後場は、更に96円10銭程度までの円高が進み、引け際に安値更新をするなど全く冴えない1日だった6月16日の市場概況を確認しておきます。赤字部は17日朝の更新
◆日経先物:9770円(-270円)、OSC54%(-10%)6月12日の69%から下落中。指数値倍率:102(+3)
◆日経平均:9753円(-287円)、OCC51%(-15%)6月12日の68%から下落中。
◆日経平均指数値倍率:103(+3)数字が増えるほど下降傾向を示します。
◆TOPIX:914.76(-32) OSC48%(-15%)6月12日の63%から下落中。
◆マザーズ指数:425.19(-7.88)、OSC69%(-4%)6月9日の54%からまだ上昇中。
◆ヘラクレス指数:637.79(-18.71)OSC67%(-14%%)6月11日の82%から下落に転じる。
◆ドル・円:96.41円。(1円41銭円高)OSC46%(-12%)6月5日の61%から急落中。落ち方が激しく一旦、円高は一服するか?更新
◆米ドルLIBOR(3ヶ月もの):0.61438%(前日比-0.01%)6月15日現在。5月21日から底這い状態継続中。
◆米10年債利回り:3.674%(-0.037%)-6月16日現在
◆日経先物イーブニングセッション:9810円(大証終値比+40円)
◆シカゴ日経先物:9660円(円建て、大証終値比-110円)更新
◆NYダウ:8505ドル(-108ドル)OSC46%(-4%)6月5日の67%から下落継続。5月22日の43%に近づく。更新
ご覧のように今日は大きく押されました。円高が元凶。あの麻生内閣の体たらくは円安には働きません。あくまでも欧米に比べて相対的に金融システムが安定していることが、ここにきて再度評価されているものと思います。
今朝のコメントに書いたようにECBはユーロ圏の金融機関の損失予想を大幅に引き上げております。ユーロが沈んで、ドルも元々沈んでおりますので、中央銀行の昨年からの総資産の増加が比較的軽微な日銀(118兆円ですからたったの8%増)を擁する日本が、浮上してしまったということですね。FRBは2.3倍、ECBは1.3倍弱、英国は2.2倍と軒並み急増しております。
それだけ資産の急増(=負債の急増=不良資産?の買い取り増)に他の中央銀行は陥っている訳です。
このいわば中央銀行がじゃぶじゃぶに供給したマネーのいわば希薄化度合いが、円の価値を相対的に対ドル・対ユーロについて押し上げている構図ですね。
しかし、日米欧ともに、ここまで政府部門の借金が増えればもう返せないことは、日本のプライマリーバランス目標が平成11年度から20年度以降に延ばされたことからも明らかです。
このプライマリーバランス=ゼロというのは、国債の利払いのために新たな赤字国債の発行はしないというだけのことです。元本を返済するのはその後です。つまり、20年度までは少なくとも政府負債が増え続けることを宣言している訳です。
日米欧の主要国がこういった状態に陥っております。今はまだ1国の政府が借金をまさか踏み倒さないだろうとの見方が市場では勝っておりますので、国債の入札も何とか消化できておりますが、これがいずれ札割れになるようだと、じわりと長期金利が上昇しますので、この段階から、景気が回復しない状態での悪性の金利高になり、当然、マネーからモノへの回帰がドンドン進み、インフレが昂じてくるものと思います。
その長期金利のコントロールが今はまだ出来ると思っているのが、FRBのバーナンキ議長です。彼はイギリスが先鞭を付けた中央銀行による国債買い取りで、金利抑制が市場で大きな波乱なく実行されたのを見て、FRBも同じことを決断しました。
しかし、クライスラー破綻を見てGM破綻にも進んだようには、これで一件落着とは行かないのが長期金利です。現に、10年もの国債の金利は2.5%から4%にまで、FRBが買い取りをした後に戻しております。これではイタチごっこになるとFRBもそろそろ観念したのではないでしょうか。
それはそうでしょう。蛸が自分の足を食べるのを見て、その蛸に対して今までよりか良い値段(低い金利)でその蛸を引き取るお人好しが(我が日本政府を除いて)この世にいる訳はありません。
足を食べれば食べるほど、その蛸の食用としての価値は下落するのが、ものの道理というものです。
もし、金利を下げながら国債を更に増発したければ、蛸自身の体質改善(景気)をして貰うか、何か今までにない蛸の芸(増税の裏技)でも見せて貰って、蛸自身(お札)に付加価値を付けるかしかありません。しかし、既にかなりの足の部分を食ってしまった後では、哀れなるかな、その座敷芸すら出来なくなっております。
持ち越しは4063信越化学の4690円のみ。
-------赤字部は17日朝のコメント-------
NYダウは引け際に100ドル超の下落で終了。新築住宅指標は良かったものの、続く、5月の鉱工業生産指数が予想よりも0.1%ですが悪い-1.1%になっており、かつ前月分も0.2%下方修正されたことが効いております。自動車・部品が4月の-1.2%に対して-7.9%にまで落ち込んだことが悪さしております。クライスラー・GMの破綻もありこれは致し方ないところですね。
ウェーバードイツ連銀総裁が良いことを言っております。ドイツのZEW景況感調査というのがありますが、これの6月分が市場予想の35に対して44.8となりました。
「XX景況感指数」という調査がアメリカにも日本にもありますが、この手の指数がこのところ良い値を示しており、これが景気回復の芽が出ているとやらで囃されて、このところの株高を支えております。
ところが、ドイツ連銀総裁はFRBとは違って、「景気見通しの改善も、信頼できるデータを見る必要がある」とコメントしております。
ある投資家にもよく知られたコンサルタントが、このあたりの指数と景気との連動を過去について調べており、その結果、実は、景気がよくなったのかどうかを判断する最も信頼できるデータは、鉱工業生産指数であることが分かったそうです。
いわゆる景況感指数なるものは、世論調査と同じようなもので、騙しが出やすいとのことです。こういう地道な統計データに基づく指標の信頼性をきちんと検証した上で、情報を判断することが大変重要かと思います。
その点では、失業率の前年度変化率の改善、などというのも、こうした過去のデータに裏付けられた信頼できる指標ですね。
と言う訳で、知る人ぞ知る鉱工業生産指数の重要性から、昨晩のダウは、新築住宅関連の指標が良かったからと言って、これに楽観するのはまずいと判断し、引け際に逃げに回ったようです。
住宅関連指数にしても、何と言っても本命は中古住宅販売件数とその価格や在庫です。中古住宅は昨年のリーマンショックの9月でも年率514万戸の販売でした。その後は1月の449万戸を底にして、この4月はまだ468万戸です。横這いの数字と言えます。とても改善しているとは言えません。回復を言うなら500万戸回復が最低限の条件でしょうね。
◆日経先物:9770円(-270円)、OSC54%(-10%)6月12日の69%から下落中。指数値倍率:102(+3)
◆日経平均:9753円(-287円)、OCC51%(-15%)6月12日の68%から下落中。
◆日経平均指数値倍率:103(+3)数字が増えるほど下降傾向を示します。
◆TOPIX:914.76(-32) OSC48%(-15%)6月12日の63%から下落中。
◆マザーズ指数:425.19(-7.88)、OSC69%(-4%)6月9日の54%からまだ上昇中。
◆ヘラクレス指数:637.79(-18.71)OSC67%(-14%%)6月11日の82%から下落に転じる。
◆ドル・円:96.41円。(1円41銭円高)OSC46%(-12%)6月5日の61%から急落中。落ち方が激しく一旦、円高は一服するか?更新
◆米ドルLIBOR(3ヶ月もの):0.61438%(前日比-0.01%)6月15日現在。5月21日から底這い状態継続中。
◆米10年債利回り:3.674%(-0.037%)-6月16日現在
◆日経先物イーブニングセッション:9810円(大証終値比+40円)
◆シカゴ日経先物:9660円(円建て、大証終値比-110円)更新
◆NYダウ:8505ドル(-108ドル)OSC46%(-4%)6月5日の67%から下落継続。5月22日の43%に近づく。更新
ご覧のように今日は大きく押されました。円高が元凶。あの麻生内閣の体たらくは円安には働きません。あくまでも欧米に比べて相対的に金融システムが安定していることが、ここにきて再度評価されているものと思います。
今朝のコメントに書いたようにECBはユーロ圏の金融機関の損失予想を大幅に引き上げております。ユーロが沈んで、ドルも元々沈んでおりますので、中央銀行の昨年からの総資産の増加が比較的軽微な日銀(118兆円ですからたったの8%増)を擁する日本が、浮上してしまったということですね。FRBは2.3倍、ECBは1.3倍弱、英国は2.2倍と軒並み急増しております。
それだけ資産の急増(=負債の急増=不良資産?の買い取り増)に他の中央銀行は陥っている訳です。
このいわば中央銀行がじゃぶじゃぶに供給したマネーのいわば希薄化度合いが、円の価値を相対的に対ドル・対ユーロについて押し上げている構図ですね。
しかし、日米欧ともに、ここまで政府部門の借金が増えればもう返せないことは、日本のプライマリーバランス目標が平成11年度から20年度以降に延ばされたことからも明らかです。
このプライマリーバランス=ゼロというのは、国債の利払いのために新たな赤字国債の発行はしないというだけのことです。元本を返済するのはその後です。つまり、20年度までは少なくとも政府負債が増え続けることを宣言している訳です。
日米欧の主要国がこういった状態に陥っております。今はまだ1国の政府が借金をまさか踏み倒さないだろうとの見方が市場では勝っておりますので、国債の入札も何とか消化できておりますが、これがいずれ札割れになるようだと、じわりと長期金利が上昇しますので、この段階から、景気が回復しない状態での悪性の金利高になり、当然、マネーからモノへの回帰がドンドン進み、インフレが昂じてくるものと思います。
その長期金利のコントロールが今はまだ出来ると思っているのが、FRBのバーナンキ議長です。彼はイギリスが先鞭を付けた中央銀行による国債買い取りで、金利抑制が市場で大きな波乱なく実行されたのを見て、FRBも同じことを決断しました。
しかし、クライスラー破綻を見てGM破綻にも進んだようには、これで一件落着とは行かないのが長期金利です。現に、10年もの国債の金利は2.5%から4%にまで、FRBが買い取りをした後に戻しております。これではイタチごっこになるとFRBもそろそろ観念したのではないでしょうか。
それはそうでしょう。蛸が自分の足を食べるのを見て、その蛸に対して今までよりか良い値段(低い金利)でその蛸を引き取るお人好しが(我が日本政府を除いて)この世にいる訳はありません。
足を食べれば食べるほど、その蛸の食用としての価値は下落するのが、ものの道理というものです。
もし、金利を下げながら国債を更に増発したければ、蛸自身の体質改善(景気)をして貰うか、何か今までにない蛸の芸(増税の裏技)でも見せて貰って、蛸自身(お札)に付加価値を付けるかしかありません。しかし、既にかなりの足の部分を食ってしまった後では、哀れなるかな、その座敷芸すら出来なくなっております。
持ち越しは4063信越化学の4690円のみ。
-------赤字部は17日朝のコメント-------
NYダウは引け際に100ドル超の下落で終了。新築住宅指標は良かったものの、続く、5月の鉱工業生産指数が予想よりも0.1%ですが悪い-1.1%になっており、かつ前月分も0.2%下方修正されたことが効いております。自動車・部品が4月の-1.2%に対して-7.9%にまで落ち込んだことが悪さしております。クライスラー・GMの破綻もありこれは致し方ないところですね。
ウェーバードイツ連銀総裁が良いことを言っております。ドイツのZEW景況感調査というのがありますが、これの6月分が市場予想の35に対して44.8となりました。
「XX景況感指数」という調査がアメリカにも日本にもありますが、この手の指数がこのところ良い値を示しており、これが景気回復の芽が出ているとやらで囃されて、このところの株高を支えております。
ところが、ドイツ連銀総裁はFRBとは違って、「景気見通しの改善も、信頼できるデータを見る必要がある」とコメントしております。
ある投資家にもよく知られたコンサルタントが、このあたりの指数と景気との連動を過去について調べており、その結果、実は、景気がよくなったのかどうかを判断する最も信頼できるデータは、鉱工業生産指数であることが分かったそうです。
いわゆる景況感指数なるものは、世論調査と同じようなもので、騙しが出やすいとのことです。こういう地道な統計データに基づく指標の信頼性をきちんと検証した上で、情報を判断することが大変重要かと思います。
その点では、失業率の前年度変化率の改善、などというのも、こうした過去のデータに裏付けられた信頼できる指標ですね。
と言う訳で、知る人ぞ知る鉱工業生産指数の重要性から、昨晩のダウは、新築住宅関連の指標が良かったからと言って、これに楽観するのはまずいと判断し、引け際に逃げに回ったようです。
住宅関連指数にしても、何と言っても本命は中古住宅販売件数とその価格や在庫です。中古住宅は昨年のリーマンショックの9月でも年率514万戸の販売でした。その後は1月の449万戸を底にして、この4月はまだ468万戸です。横這いの数字と言えます。とても改善しているとは言えません。回復を言うなら500万戸回復が最低限の条件でしょうね。