中日新聞の「くらしの作文」に「神様のおぼしめし」というタイトルで、90歳の男性が投稿されていました。
「くらしの作文」が1952年から掲載されたと知り驚きました。
当時、小生は二十歳の青二才でした。
七十年の歴史に、改めて敬意を表します。
小生が当地に居住したのは六七年で、以来、この欄を楽しく読ませていただいています。
小生の拙文も五回、掲載していただきました。
その中で忘れることのできないのが、二〇一二年一月六日に掲載された「結婚指輪」と題する作文です。
会話部分を転記します。
<「この大切な指輪、おれが死んだら、ちゃんと処理してくれよ」
「えっ。あなた、勝手に先に逝く気?」
「当然だ。女性は平均寿命が長いし、年下なんだから」
釈然としない妻は「神様のおぼしめしがどうなるか分からないわよ」と口をとがらせた。>
あれから、ちょうど十年。
妻は神様のおぼしめしにより旅立ちました。
妻を送ってはや半年を過ぎようとしています。
やっと、最近になって妻の死というものを冷静に受け止められるようになりましたが、寂しさと悲しさは募るばかりです。
そっと掲載文の切り抜きを霊前に置き「十年先を見事に読み切った君は巫女(みこ)だよ」と遺影に呟きました。
以上です。
「くらしの作文」が70周年を迎えたということで、過去に掲載された方の特集をしています。
この投稿者さんは、五回も掲載されたようです。
>釈然としない妻は「神様のおぼしめしがどうなるか分からないわよ」と口をとがらせた。
たしかに死は、どちらが先に逝くか分からないですよね。
神様のおぼしめしかな。
「おぼしめし」という言葉は、今でも使われるのかな?
秋桜/さだまさし(まさしんぐWORLDコンサート「カーニバル」)