先に訪ねた荒尾の第58番・金剛寺に続いて、第101番・成田山大勝寺を訪ねる。県道に入り、鹿児島線の線路を渡って東に進む。
しばらく走ると左手にショッピングモール、その向こうに観覧車やアトラクションが見える。グリーンランドである。グリーンランド・・もちろん、現在アメリカが買収を狙っている北極海のあの島ではなく、九州最大級の遊園地である。かつては、三池炭鉱を保有していた三井鉱山が経営していたことから「三井グリーンランド」という名前だったが、現在は西部ガスグループが筆頭株主であるリゾート会社が運営している。
そのグリーンランドの敷地の北に成田山の看板が出迎える。グリーンランドへは大牟田からバスが出ているので、公共交通機関でのアクセスも可能な札所である。
成田山大勝寺は、その名が示すように千葉の成田山新勝寺が本山で、その支院に当たる。私の大阪勤務時、年始や期のはじめに職場の安全祈願で寝屋川にある成田山の大阪別院に参詣していたが、ここ大勝寺は成田山の本尊である大日大聖不動明王の分身を本尊として1972年に開かれた。ホームページには「有明成田山」とあり、グリーンランドを中心としたリゾート地が存在する有明の地を聖地と定めたという。
1月12日、まだ松の内ということで初詣の看板が掲げられ、新年の絵馬には多数の寄せ書きがあふれている。私の場合、2025年の初めは正月気分どころではなかったので、ほんの少しだけその余韻を味わうことにする。
コンクリート造りの本堂に上がる。中も広々としている。ちょうど厄除けで来られていた方の祈願が行われていたが、「それ成田山は~」から始まる祈願文、成田山の大阪別院に参詣した時に耳にしたのと同じようだ。護摩供ではないので大掛かりな火が焚かれることはなかったが。
不動明王の真言を唱え、朱印をいただく。これで熊本県の札所はコンプリートとなった。残すは福岡(筑後、筑前)、佐賀、長崎の3県で、いよいよ後半に差し掛かる。
山門を抜けると正面にグリーンランドのアトラクションが広がる。この成田山もアトラクションとは言わないが、開放的で、厄除け祈願、交通安全祈願や護摩供などイベント的要素もあり、参詣しやすい雰囲気がある。
さてここからかつての三池炭鉱の産業遺産を回るところだが、気になるスポットが一つある。この日は山鹿から玉名に出て、大牟田、荒尾に来たのだが、玉名駅前にあった蓮華院誕生寺の大梵鐘のレプリカがあった。この実物は誕生寺の奥の院にあるとのことで、前回誕生寺を訪ねた時はバス利用で本院から離れていたこともあり奥の院に行くことはなかった。
今回、当初の予定には入れていなかったが、レンタカー利用であるし、成田山から10キロほどのところである。せっかくなので、あの大梵鐘の本物を見に行ってみようか・・・。