言説は、裏を返せばこういうリスクと隣り合わせにあるということ。ある時点で起こるカタストロフィー。これが普通の人にはきちんと見えませんので、消費税アップを言えば選挙で落とされるためにポピュリズム政治が横行。そして破綻リスクを更に拡げる愚の繰り返し。

注)財務省は今般初めて補足説明を掲載し、上記の904兆円はIMFの公表基準であり、利払いや償還財源が税財源によって賄われる債務(財投債と政府短期証券、交付国債の一部)を除いて、国と地方を合わせた債務残高を862兆円としております。しかし、損失の計算においてはたいした差はありません。)
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10月22日(金)のつぶやき

2010-10-23 02:46:18 | 株に出会う
08:26 from web
フィスコの想定レンジは上限 9450円-下限 9300円。一昨日の先物の安値9310円は意識しておく必要がありそう。また昨日高値を抜く9500円なら強気か。なお、朝の外資系証券10社経由の注文状況は、売り1530万株、買い1590万株、差し引き60万株の買い越しとの観測。
08:46 from web
JRのSuicaは同じ駅から出ることが出来ません。昔の定期は自由でした。案の定、山手線で事故があり、改札には長蛇の列が。同じ駅から出る場合は一旦記録したデータをゼロリセットすれば良いのでしょうが、これだとキセル対策がうまく行かないと思っているらしい。お客の利便性とどちらが大事?
15:21 from goo
市場概況(10.22.10) #goo_mariomari http://bit.ly/bC15rq
by mariomariot on Twitter
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