小田和正さんの本に、下記の事が書かれていました。
二〇一七年、小田は七十歳となった。
六十歳になるころ、年齢についてよく話していた小田も、七十歳について訊ねた時、ただひと言、「六十歳とは全く違う、一番の変化は、もうあとはないなということだな」とだけ言った。
私は、立花隆がかって東大で行ったという講義を思い出したものだった。
少し長いが引用したい。
七十歳のリアルがそこにある。
「六十代と七十代は全然違うものだということが、自分が実際に七十歳になってはじめて分かりました。
何がそんなに違うのかというと、肉体的には大した変化はありません。
変わったのは心理です。
自分の死が見えてきたなという思いが急に出てきたのです。
七十歳の誕生日、六十代に別れを告げて七十代に入ったまさにその日、
とうとう最後の一山を越えたんだなという思いがしました。
そして今、目の前には七十代という地平が広がっていますが、その向こう側に、自分の八十代、九十代という未来水面が広がっているかといったら、いません。
七十代の向こう側は、いつ来るか分からない不定型の死が広がっているだけという感じなのです」
(立花隆『二十歳の君へ』)
以上です。
私は、七十六歳です。
この本を読んで、最後の一山を越えてしまっていると思いました。
その向こう側に、自分の八十代、九十代という未来水面は広がっていない。
七十代になると、いつ死んでもおかしくないようです。
ひだまりの詩/Le Couple (OFFICIAL MUSIC VIDEO)