株に出会う

独自開発のテクニカル指標で株式市場の先行きを読む!

市場概況(6.16.09)

2009-06-17 06:09:22 | 市場概況
後場は、更に96円10銭程度までの円高が進み、引け際に安値更新をするなど全く冴えない1日だった6月16日の市場概況を確認しておきます。赤字部は17日朝の更新

◆日経先物:9770円(-270円)、OSC54%(-10%)6月12日の69%から下落中。指数値倍率:102(+3)
◆日経平均:9753円(-287円)、OCC51%(-15%)6月12日の68%から下落中。
◆日経平均指数値倍率:103(+3)数字が増えるほど下降傾向を示します。
◆TOPIX:914.76(-32) OSC48%(-15%)6月12日の63%から下落中。
◆マザーズ指数:425.19(-7.88)、OSC69%(-4%)6月9日の54%からまだ上昇中。
◆ヘラクレス指数:637.79(-18.71)OSC67%(-14%%)6月11日の82%から下落に転じる。
◆ドル・円:96.41円。(1円41銭円高)OSC46%(-12%)6月5日の61%から急落中。落ち方が激しく一旦、円高は一服するか?更新
◆米ドルLIBOR(3ヶ月もの):0.61438%(前日比-0.01%)6月15日現在。5月21日から底這い状態継続中。
◆米10年債利回り:3.674%(-0.037%)-6月16日現在
◆日経先物イーブニングセッション:9810円(大証終値比+40円)
◆シカゴ日経先物:9660円(円建て、大証終値比-110円)更新
◆NYダウ:8505ドル(-108ドル)OSC46%(-4%)6月5日の67%から下落継続。5月22日の43%に近づく。更新

ご覧のように今日は大きく押されました。円高が元凶。あの麻生内閣の体たらくは円安には働きません。あくまでも欧米に比べて相対的に金融システムが安定していることが、ここにきて再度評価されているものと思います。

今朝のコメントに書いたようにECBはユーロ圏の金融機関の損失予想を大幅に引き上げております。ユーロが沈んで、ドルも元々沈んでおりますので、中央銀行の昨年からの総資産の増加が比較的軽微な日銀(118兆円ですからたったの8%増)を擁する日本が、浮上してしまったということですね。FRBは2.3倍、ECBは1.3倍弱、英国は2.2倍と軒並み急増しております。

それだけ資産の急増(=負債の急増=不良資産?の買い取り増)に他の中央銀行は陥っている訳です。

このいわば中央銀行がじゃぶじゃぶに供給したマネーのいわば希薄化度合いが、円の価値を相対的に対ドル・対ユーロについて押し上げている構図ですね。

しかし、日米欧ともに、ここまで政府部門の借金が増えればもう返せないことは、日本のプライマリーバランス目標が平成11年度から20年度以降に延ばされたことからも明らかです。

このプライマリーバランス=ゼロというのは、国債の利払いのために新たな赤字国債の発行はしないというだけのことです。元本を返済するのはその後です。つまり、20年度までは少なくとも政府負債が増え続けることを宣言している訳です。

日米欧の主要国がこういった状態に陥っております。今はまだ1国の政府が借金をまさか踏み倒さないだろうとの見方が市場では勝っておりますので、国債の入札も何とか消化できておりますが、これがいずれ札割れになるようだと、じわりと長期金利が上昇しますので、この段階から、景気が回復しない状態での悪性の金利高になり、当然、マネーからモノへの回帰がドンドン進み、インフレが昂じてくるものと思います。


その長期金利のコントロールが今はまだ出来ると思っているのが、FRBのバーナンキ議長です。彼はイギリスが先鞭を付けた中央銀行による国債買い取りで、金利抑制が市場で大きな波乱なく実行されたのを見て、FRBも同じことを決断しました。

しかし、クライスラー破綻を見てGM破綻にも進んだようには、これで一件落着とは行かないのが長期金利です。現に、10年もの国債の金利は2.5%から4%にまで、FRBが買い取りをした後に戻しております。これではイタチごっこになるとFRBもそろそろ観念したのではないでしょうか。

それはそうでしょう。蛸が自分の足を食べるのを見て、その蛸に対して今までよりか良い値段(低い金利)でその蛸を引き取るお人好しが(我が日本政府を除いて)この世にいる訳はありません。

足を食べれば食べるほど、その蛸の食用としての価値は下落するのが、ものの道理というものです。

もし、金利を下げながら国債を更に増発したければ、蛸自身の体質改善(景気)をして貰うか、何か今までにない蛸の芸(増税の裏技)でも見せて貰って、蛸自身(お札)に付加価値を付けるかしかありません。しかし、既にかなりの足の部分を食ってしまった後では、哀れなるかな、その座敷芸すら出来なくなっております。

持ち越しは4063信越化学の4690円のみ。

-------赤字部は17日朝のコメント-------

NYダウは引け際に100ドル超の下落で終了。新築住宅指標は良かったものの、続く、5月の鉱工業生産指数が予想よりも0.1%ですが悪い-1.1%になっており、かつ前月分も0.2%下方修正されたことが効いております。自動車・部品が4月の-1.2%に対して-7.9%にまで落ち込んだことが悪さしております。クライスラー・GMの破綻もありこれは致し方ないところですね。

ウェーバードイツ連銀総裁が良いことを言っております。ドイツのZEW景況感調査というのがありますが、これの6月分が市場予想の35に対して44.8となりました。

「XX景況感指数」という調査がアメリカにも日本にもありますが、この手の指数がこのところ良い値を示しており、これが景気回復の芽が出ているとやらで囃されて、このところの株高を支えております。

ところが、ドイツ連銀総裁はFRBとは違って、「景気見通しの改善も、信頼できるデータを見る必要がある」とコメントしております。

ある投資家にもよく知られたコンサルタントが、このあたりの指数と景気との連動を過去について調べており、その結果、実は、景気がよくなったのかどうかを判断する最も信頼できるデータは、鉱工業生産指数であることが分かったそうです。

いわゆる景況感指数なるものは、世論調査と同じようなもので、騙しが出やすいとのことです。こういう地道な統計データに基づく指標の信頼性をきちんと検証した上で、情報を判断することが大変重要かと思います。

その点では、失業率の前年度変化率の改善、などというのも、こうした過去のデータに裏付けられた信頼できる指標ですね。

と言う訳で、知る人ぞ知る鉱工業生産指数の重要性から、昨晩のダウは、新築住宅関連の指標が良かったからと言って、これに楽観するのはまずいと判断し、引け際に逃げに回ったようです。

住宅関連指数にしても、何と言っても本命は中古住宅販売件数とその価格や在庫です。中古住宅は昨年のリーマンショックの9月でも年率514万戸の販売でした。その後は1月の449万戸を底にして、この4月はまだ468万戸です。横這いの数字と言えます。とても改善しているとは言えません。回復を言うなら500万戸回復が最低限の条件でしょうね。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

明日のモニタリング銘柄(6.17.08)

2009-06-16 22:04:45 | 明日のモニタリング銘柄
夜に入って、ロシアのメドベージェフ大統領が、ドルその他の準備通貨は役割を果たしていない。世界は超国家的な通貨が誕生する可能性が高いと述べ、「スーパー通貨」誕生への思惑からドルが売られております。

イギリスの消費者物価指数の5月度は予想の倍の0.6%でした。前月は0.2%でした。前年比でも+2.2%にもなります。

何やら波乱含みの時期を迎えつつあるようですが、明日、6月17日のモニタリング銘柄です。( )内は今日の安値。

【強気銘柄】

特になし。

【押し目からの反転期待銘柄】

 1.6804ホシデン(1183円)
 2.4118カネカ(625円)
 3.6923スタンレー電気(1551円)
 4.6762TDK(4240円)
 5.1605国際石油帝石(757K円)
 6.5016新日鉱ホールディングス(516円)
 7.5541大平洋金属(779円)
 8.9697カプコン(1710円)
 9.6594日本電産(5810円)
10.6366千代田化工建設(768円)
11.5631日本製鋼所(1174円)
12.8766東京海上ホールディングス(2570円)
13.8031三井物産(1177円)
14.7203トヨタ自動車(3690円)
15.3715ドワンゴ(146K円)

以上です。全般を見ると今日は押されすぎ。典型的な反転の形です。欧州株もプラス推移だし、アメリカの新築住宅の着工件数、建築許可件数ともに予想を上回っておりますので、明日は一旦切り返す気配です。ドル・円も97円まで回復しております。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

局地戦が勃発し衰退中

2009-06-16 11:29:04 | 株に出会う
戦国時代の歩兵になったことはありませんので、この際、確かなことは分かりませんが、これまで戦いを有利に進めてきたものの、既に兵糧も尽きかけている現在、ここは一旦撤退するのか、それとも、最後の力を振り絞って全員一丸となって突き進むのかは、その軍団のいわば、「士気の現状」に大いに影響されることでしょう。

士気は悪化しております。97円を切ってしまう円高が士気の悪化を更に招いております。円高=兵糧の減少ですから、腹が減っては戦はできぬの喩え通り、これは致し方ありません。

そうなると、これまでの戦線をどう守っていくのか、そして撤退する手勢を如何に少なくせずにするのかが焦点となってきます。

今日の相場では、この戦略を最も効率よく推進するために、いわば破れかぶれの野武士軍団を最前線に配置し、決死の戦いを挑むという奇策に出ているようです。

例えが悪いものの、あの1年前のアキバ事件。レンタルトラックで歩行者天国に突っ込み、トラックから降りて誰彼となく刺していったあの忌まわしい事件。

あの時のトラックが、今日の相場では第1に6674GSユアサです。今日こそ落としこまれると誰もが思ったにもかかわらず、993円の安値から1059円まで66円もの上昇で高値更新です。

一度プラ転しそうな時に再度1016円あたりまで押し込まれておりました。この時の空売り筋を筆頭に、その後のあまりに厳しい戦いで士気が落ち腰が引けた見方の兵士をも踏み倒しながらの突進は、鮮やかと言う他はありません。

その他では、些か軍団の質は見劣りするものの、8111ゴールドウィンが、ユアサの燃料補給の後方支援に活躍中です。後は兼松日産農林といった、これも得体が知れない白蟻退治の名人が、その際に使う「サリンまがい」のようなものをまき散らしながら、敵の反撃を押さえ込んでいるよう姿が、この荒涼たる戦場にかいま見れるのが、前場の戦況でした。

とても危なくてGSユアサには近寄れませんでした。8804東京建物の切り返しのタイミングを見てはいるのですが、これも昨日の出来高からすれば、まだ「敗残兵」を多く抱え込んでいるようで、一気に上抜けるような勢いが出ておりません。

前場は落ち目の7762シチズンホールディングスのプラ転からの下落局面でまたしても掴んでしまい-9円あたりで撤退。25本線も何もかも急に割り込んで来ましたが、朝からの反撃の勢いがまぶたに焼き付いており、切るのが少々遅れました。

後は、因縁の4063信越化学がプラ転しているのを見て、少し下の4650円で指し約定。これは鉄の蓋が覆い被さっているかのような値動きです。OSCは前日同値の31%です。プラ転さえすればOSCも31%以上には回復しますのでホールドしますが、奈落の底に近いところまで、どういう訳か落とされた株ですので、4630円が割れてしまえば一旦撤退しなければなりません。

後場にドル・円が切り返してくれば、ここまで一気に押されておりますので、少しは戻して終了するのではないかと思います。

しかし、激しい局地戦が勃発しており、この戦場には「追い剥ぎ」(Highwayman)と称される、本当の荒れ馬に乗った野武士集団も跋扈しているようですので、呉々も丸腰で迂闊に、金目のものを拾おうとして、この戦場に足を踏み込まないように。。。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

市場概況(6.15.09)

2009-06-16 06:10:26 | 市場概況
後場の先物は金曜日の安値の10030円に何度かタッチ。しかし、そこが割れずジリジリと買い戻しも入るも、結局は安値圏で終了した6月15日(月)の市場概況です。赤字部は16日朝の更新

◆日経先物:10040円(-100円)、OSC64%(-5%)6月12日の69%から下落に転じる。指数値倍率:99(+1)
◆日経平均:10040円(-96円)、OCC66%(-2%)6月9日の60%からまだ上昇基調継続。
◆日経平均指数値倍率:100(+1)数字が増えるほど下降傾向を示します。
◆TOPIX:946.82(-3.7) OSC63%(同値)6月9日の52%からまだ上昇基調継続。
◆マザーズ指数:433.07(+12.12)、OSC73%(+6%)6月9日の54%から更に年初来高値更新中。
◆ヘラクレス指数:656.5(+15)OSC81%(+3%)6月9日の71%から年初来高値を更に更新中。
◆ドル・円:97.82円。(59銭円高)OSC58%(-4%)6月12日の62%から円高へと切り返したか?更新
◆米ドルLIBOR(3ヶ月もの):0.62438%(前日比-0.005%)6月12日現在。5月21日から底這い状態継続中。
◆米10年債利回り:3.709%(-0.082%)-6月15日現在
◆日経先物イーブニングセッション:9960円(大証終値比-80円)
◆シカゴ日経先物:9825円(円建て、大証終値比-215円)更新
◆NYダウ:8612ドル(-187ドル)OSC50%(-10%)5月22日の43%以来。当面の底割れ。更新

後場は、為替が少々円安気味だったこともあり、ダウの先物が-50ドル程度で推移しているにもかかわらず、先物は金曜日の安値を死守。日経平均は10円ほど割り込んでおります。

日経平均のこの金曜日の高値・安値を割り込む形は、OSCの低下と合わせて、下落基調へと転じたかに見えますが、6月9日の水準からはまだ上に位置しており、明らかな調整過程に入ったとは断じることは出来ません。

ダウ先物は今のところ調子が良くないようですが、金曜日のNYダウはOSCを3%上げて、切り返し気配を見せております。ダウが更に上昇すれば、明日の日本市場も再度息を吹き返す公算が大かと。

しかし、一応の調整含みの値動きでしたので、後場はいくつか指していたものの、無理をしなかったため、ノートレードに終わりました。持ち越しもなし。

-------16日朝のコメント-------

欧州もNY市場も株式は大幅に下落。6月の全米住宅建設協会による「NAHB住宅価格指数」は前回16ポイントを下回る15ポイントで予想を2ポイント下回っております。

原油も金も下落しておりますが、これはユーロとの相対的なドル高が1つの背景。ECBがNY時間に、2010年までに不良債権の追加評価損の計上として2830億ドルの見通しを示したことが大きな理由です。

これで2010年末までの評価損の総額は6490億ドルとなります。

内訳は、銀行の不良債権2180億ドル、貸し倒れローンの引き当て4310億ドルです。

なお注目は、4月の対米証券投資が予想の600億ドルのプラスに対して、たったの112億ドルだったことです。3月分(修正後)は554億ドルもありました。

このデータは米国が外国からの資金でうまくファイナンスされていることを見るのに重要なデータですが、昨年10月は4億ドルの赤字、11月も256億ドルの赤字、今年1月も368億ドルの赤字と変調?が続き、やっと2月、3月と持ち直してきただけに、また腰を折られた感じです。

この資金の大きな流れは、株式市場の盛衰にリンクしているようです。NAHB住宅価格指数といい、どうもこれから市場が一旦調整を深めそうな予感のする数字ですね。

上の数字はネット長期TICフローのデータですが、4月の短期のフローは前回の250億ドルのプラスに対して、-532億ドルに大幅低下。民間部門が582億ドルも売り越したのが響いたようです。

日本の金融機関も米国債などから、少しでも逃げて呉れていれば良いが、と思って財務省のデータを見れば、4月は2兆6千億円強の買い越しでした。5月も1兆8千億円強の買い越し。この買い越し(ドル買いに相当)でドル・円は大きく円高に振れることなく推移しておりますが、米ドルの価値がとりざたされている時に、まさに飛んで火に入る夏の虫。

最後に、NY連銀製造業景気指数(6月)も、前回-4.55、予想-4.6、結果-9.41でした。雇用指数は若干良かったようですが、在庫がまたまた増えているようです。これが大きく足を引っ張っております。ここからも中国特需は一服していることが窺えそうです。

大分、お化粧がまだら模様ながらも剥げ落ちてきているようです。そのうち顕わになる「素顔」が、きつすぎるメイクアップの後遺症で、荒れに荒れているかどうかに注目。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

明日のモニタリング銘柄(6.16.09)

2009-06-15 21:07:46 | 明日のモニタリング銘柄
欧州株も安く始まり、日経先物も9960円まで落ち、ドル・円も円高方向へと振れ、ダウ先物も更に値を落として-90ドルあたりになっており、どうやら、この調子では下落モードに突入のようです。

さて、明日のモニタリング銘柄です。( )内は今日の安値。

【強気銘柄】

1.1951協和エクシオ(910円)
2.4756カルチュア・コンビニエンス・クラブ(754円)
3.6417SANKYO(4890円)

【押し目からの反転狙い銘柄】

1.1605国際石油帝石(790K円)
2.7762シチズンホールディングス(457円)
3.6412平和(1056円)
4.4063信越化学(4660円)
5.8031三井物産(1260円)

以上です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする