まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

観戦記・日本シリーズ第6戦バファローズ対スワローズ@神戸・・試合は延長にもつれて・・

2021年11月30日 | プロ野球(バファローズ・NPB)

さて、日本シリーズ第6戦の試合開始である。18時を回りすっかり暗くなった神戸の夜空にプレイボールの声が響く。

バファローズの先発はエースの山本。シリーズが第6戦までもつれ、万全の状態で2度目の先発である。まずは塩見、青木、山田をあっさりと三者凡退で退ける。

一方スワローズの先発は高梨。今季4勝ながらローテーションの一角を占め、優勝を決めたベイスターズ戦にも先発している。以前在籍していたファイターズ時代を含め神戸は3戦3勝だとか。そうした相性もあり、奥川に無理をさせず中堅どころを第6戦に持って来たのかな。

大きな拍手で先頭の福田が打席に入る。早速四球で出塁し、宗の内野ゴロの間に進塁。吉田、杉本と当たりを戻しつつある中軸を迎えるが、いずれも三振に打ち取られる。

2回は山本が圧巻の投球で、村上、サンタナ、中村を三者三振に切って取る。早くもギアを上げたようだ。

2回裏、二死から紅林が二塁打を放ちチャンスを作るも、若月が三振でチェンジ。序盤、バファローズが得点圏にランナーを進めるも高梨が踏ん張る。

3回は一転してスワローズが攻勢。先頭のオスナがレフトへの二塁打でチャンスを迎える。続く宮本がバントしようとして見逃し、飛び出していたオスナが挟まれてアウト。これでピンチを脱したかに見えたがその宮本がヒットを放ち、その後二死一・二塁となる。しかし最後は青木を内野ゴロに打ち取って得点を許さない。

この後山本、高梨の投げ合いで試合は進む。バファローズの拙攻も気になるが・・。

試合が動いたのは、私がトイレ、売店で席を立っていた5回表。経過は見ていないが、二死二塁から塩見がレフトへのタイムリーを放つ。外の自由通路に歓声が聞こえてきた。1対0、まずは日本一に王手のスワローズが先制だ。席に戻り、「必勝」のぬる燗を飲みなおして5回裏を迎える。

この回、一死から若月の当たりは二塁へ。山田が一塁へ送球してアウトの判定。ここで中嶋監督が物言い。ビデオ判定の結果、一塁のオスナの捕球が不十分として、軍配差し違えで内野安打となった。これでチャンスを作り、福田が三塁線にポテンと落ちるヒットを放って1対1とすぐさま追いつく。これでわからなくなった。周囲も盛り上がって来た。高梨はここで降板し、スアレスに交代。スアレスは宗を抑えてピンチを脱する。

6回、ここまで好守で盛り立ててきた宗、紅林が連続エラーでピンチを迎える。しかしこの日の山本は気迫があり、サンタナを併殺打、中村を内野ゴロでしのぐ。ここまで、第1戦と同じ6回1失点だが、内容としては第6戦のほうが球数も少なく、調子はよく見えた。

神戸の夜空にビニール傘が踊る7回表、スワローズはオスナのヒットなどで二死一・二塁とするが山本がしのぐ。7回まで1失点、この後の展開によっては継投に入るのかなと思われた。

しかし山本は8回も登板する。これまでの展開で8回を任せる投手に不安があることもあったかもしれないが、味方がリードするまではマウンドに立ち続ける覚悟だったか。この回も山田、村上、サンタナを三者三振。これには攻撃陣も応えたいところである。いつの間にか、バファローズのブルペンには誰もいなくなった。

8回裏、スワローズは3人目の清水。ここで宗、吉田が連打でチャンスを作るが、杉本、Tー岡田が凡退。あと1点が遠い・・・。

そしてとうとう9回のマウンドにも山本が上がった。そして下位打線を三者凡退とした。結局9回まで141球、被安打6、奪三振11、失点1という熱投を見せた。これ以上、山本に何を望むというのか。

こうなればサヨナラ勝ちしかない。9回も続投の清水の前に二死二塁として、太田のところで代打に前の試合で決勝本塁打のジョーンズが登場。しかしスワローズベンチは迷わず申告敬遠で塁を埋める。9回二死ということで代打の場面はわかるが、ちょっともったいない使い方だった。続く福田が凡退して、1対1のまま、このシリーズ初めての延長戦となった。この時間ですでに時間もだいぶ押していたが・・。

さすがに山本は9回で降板し、10回には平野が登場。二死から青木に二塁打を許すも山田を打ち取り無失点。あとはサヨナラ勝ちを待つばかり・・・。

10回裏は4人目の田口が登板し、二死としてからマクガフが登場。第1戦では一死も取れずにバファローズがサヨナラ勝ちしたが、その後も高津監督は要所で使い続けている。この試合も杉本を三振に打ち取り、試合は11回へ。

その11回は能見がシリーズ初登板。村上を打ち取るワンポイントリリーフを見せ、比嘉につなぐ。10回、11回はベテラントリオでスワローズ打線を退ける。一方11回裏もマクガフが続投し、三者凡退。試合はとうとう延長最終となる12回に入った。この時点で時刻は22時半を回っていて、そろそろ帰りの時間が気になるところだ。実際、11回を終えて周りでも席を立つ人が出た。場内には最終の地下鉄の時刻案内もアナウンスされた。私はこの日は西明石に宿を取っていて、総合運動公園の最終の地下鉄に乗っても何とかチェックインの期限25時には間に合いそうだが、果たしてそれまでに終わるだろうか。

12回に登板したのは富山。2人をしっかり抑えたところで吉田凌に交代。とりあえず、あと1人でこの試合のバファローズの負けはなくなり、スワローズの日本一も持ち越しとなる。さて・・というところで塩見がヒット。ここでスワローズはとっておきの代打・川端が登場。それでもあと1人だ。

ただ、ここで伏見がまさかのパスボールで塩見が二塁に進む。そして吉田の1球を川端がレフト前へポトリと落ちるヒットにする。塩見が生還して2対1。この時間でもまだ多く残るスワローズファンから歓声があがる。ここで勝ち越し、一気に日本一が近づく。こちらは一気にがっくり来る。

12回、そのままマクガフが登板。バファローズも途中出場の山足が死球で出塁するが、二死となって打席には宗。まだ長打で同点のチャンスはある。

その初球は三塁側へのファウル。・・・とそれがみるみる私のいるところに近づいてくる。最後避けようとしたところ、ボールはひざ掛けにしていた上着にスポッと収まった。跳ね返ることもなく、ボールは私の手の中へ。その時はファウルボールをゲットしたことなんかどうでもいいから、打球を前に飛ばしてほしいと願っていたが・・・。

その2球後、宗の打球は二塁へ。そのまま送られて試合終了。延長12回、スワローズが2対1で勝ち、シリーズを4勝2敗で制覇した。スワローズとしては20年ぶりの日本一だが、これで阪急、ブルーウェーブ、近鉄、オリックス・バファローズのいずれもがスワローズに敗れるという、そんな歴史が繰り返されることになった。

時刻は23時を回っていて地下鉄の時間も気になるが、せめて胴上げだけは見て帰ろう。グラウンドに選手が集まり、高津監督が何やら声をかける。そして拍手が起こり、胴上げが始まる。1回、2回・・と数え、合計10回行われた。それだけを見届けて駅に急ぐ。この球場にはクルマで来る人も多いので、この時間でもそれなりの観客は残っていて、最後のセレモニーも見ていたようだ。

ちょうど三宮方面の列車が出た後で、その次は・・・と見ると隣の名谷止まり。こういう日くらい延長運転してもと思うが・・・。ホームでじっと待ち、23時25分発の谷上行きに乗り込む。車内では残念がる声もあったが、「神戸で試合してくれてよかった」という声も聞こえた。車内も静かというか、長時間の観戦疲れか、全体的に静かだった・これ、スワローズ相手だったからお互いのファンとも称えあう雰囲気があったが、もしタイガースなんかが下剋上でシリーズに出場して同じように日本一になっていたら、どういう地獄絵図になっていたことやら・・・・。

三宮に到着。西明石方面はまだ0時03分発の姫路行き快速があった。ホームには日本シリーズとは関係なく三宮で飲んでいた人たちが大勢列車を待っていて、車内にもそのにぎやかさが持ち込まれた。

そのまま西明石まで乗車し、駅前の「スマイルホテル西明石」に入ったのは0時半を回っていた。もうテレビもつける必要ないだろう。シャワーだけ浴びて、さっさとベッドに入る。

ただその前に、先ほどゲットしたボールをゆっくり見てみる。そこには「SMBC日本シリーズ2021」の文字とともに、「B vs YS ほっともっとフィールド神戸」と印字されていた。ここまで文字があったとは。まして、神戸では結局1試合だけだったから、実にいい記念になったと思う。それもウイニングボールの1つ前に使われていたボールとは・・・。

朝になりニュースを見て、シリーズのMVPにスワローズの捕手・中村が選ばれたと知った。いいところで打点を挙げたこともあるが、投手陣をリードしてバファローズ打線を抑えたことが評価されての受賞である。そして敢闘賞には、結局勝ち星を挙げることはなかったが2試合で好投した山本。これは第6戦の投球が大きかっただろう。

それにしても最後までどちらに転んでもおかしくなかった熱戦を繰り広げた両チーム、改めて拍手を送りたい。ありがとう・・・!

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観戦記・日本シリーズ第6戦バファローズ対スワローズ@神戸・・試合前

2021年11月29日 | プロ野球(バファローズ・NPB)

神戸で日本シリーズ開催!

2021年の日本シリーズは異例づくめとなった。コロナ禍の影響もあり、当初予定されていた日程から1週間遅れての開催となった。そのため、スワローズがホームの第3戦~第5戦が本来なら神宮球場のところ、明治神宮野球大会と重なり、場所を東京ドームに移すことになった(神宮球場はあくまで学生野球の聖地、今も優先されているようだ)。そしてバファローズは第1戦~第2戦は本拠地京セラドーム大阪だが、第6戦~第7戦はAAAのコンサートが先に入っていた。そのため、準本拠地であるほっともっとフィールド神戸に場所を移すことになった。

これが思わぬドラマを生むことになるとは。「オリックス」というチームとすればかつての本拠地、日本一にもなったところで、中嶋監督もその一員であった。そして、第2戦からスワローズが3連勝して日本一に王手をかけた後は、「神戸に帰ろう」を合言葉にチームは奮起した。第5戦もシーソーゲームを制してバファローズ2勝3敗として、本当に神戸に帰ることができた。星の上ではスワローズ有利なのだが、「神戸での逆転日本一」も十分期待できたところだ。

結果はすでにご承知のとおり、第6戦、延長12回まで及んだ熱戦をスワローズが制して日本一となったのだが、実に見ごたえのある試合だった。現地で観ることができたのもよい思い出として、書き残すことにする。

11月27日、広島を早朝に出発し、いったん神戸は通り過ぎて京都まで行く。西国三十三所、西国四十九薬師の札所めぐりを通してバファローズの必勝祈願を行う。訪ねたのは洛南地区の三室戸寺、法界寺、そして醍醐寺(醍醐寺では西国三十三所の3巡目が満願となったが、それらのことは後ほど記事にするとして・・)。

山科からJRの三ノ宮まで移動して、地下鉄の三宮で宿泊用の荷物をコインロッカーに預け、地下ホームに向かう。ちなみに、この日は西明石に宿を予約した。三宮近辺で検索しても高級ホテルかゲストハウスの両極端の選択肢しかなかったし、大阪に戻るのもかったるい。また今回JR西日本の「どこでもきっぷ」を使っていて、翌日は新幹線で西へ移動することを考えていた。ならば、JRの終電が遅くまで出ている西明石がいいかなと。日本シリーズは試合展開が遅いし、地下鉄の混雑を考えるとチェックインが遅くなることも考えられるとして、チェックインが25時(深夜1時)までという「スマイルホテル西明石」を確保した。素泊まりの格安プランで4200円。

コロナ禍以降、ほっともっとで観戦するのは初めてである。まあ神戸での試合そのものも減っているのだが・・。

総合運動公園駅の改札口ではバファローズの優勝を祝う飾りつけでの出迎えである。

1週間前の京セラドーム大阪では、これからシリーズが始まることへの高揚感が漂っていたと思うが、この日この地にやって来た雰囲気としては「よく帰って来た」「まさか神戸で日本シリーズが観られるなんて・・」という安堵感のようなものを感じた。球団としては京セラドーム大阪の予約が重なったための苦肉の策だっただろうが、結果としてこれまでの球団の歴史を鑑みた粋な計らいとなった。

スロープを上がったところに、「神戸に帰ってきました」「日本一!!神戸で胴上げを勝ち取る!!必勝祈願の酒」の看板がある。清酒大関のブースである。これは景気がいい。また、これからスタンドも冷え込む中で飲むなら日本酒がいいだろう。もっとも、出てきたのは冷やでもなく熱燗でもなく、何だろうな、ちょっと懐にでも入れていたような感じの温度だったが・・。ともかく、これで戦勝祈願である。

この日座ったのは2階席の三塁側。ちょうどスワローズベンチを見下ろす位置である。シリーズでは一塁側から三塁側まで含めて「2階中央指定席」として抽選受付をしており、めでたく当選したのがこの席種だった。一塁側、ネット裏、三塁側は選べないようで、決済して引き換え手続きをしたらこの席だった次第。まあ、第1戦は外野席寄りの三塁側上段席だったので、それよりはずいぶん前寄りになった。これ、下段席ばかり狙っていたら落選して、高値の転売やオークションに頼ることになっていたかもしれない。

11月も終わり、また寒気の影響で球場もかなり冷え込むことが報じられていた。一応、寒さ対策としていろんなグッズを持参してきたが、少しずつ出すことにしよう。

少しずつ暗くなり、周囲の山の稜線もくっきりとする。こういう雰囲気も悪くない。

せっかく神戸で試合をするのだから、例えばかつてのスタジアムDJだったDJ.KIMURAさんが登場するとか、5回裏には花火でも打ち上げればどうかとも思ったが、試合は余計な演出なしのガチンコのようである。第6戦ともなれば試合前のセレモニーもなかった。

さて先発だが、バファローズは第1戦以来の山本、スワローズは高梨である。山本については一部の解説者から「後がないのだから中4日で第5戦に投げさせるべきだ」という声が挙がったが、中嶋監督は無理をせず予定通り山﨑福を先発に送り込んだ。山﨑も期待に応えて試合を作り、結果として第6戦、山本を万全の状態で先発に立てることができた。一方のスワローズには「第6戦には奥川が控えている」という声もあったが、高津監督はシーズン同様奥川に無理はさせず、先発要員としてもう1枚残っていた高梨を送り込んだ。試合展開によっては継投もどうなるかだが、両監督はシリーズ用ではなく、あくまで公式戦通りの正攻法での選手起用である。

毎度ながら前置きが長くなったが、ここから、まさか延長12回、5時間を超えることになるとは思わなかった熱戦が始まった・・・。

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スワローズ日本一おめでとう

2021年11月27日 | プロ野球(バファローズ・NPB)
バファローズファンとしては残念だったが、このシリーズいずれも1点を争う熱戦ばかりだったし、大阪、神戸の両スタジアムで観戦という幸いに恵まれた。

今回ばかりは必勝祈願は及ばなかったなあ・・。

その中でも第6戦は延長12回までもつれた。私も最後まで観戦したが、スワローズのものになった。チーム、そしてファンの皆さん、おめでとうございました。

これで今季の野球観戦は終了。また来季、いい試合を観たいものである・・・。
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西国四十九薬師めぐり~日本シリーズとともに・・・

2021年11月26日 | 西国四十九薬師

日本シリーズ第6戦がほっともっとフィールド神戸で行われることになった。広島から向かうこともあり観戦するのは勝っても負けても第6戦のみだが、大阪、神戸の両方で開催というのも球団統合の時を見た者からしても感慨深いものがある。

そういえば、近鉄とブルーウェーブの統合が決まった2004年の最終戦が行われたのもこの神戸で、確かその時は雨天中止の振替試合だったと思う。平日だが仕事が公休にあたっていて藤井寺から神戸に参上して、近鉄バファローズがなくなることの寂しさ、また一方で仰木監督が引き受けた新たなチームへの期待を持ったものだ。この試合を観たから、その後は楽天イーグルスに走ることなく(こちらを近鉄の後継球団とするファンもいらっしゃる)、またプロ野球観戦を止めることもなく現在に至ったと思う。

さてこれで神戸に行くわけだが、仮に日本シリーズ第6戦が行われなかったとしても関西に行く予定は立てていた。そのお目当ては、西国四十九薬師めぐり。前週には第19番の昆陽寺を訪ね、残りは久安寺、法界寺、醍醐寺、そして結願の延暦寺となるが、もうサイコロは関係なく、西国三十三所めぐりと合わせて京都の2ヶ所をささっと回り、夕方に神戸に入ることにする。宿泊だが、神戸三宮近辺は高級ホテルかゲストハウスくらいしかなく、エリアを離れて西明石に確保した。JRなら遅くまで運転しているのでよほどのことがない限りチェックインも間に合うし、新幹線接続ということで翌日の行程も便利だ。

そして今回投入するのが、「JR西日本どこでもきっぷ」。JR西日本エリアが3日間乗り降り自由、新幹線・特急の指定席も6回まで利用できて22000円。広島~関西を往復するだけでも同じくらいの値段で、そこにプラスアルファすればお得である。27日は京都の札所をめぐってバファローズの必勝祈願、そして翌28日はこのきっぷを活かす行程を組んでみる。

あ、バファローズが27日に勝って第7戦にもつれた場合、テレビ観戦せにゃいかんでしょう。あまり遠くまでウロウロするわけにもいかないな・・・。

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やった、これで神戸に行ける・・・

2021年11月25日 | プロ野球(バファローズ・NPB)
日本シリーズ第5戦も一筋縄では行かない試合だったが、バファローズが何とかものにすることができた。

仕事の都合で出張先のホテルでテレビ観戦したが、スワローズ先制で嫌なところをバファローズが効果的に得点を挙げ、5対2で8回裏を迎えた。マウンドにはヒギンス。

ここで二者連続四球としたところで、山田が文句なしの同点3ラン。思わずテーブルに突っ伏してしまった。

完全に嫌な流れだったが、それを変えたのがジョーンズ。これまで四球か三振かというところ、狙いすましたレフトへの一発。ここでメジャーの底力を見せるとは。山岡の救援も光った。

最後は初登板の平野が何とか抑えた。

その前に、「後がないのだから中4日で山本を登板させるべき」という声もある中で、先発した山﨑福が試合を作ったし、初先発の太田も当たった。いい形で「全員で勝つ」試合だった。

よし、これで試合は神戸にもつれこんだ。スケジュールの都合で神戸開催となったが、ブルーウェーブ以来の日本シリーズということで、オリックス・バファローズとしても新たな歴史になるだろう。

私も駆けつけます。熱戦で何とかタイ、そして逆転日本一を!!
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第20番「医王寺」~広島新四国八十八ヶ所めぐり(太田川ほとりの杉薬師)

2021年11月25日 | 広島新四国八十八ヶ所

日本シリーズは第4戦を終えてスワローズが3連勝、日本一に王手がかかった。1995年のブルーウェーブ、2001年の近鉄と同じく、第5戦・相手の本拠地でこのまま決められてしまうのか。いずれも惜しい試合が続く中、何とか第5戦を取って神戸に戻ってきてほしいものだ・・・!

さて、話はがらりと変わり、そのシリーズよりも前に戻る。11月7日、少し時間が空いたので広島新四国八十八ヶ所の続きである。11月7日だから、日本シリーズはおろかクライマックスシリーズのファーストステージの最中である。

今回訪ねるのは第20番の医王寺。その後は第21番福王寺、第22番真福寺と続くが、これは山登りコースでもあるため時間を取って別に行くことにして、今回は可部にある医王寺だけである。

可部線に乗り、可部に到着。かつては三段峡まで非電化路線が走っていたが1993年に廃止された。しかし、沿線人口の増加や市民病院の移転計画もあり、地元では電化して復活させる動きがあった。それを受けて2017年、可部~あき亀山間が復活。短い区間とはいえ、一度廃止されたローカル線が復活したのは初めてのケースである。

これから向かう医王寺の最寄り駅は、次の河戸帆待川(こうどほまちがわ)である。過去の廃止前にはなかった駅で、復活の際に新たに設けられた。国道54号線を行く路線バスでも近くまで行けるが、同じように行けるなら鉄道利用である。

ホーム1本だけの簡易な造りで、自動改札機が1台あるだけの無人駅である。

駅前には帆をかけた舟のモニュメントが置かれている。その昔、神武天皇が日向から東征した際、安芸に立ち寄った。当時の海岸は現在よりも内陸にあり、当時の海につながる帆待川をさかのぼり、舟山の麓に舟をつなぎ、貴船山に上ったとされる。また可部の町は太田川、根の谷川、三篠川が交わるところで、上流部から運ばれた年貢米などはここに集められ、太田川を通って広島の町に運ばれたという。その意味で帆待川という名前になったとも言われる。

駅前にはホームセンター、スーパーが建ち、周囲も住宅が立ち並ぶ。少し離れて完成間近の安佐市民病院も見える。

太田川の河川敷にほど近いところに小ぢんまりしたお堂がある。ここが医王寺である。地元では「河戸の杉薬師」として親しまれているそうだ。

その昔、この地に一本の杉の大木があった。ところがある時、一夜のうちにこの杉の木が消えうせたことがあった。村人たちが行ってみると大木は数々の仏像になっていた。人たちはこの仏像を携えて高僧に尋ねると、本尊が薬師如来、脇仏として観音菩薩、勢至菩薩、そして十二神将があり、いずれも行基が造ったものだという。人たちはありがたがってこの地にお堂を建てて仏像たちを祀った。その後、この一帯は太田川の洪水で何度も流されたが、仏像たちは生き残って現在にいたるという。

一夜のうちに杉の木が消えうせたかどうかはともかく、別の史料では行基がこの地を訪ねた際、杉の木に吉祥を感じ、そこから薬師如来をはじめとした仏像を彫ったとある。いやいや、さらに行基が訪ねたことも伝説で、行基の教えを受けた治水事業の集団が一帯のインフラ工事を行うにあたり、工事の無事と村の加護を願って薬師如来を彫ったのではないかとも言われている。

お堂は無人の様子だが、境内の庭は掃き清められ、落ち葉もまとめられている。ご近所の方が管理されているのか。さて朱印はということで、用紙が入った箱を探すが見当たらない。その代わり、「医王寺の納経は沖中宅でお受けください」とある。ちょうどお隣の家である。境内の掃除をしているのもこちらのお宅の方なのかな。

行ってみると勝手口の門が開いていて、納経用紙が入ったケースが置かれている。用紙をいただき、朱印代はポストに入れる。

この先は福王寺だが、今回はここで引き返し、河戸帆待川から可部線に乗る。この駅から乗車する人もそこそこいる。車内では5日に就任会見を行ったファイターズの新庄監督の話題で盛り上がる客もいる。広島でも話題になるくらいだからよほどのインパクトである。

来季に向けて3人の新監督が誕生した。長年待望論があり、ようやく実現したドラゴンズの立浪監督。1軍コーチから2軍、3軍すべての指導歴があり、チームの隅々まで熟知していることを買われたホークスの藤本監督。そしておよそ監督とは縁がなく、まさかと思われた新庄監督。それぞれどのようなチームを作り上げるのかも楽しみである。

一方、来季の続投が決まったカープ佐々岡監督に対して、広島の人たちの思いやいかに・・・。

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第19番「昆陽寺」~西国四十九薬師めぐり・45(日本シリーズの第2戦は??)

2021年11月24日 | 西国四十九薬師

11月20日、日本シリーズの第1戦を観た後に弁天町で宿泊。明けて21日は久しぶりに藤井寺の実家に戻る予定である。ただ、朝一番に行く必要はなく、姉夫婦も集まって実家で昼食でも取ろうということになった。

その前にどうするか。せっかくなのでホテルでチェックアウト時間ぎりぎりまでゆったりしてもいいし、その間に第1戦の観戦記をパソコンで書いてもいいかなと思ったが、早めにチェックアウトする。

この20日~21日で予定していたわけではないが、西国四十九薬師めぐりの残り札所のうち、ここから近い第19番の昆陽寺に行くことにする。阪神エリアには昆陽寺と第18番の久安寺が残っているが、この時間を利用して片方だけでもお参りしておくのがよさそうだ。久安寺にしても、次の週末には参詣していることだろうし・・(そのココロは?)。

昆陽寺は伊丹市にある。ルートとしては、梅田から阪急神戸線で塚口、あるいは伊丹線乗り換えで伊丹まで行き、伊丹市営バスで昆陽里まで行くのかなと思っていた。ただ、弁天町起点でスマホで検索すると表示されるのは阪神の尼崎を通るルート。尼崎と宝塚を結ぶ「尼宝線」を通る阪神バスにも昆陽里のバス停があり、寺にも近い。

ホテルにはパンとスープの軽朝食が無料でついているが、前夜、ホテル1階に入っているセブンイレブンでいろいろ買っていたのでそちらで朝食とした後、出発する。まず弁天町から1駅、西九条まで移動して阪神に乗り換える。かつての通勤ルートの再現である。

阪神なんば線で尼崎に到着。ここも懐かしいスポットである。前夜は弁天町に泊まったが、ここ尼崎に泊まってもよかったかなと思う。時間的に一献はなかったとしても、ドームからは阪神1本で来ることができるし、「尼」ならではの雑然とした雰囲気を楽しんでもよかったかな。

さて、昆陽里に向かうバスは東にある杭瀬発ということで、国道2号線まで出た阪神尼崎北バス停から出発する。まずは国道2号線を走る。先月尼崎にて、女性が別れた夫にメッタ刺しにされて殺された事件が起こったが、その現場となったマンションの前も通る。テレビでニュースを見た時、周囲の景色から「あの辺やな」と驚いたものだ。

国道2号線から尼宝線を北上する。この道も何度も通っていて周囲に見覚えがあるが、バスで走るのは初めてである。阪神尼崎から20分あまり走り、昆陽里バス停に到着。ちょうど国道171号線と立体交差している。

国道171号線の歩道を歩き、伊丹市営バスの昆陽里バス停を過ぎる。そのまま行くと地元の人たちが整備している憩いの場がある。その奥に山門が建つ。国道171号線はかつての西国街道沿いで、そのことを記す灯籠も残されている。

寺の北西に昆陽池公園というのがあるが、それも含めてこの地一帯を開拓したのが奈良時代の行基である。伽藍を建て、薬師如来をはじめとした仏像を祀ったのが昆陽寺の始まりとされている。ただ、西国街道沿いにあったからかどうかは別として、その後は戦乱に巻き込まれて焼失と復興を繰り返したという。

その中で近年最大の災禍というのが、1995年の阪神淡路大震災である。確かあの地震では地形のため伊丹でも大きな被害に遭ったはずだ。実際、山門、本堂をはじめとした諸堂も損壊したが、その後見事に復興を果たした。大震災の時も本尊の薬師如来は無事だったそうで、寺ではそれまで秘仏としていたが震災を機に法要の時には開帳するよう変更したという。

まずはその薬師如来が祀られている本堂の前でお勤め。

その後、奥に建つ観音堂や行基堂、鎮守堂などにも手を合わせる。これらの建物も阪神淡路大震災で被災し、3年ほどかけて解体修理が行われた。その寄進に協力した人たちを顕彰した石碑もある。地元の人たちとすればそれだけ親しまれてきた寺院といえるだろう。

境内全体には緑が広がっていて、それをめぐるように四国八十八ヶ所めぐりのお砂踏みがある。境内の前は交通量の多い国道だが、一歩中に入ると静けさが感じられる。その代わり何やらパチパチと落ちるような音がするが、どんぐりか何かかな。

納経所に向かう。本坊の庭の外に木の扉が閉ざされているが、インターフォンを鳴らすと中に入るよう案内があった。薬師めぐりはバインダー式の朱印用紙をいただくスタイルで、バインダーがなくても四十九薬師のバインダー式といえばその用紙をいただける。急に思い立ってやって来たが、これでよかったと思う。

この結果、2019年6月、改元直後に始めた西国四十九薬師めぐりもようやく残すところ4ヶ所となった。第18番・久安寺、第38番・法界寺、第39番・醍醐寺、そして第49番の延暦寺である。久安寺は近く機会を設けるのでその時参詣するとして、洛南の2ヶ所、そして延暦寺は一気に行っていいかなとも思う。まあそこは追々考えることにしよう。

ここを訪ねることがメインならば、少し足を延ばして昆陽池公園に行くとか、池田まで行って久安寺も一気に参詣するところだが、この日は昼食に合わせて実家に戻ることにする。同じ阪神バスで尼崎まで戻り、阪神~JR~近鉄と乗り継いで藤井寺に向かう。

・・・さて、実家で少しばかりの時間を過ごした後、広島に帰宅すべく大阪駅に出る。今回選んだのは高速バス「グラン昼特急5号」。大阪を16時に出発して、広島へは5時間余りかかる。その移動中と日本シリーズ第2戦の時間は被るのだが、それも致し方ないと割り切る。

阪神高速の工事の影響で福島入口に入るのに時間を要したが、その後は順調に走る。進むうちに日本シリーズの試合開始となり、スマホのサイトで逐一情報を入れる。

この後は途中の休憩を挟みつつ、ただ試合のほうは途中で終わった。

第2戦はバファローズ宮城、スワローズ高橋といういずれも若手投手の先発で、終盤まで投げ合いとなった。8回に青木が放ったヒットが先制、そして決勝のタイムリーとなり、2対0でスワローズが勝利した。スワローズの高橋がプロ初完封を日本シリーズの場で達成し、対戦成績は1勝1敗となった・・・。

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観戦記・日本シリーズ第1戦バファローズ対スワローズ!

2021年11月24日 | プロ野球(バファローズ・NPB)

前の記事では野球観戦と西国三十三所めぐりを無理やりくっつけた内容となったが、いよいよ試合開始である。第1戦の先発はバファローズ山本、スワローズ奥川。

実際に現地で観戦するとテレビの実況を耳にするわけではなく案外静かなものだが(鳴り物応援がないせいもある)、それでも1回表を迎えると緊張と興奮が伝わって来る。

スワローズ打線も初回から塩見、青木、山田と好打者が続くが、まずは山本が三者凡退に抑える。

そして1回裏、先頭の福田がセンターへのヒット。宗の内野ゴロで進塁し、吉田正、杉本とチャンスを迎えるがあと1本が出ない。

2回表、山本対村上という、両リーグのMVP最有力どうしの対戦。ここはセンターへのヒットで村上に軍配。その後、宗のエラーもあり二死一・二塁とされるが、この回のアウトはすべて三振でピンチを逃れる。

2回裏はバファローズがラベロの四球、紅林のヒットで同じく二死一・二塁として、若月の打球はライトへの大きな当たり。よっしゃ先制点!と思ったが、ライトの宮本がナイスキャッチ。宮本はその後フェンスにぶつかりうつ伏せに倒れこみ、場内も心配な空気となるがしばらくして立ち上がり、全体から大きな拍手が起こる。さすが日本シリーズだ。

この日の山本は本調子でなかったか、3回も塩見、青木のヒットで一死一・二塁とされる。しかしここで立ちはだかるのも山本で、山田、村上と連続三振に打ち取る。ただここまででも結構球数を要しており、公式戦最終戦やクライマックスシリーズでの圧倒的な投球と比べてしまうと・・。

一方の奥川も山本に一歩も引けを取らない投球を見せる。5回裏には二死一・二塁で吉田正を迎え、センターへの大きな飛球を放つも、もう一伸び足りなかった。前半を終えて0対0。

均衡が破れたのは6回表。山田、サンタナが四球で出塁し、続く中村がセンター前にタイムリーを放つ。1対0でスワローズ先制で、私の周りでも一斉にビニール傘が開く。普段スワローズの試合を観ることがないのでアレだが、最近のビニール傘は持ち運びに便利なサイズも広まっているのだな・・と変なところで感心する。

それにしても、シリーズ前は「山本で2勝は間違いない」という声すら挙がっていたのだが、スワローズ先制、バファローズ打線が沈黙という、これまで何度も目にしたような展開となる。結局山本はこの回までで、被安打5、9奪三振と好投だったが、球数がかかりすぎた。そこはスワローズが粘りを見せたといえる。

先制点をもらった奥川は6回まで無失点のまま、7回裏を迎える。若月のところで代打・モヤ。どうかな・・と見ていると右中間へ打った瞬間それとわかる本塁打。これで1対1、周囲では先ほどのスワローズ先制時以上の拍手が起こる。これで少なくとも山本の負けはなくなった。

ただ喜んだのもつかの間で、8回に登板した3人目のヒギンスがつかまってしまう。先頭の山田がヒットで出塁し、続く村上がバックスクリーンへ2ランを放つ。またもビニール傘の花が咲く。8回表で3対1というのは正直厳しく、これで第1戦は決まったかなと思う。奥川が投げて、村上が決勝2ラン・・・スワローズとしてはこれ以上ない滑り出しだろう。

続くサンタナの打球もライト前へ・・と思ったが安達が回り込み一塁へ送球、アウトの判定。ここで高津監督から物言いがつき、ビデオ判定。スクリーンでも微妙なプレーだったが、結果は軍配通りアウト。ヒギンスがこの後もピンチを迎え、何とかしのいだだけにこのプレーは大きかった。

奥川は7回1失点の好投で、8回から勝ちパターンの清水が登板。バファローズは二死一・二塁と同点のランナーを出すが、ラベロが見逃し三振。さすがにこのチャンスを逃したのは痛く、時間が押していたこともありここで席を立つ人も出た。

リードを許したまま9回表ということで出たのは比嘉。塩見、青木、山田をきっちり抑え、いよいよ9回裏である。何とか1人、2人とランナーを貯めて中軸に回したい。スワローズのマウンドには抑えのマクガフ。

先頭の紅林が執念でライト前にヒットを放つ。続く代打はジョーンズだが、あっさりと追い込まれる。ただここから粘り、最後はマクガフが名前負けしたか?四球を選ぶ。無死一・二塁。

続く福田だが、送りバントか。いやいや、クライマックスシリーズの再現で強打、バスターか。もし送ったとして、スワローズは次の宗と勝負するか、それとも当たっている宗との勝負を避けて吉田正と勝負か。福田はバント。マクガフが処理して三塁へ送球。タイミングはアウトだったが、村上が上手く捕れずにセーフ(記録は野選)。無死満塁という願ってもいない形となった。

ここで宗、センター前へ2点タイムリー。一気に3対3の同点となった。スタンドの空気もガラッと変わった。公式戦と異なり、日本シリーズでは同点の場合延長12回まで行われるが、何だかこの回で決まりそうな気がした。

そして最後は吉田正がセンターの頭上を越す当たりを放ち、4対3でサヨナラ勝ち。まさかまさか、こういう結末になるとは。三塁側スタンドでは歓喜と落胆が入り混じり、スワローズのユニフォームをあっさりと脱いでそこそこに席を立つ人の姿も目立った。

9回裏の攻撃はまさに「全員で勝つ」が現れた。8回に村上の一発が出た後も、選手たちは誰一人としてあきらめていなかったそうで、ファンの私のほうが恥ずかしい限りである。

ちなみに日本シリーズの初戦でサヨナラ勝ちというのは8度目という。その中で印象的なのは1992年のスワローズ対ライオンズ戦で、スワローズの代打・杉浦が放った満塁本塁打だが、この日の9回の攻撃は私の中ではそれ以上のものになった。また、過去の日本シリーズを通して40度目のサヨナラ勝ちだが、2点差を逆転してというのは71年ぶりとのことだ。71年前・・第1回の日本シリーズ、松竹ロビンス対毎日オリオンズ以来という。大変な試合を観戦したものだ。

興奮冷めやらぬまま大正駅に出て、弁天町の「ポルタイン弁天町」に戻る。どこかの居酒屋で祝杯を挙げてもいいが、さすがに時間も遅いし、部屋で一人かみしめながら乾杯とした・・・・。

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第22番「総持寺」~西国三十三所めぐり3巡目・31(日本シリーズの必勝を祈願)

2021年11月23日 | 西国三十三所

11月20日、いよいよ待ちに待った日本シリーズの初戦である。全国的に見てこのカードの注目度がどのくらいかはわからないが、チケットは争奪戦になったし、特に第1戦、よく当選したものだなと思う。「WEST EXPRESS銀河」のツアーとどちらの倍率が高かったか。

これに合わせて、昨年の広島異動以来初めて実家にも顔を出すことにしたが、試合はナイターである。また、日本シリーズはセレモニーやら何やらで試合開始が遅く、その分終了も遅くなるのかなと想像していた。そのため、試合後の移動時間を考慮してこの日は実家には泊まらず、ドーム近隣で1泊することにした(実家なのだがいろいろ気を遣う)。

さて当日、午前中の所用を済ませた後、広島11時12分発の「みずほ604号」で新大阪に移動。車内の指定席も満席に近かったし、到着後の新大阪の人出も少し前とは比べ物にならないくらい増えている。

新大阪に到着したのは12時38分。もっとも、このまま直接大正に向かったのではいくらなんでも早すぎる。

そこで・・・ということで組み合わせることにしたのが、西国三十三所・西国四十九薬師霊場の札所めぐりである。いずれも残る札所はわずかになったが、今回選んだのは西国三十三所第22番の総持寺。西国三十三所の3巡目でまだ残っていたところだ。前回のサイコロの出目は2者択一のうえで洛南エリアの札所だったが、もうここまで来ればどちらが先でも一緒、ならば今回新大阪に近いほうで総持寺に行こうと、自宅を出る時に決めた。荷物に先達用の納経軸と輪袈裟が増えた。

総持寺の最寄り駅は長らく阪急京都線の総持寺だったが、2018年、茨木~摂津富田間に新たにJR総持寺駅ができたことで、JRからのアクセスが格段によくなった。別に寺があるから駅が新設されたわけではなく、周辺の開発が進む中、茨木~摂津富田の駅間距離もそれなりに開いていたことによる各駅停車しか停まらないが、それでも新大阪から15分で行くことができる。

新大阪駅のコインロッカーに大きな荷物を預けてから向かおうとしたが、改札内、駅東口方面はどこも空きがない。そのため、快速で茨木まで先行し、いったん改札を出て外のコインロッカーに荷物を収める。茨木から改めて1駅分乗るので電車代が余分にかかるが仕方ない。

JR総持寺に到着。ここから寺までは歩いて5分ほどのところだ。試合観戦の前に札所めぐり・・・私としては必勝祈願のつもりである。

今季、京セラドーム大阪では公式戦2試合観戦しているが、それぞれその前には6月に高野山&粉河寺、10月に四天王寺に参詣し、その後の試合はいずれもバファローズが快勝している。大阪で必勝祈願なら同じ西国三十三所でも勝尾寺ではないのかという方もいらっしゃるかもしれないが・・。

総持寺の山門に着く。前回来た時と少し様子が異なり、何やら新しい建物もできている。「ポタラ」というカフェで、2019年にオープンしたそうである。数量限定でランチメニューもあるが、「山蔭流」の料理人の手によるものという。

この「山蔭」とは、総持寺を開いた藤原山蔭のことで、新たな庖丁式(料理作法)を定めたことから料理人の信仰を受けている。今年はコロナ禍のため中止されたが、毎年庖丁式を披露する儀式が行われている。

さて、本堂でお参り。般若心経、観音経偈など唱え、最後にバファローズの日本シリーズ勝利を祈願する。総持寺の千手観音が受け入れてくるかどうか・・。

この後境内を一回りして納経所へ。西国曼陀羅の六角形の台紙にはすでに朱印が入っている。この台紙も残り2枚でコンプリートだが、果たしていつのことやら。

高野山の遥拝所がある。弘法大師像にも願掛けだ。

これで総持寺を後にして、茨木で宿泊用のバッグを回収した後に大阪から環状線に乗り換える。

やって来たのは弁天町。駅前ロータリーのすぐ近くの「ポルタイン弁天町」にチェックインする。早いタイミングでの予約だったので安価に泊まることができた。時刻はチェックイン開始の15時だが、すでに何人か手続き待ちである。中にはスワローズの応援グッズを仕込んでいる人もいる。東京から遠征に来たのかな。

部屋はダブルルーム。バスルームも広めで、試合後はゆっくり休めそうだ。

また1駅ぶんの電車代がかかるが、大正に移動。ホームには優勝を祝うポスターも掲げられている。

ドームに移動。この試合には「ワクチン検査パッケージチケット」というのが発売されていて、専用の受付ブースも出ていた。今後の社会実験の一環で、ワクチン接種証明またはPCR検査陰性証明があることを条件として、隣同士の間隔を空けずにチケットを発売、入場させるものである。この第1戦は内野の上段中央指定席、1塁側の上段内野指定席がその対象で、通常の抽選発売とは別枠での抽選だった。抽選発売を申し込んだ時、このエリアのチケットが選べなかったのは別枠抽選だったからである。

入場前にオフィシャルショップをのぞいたが、ここは満員、レジにも行列ができている。日本シリーズの記念グッズも豊富にあり、またバファローズとスワローズのコラボグッズも限定販売されている。バファローズの「全員で勝つ」と、スワローズの「絶対大丈夫」のチームロゴと文字が裏表に印刷されていたり。ペナントレース終盤、両チームのこの言葉が大きな支え、力になったことである。

さて、私が今回観戦するのは3塁側の上段内野指定席。観戦するならグラウンドに近い下段の席がいいのだが、当然競争率も厳しいだろう。安全策ではないが、上記の事情も踏まえてあえて3塁側上段席を上位の希望に持って来たのが今回功を奏したのかなと思う。内野席といいつつ外野席のほうが近いのだが、グラウンドをこの角度から見るのもなかなか新鮮である。この後少しずつ観客が入って来るが、バファローズ、スワローズのファンが半分ずつ混在するところである。後でも触れるが、スワローズの得点時には周囲からも数多くのビニール傘が広げられた・・・。

日本シリーズの開幕前のセレモニーはどんなものか。確かに大型ビジョンには日本シリーズのロゴや、スポンサーである三井住友銀行のCMも流れるが、感覚としては通常の公式戦と大きく変わった演出はなかったように思う。

その中で毎年恒例なのが、木製バットの原料となるアオダモの植樹セレモニーという。バファローズから杉本、紅林の両選手が代表で参加していた。

さすがにメンバー紹介は改まったもので、まず両軍ともコーチ、ベンチ入り控え選手が一人ずつコールされて登場し、その後でスタメン発表を兼ねて1番から順に登場する。そして最後に監督が登場。両チームが揃ったところでそのまま国歌演奏。

このシリーズでは予告先発は採用しない取り決めだが、バファローズの先発は中嶋監督が「予告」した山本。そしてスワローズは奥川。奥川については、スワローズ側が組み合わせ、今後の勝ち星を計算してあえて第1戦の先発を見送るのではないかとも言われていたが、スワローズ高津監督もここは正攻法で来たようだ。ひょっとしたら山本を攻略して、奥川が勝ち投手になれるかもしれない。そうすればスワローズとしても一気に勢いづく・・という計算もあったようだ。

予定の18時を少し回ったところで試合開始。この後、最終回での劇的な逆転サヨナラ勝ちという結果になったが、その試合の様子は次の記事にて・・・。

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日本シリーズ初戦はえげつない試合でバファローズ劇勝!!

2021年11月20日 | ブログ
現地観戦していたが、えげつないほどの逆転勝ち!!

正に「全員で勝つ」。

あまりの興奮に、今夜は観戦記は書けそうにないです。

明日からも勝利を願いましょう!!
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さていよいよ日本シリーズ開幕

2021年11月19日 | プロ野球(バファローズ・NPB)

いよいよ20日からオリックス・バファローズ対東京ヤクルトスワローズの日本シリーズが開幕する。今季の開幕前、誰がこの組み合わせになると予想しただろうか。

阪急(1978年)、ブルーウェーブ(1995年)、近鉄(2001年)・・いずれも日本シリーズではヤクルトの前には敗れた歴史がある。阪急の時は上田監督対広岡監督で、第7戦の大杉選手の本塁打の判定をめぐって上田監督が1時間以上抗議したが覆らず敗戦。ブルーウェーブの時は仰木監督対野村監督で、小林対オマリーの14球はあったもののイチローが野村IDの前に抑えられ敗戦。そして近鉄の時は梨田監督対若松監督で、いてまえ打線が古田の頭脳の前に封じられ完敗。その後球団合併を経たオリックス・バファローズとしては、格好の相手ではないかと思う。

2001年の時は1回目の広島勤務時で、その時は発売開始と同時に予約専用電話をひたすらかけまくって、何とか大阪ドームの第1戦のチケットを取った。ようやく取れたのはレフト側の上段席。その第1戦、今は亡き知人と連れだって観戦したが、現在楽天監督の石井一久に完全に抑えられ、前DeNA監督のラミレスにも本塁打を浴び、7対0でヤクルトの完勝。いてまえ打線もわずか1安打に封じられた。今でも苦い思い出である。

そして2021年、今回はネットによる事前抽選である。ファンクラブ先行抽選には落ちたが、その後の一般抽選で希望した第1戦、第6戦いずれも当選する幸運に恵まれた。内野上段席を希望したのがよかったのかもしれない。

それにしても、コロナ禍によるものとはいえ開催球場の設定も独特である。第1戦、第2戦の京セラドーム大阪は順当として、本来なら神宮で行われる第3戦~第5戦が、明治神宮野球大会を優先させるために東京ドームに変更。そして第6戦、第7戦はほっともっとフィールド神戸である。大阪で先にコンサートの予定が入っていたからだが、ブルーウェーブ時代からのファンは「神戸での日本シリーズ」というのは喜ばしいことだろう。何が幸いするかわからない。

私にとっては20年ぶりの日本シリーズ観戦である。こうなると神戸での開催を願って4勝2敗、4勝3敗でバファローズの日本一が理想だが、ともかく球場の雰囲気を楽しむことにしよう・・・。

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東城の町を歩く・・あのプロ野球選手の実家も

2021年11月18日 | 旅行記F・中国

庄原ライナーで行く庄原ツアー、メインの帝釈峡・神龍湖の遊覧船の後は東城に向かう。帰りの高速バスが16時21分発で、その間が町並み散策の時間である。東城はこれまで芸備線や中国自動車道で通過したことはあっても、この町そのものを訪ねるのは初めてである。

まず立ち寄ったのは、道の駅遊YOUサロン東城。ガイドの熊本隊長によると、庄原市はリンゴの栽培で有名なそうだ。広島でリンゴというのも意外だが、北部の高野町もそうだし、芸備線の駅名にもなっている小奴可も産地だそうだ。

ここで小休止の後、東城の町に入る。その時に強調されたのが、日本の高度成長を支えたある企業の工場である。「ヤマモトロックマシン」という削岩機、産業機械のメーカー。先ほど訪ねた帝釈峡の神龍湖のも携わったが、当時外国製に依存していた削岩機の国産化を実現した企業である。その削岩機はその後国内のさまざまなダム、トンネルの掘削でも活躍し、ひいては日本の高度成長を支えたとも紹介される。

現在もメーカーとして健在だが、その一角にある旧自治寮は登録有形文化財で、独身寮、家族寮の他に食堂や娯楽室も設けられ、地元のコミュニティの中心だったという。今回は時間の都合で車窓見学である。

東城は室町時代、宮氏が五本竹城を築いて開かれたところだが、後に西に新たに大富山城というのが建てられた。以後、東城、西城という現在の地名につながっている。江戸時代には広島浅野家の分家が治める地となった。また、周辺は鉄の産地ということで鉄が集まり、馬や水運を使って各地に運ばれた。

バスは町並み保存地区に入る。バスが停まり、訪ねたのは北村醸造場。創業200年あまりという。「菊文明」という銘柄を扱っており、いくつかの銘柄の試飲をさせてくれる。合鴨農法で栽培された米と帝釈の水からつくられた一品という。ツアーの人たちも酒好きが多いのか、次々と試飲である。中にはお買い上げの方も。

とりあえず熊本隊長の引率で通りを歩く。広島では有名な竹屋饅頭の本店前などを過ぎ(「帰りに買ってください」とのPRも欠かせない)、赤酢が有名という後藤商店に到着。明治から続く酢の醸造元で、昔ながらの製法を守っているという。店内には全国特産品博覧会の名誉総裁を務める大隈重信の名が入った表彰状も掲げられている。赤酢の他にもポン酢も扱っていて、普段使いできるかなと買い求める。こうした買い物は町並み散策の楽しみで、ツアーとしても地元商店のPRにつながるものである。

そんな中、熊本隊長から「この中で、野球好きな方いらっしゃいます?」と声がかかる。私を含め何人かの手が挙がる。「うわ、こんなに手が挙がるとは思わんかった」としつつも、この先にあるプロ野球選手の実家があるので案内するという。後藤商店でツアーもいったん自由散策となり、私を含めて5人が熊本隊長に連れられてもう少し歩く。これが1人や2人だったら、道だけ案内して自由に行ってもらうとのことだが。

そのプロ野球選手とは、横浜、中日で活躍、中日では兼任監督も務めた谷繫元信。表札にもずばりその名前が書かれている。実家は喫茶店を営んでいたそうで、今は「谷繫元信球歴館」という看板がかかっている。扉は閉まっているようだったが。

東城出身だが、高校は島根の江の川高校(現・石見智翠館高校)、そしてドラフト指名時もカープが1位指名したのは野村謙二郎。谷繁は大洋の1位指名で、結局広島、カープには縁がなかったわけだが、名球会にも入り、通算出場試合数3021はNPB記録となった。中日の兼任監督としては好成績を挙げられなかったが、年齢的にまたどこかでユニフォームを着る機会はあるのではないかと思う。

ここまで来たついでではないが、先ほど車窓で見たヤマモトロックマシンの旧自治寮も近いということで案内される。先ほどバス車内での熊本隊長の案内も、東城が誇る企業として熱が入っていたように思う。

自由散策の集合時間となり、バスで東城駅に到着。広島までの高速バスのチケットを渡される。ツアーとしてはここで解散である。

列車は来ないが、時間があるので駅をちょっとのぞく。時刻は16時を回ったところだが、もう列車だけでこの日のうちに広島に行くことはできない。19時04分発の備後落合行きがあるが、終点からの連絡はない(折り返して東城に戻ることはできるが)。かろうじて、17時09分発の新見行きに乗り、新見から伯備線で倉敷に出れば、山陽線に乗り換えて鈍行だけでも広島に戻ることができる。同じ広島県といっても、JRとしては岡山支社の管轄で、何となくそちらのほうにつながっているようだ。

ツアーの20人ほどの客に加えて、地元の利用客も駅前で列をなす。地元の人たちにとっては「何この団体?」かもしれない。

そしてやって来た16時21分発の広島行きだが、すでに先客が何人か乗っている。先ほど帝釈峡の神龍湖の遊覧船で見覚えのあるカップルもいる。備北交通の高速バスは東城駅が発着地だが、紅葉シーズンの土日の1往復は神龍湖まで「帝釈峡ライナー」として延長運転しているそうだ。JRの「庄原ライナー」よりもさらに奥に突っ込んだ形で、その辺りの柔軟性はバス会社ならではである。

さて、東城駅からの乗客で座席は満席となり、補助席も使われた。まずは町中を回り、中国自動車道に乗る。なおこの便には先ほどガイドの仕事を終えた熊本隊長も1乗客として乗りこんだ。庄原までこれでお帰りのようで、車内ではスマホの写真やメモ帳(ネタ帳?)をいろいろチェックしていた。私の斜め前なのでそうした様子が目に入るのだが、本日のガイドについて頭の中で整理しているのだろう。お疲れさまでした。

備後庄原駅に到着。駅前にはもう1台バスが停まっていた。東城駅を出発した後、運転手が無線で続行便を要請していた。この先庄原や三次での乗客も見込まれ、東城で補助席を使うようでは積み残しになるという判断である。そちらのバスは数人しか乗っておらず、ここまで通路側で横の補助席にも客がいる状態だったから、続行便のほうに移った。最前列の席に座ることができて、かえってゆったりできた。

ただ不思議なことに、この続行便が先行して途中の停留所では乗客を拾っていったが、もう1台の姿が見えなくなった。三次でもその姿は見えず、結局広島バスターミナルに着いてもわからなかった。まさかノンストップで走ったか、あるいはもっと遅かったか?そこだけモヤッとしたが、結局備後庄原駅からはゆったりとバスに揺られることができ、別に定刻に遅れたわけではないので別に問題なかった。

さてこの熊本隊長がガイドする庄原ツアー、この先もさまざまなイベントが企画されるところである。広島県北の面白さをPRするものとして、これからもチェックしていきたいところ。あと、芸備線も気になるところで、地元が協賛金を募って実現した「カープ列車」の車両を使ったイベント、ツアーもやってもらいたいものである・・・。

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帝釈峡・神龍湖をめぐる

2021年11月17日 | 旅行記F・中国

11月3日に参加した「庄原ライナー」で行く庄原市の名物ガイドとの現地日帰りツアー。貸切バスは下帝釈の神龍湖の遊覧船乗り場に到着した。

到着前の確認電話で「いちばんええ舟を取っといてくださいよ」と、ガイドの熊本隊長がアピールしていたが、特に忖度が働くこともなく、通常の乗り合い舟に乗り込む。神龍湖を約40分で周遊するが、遊覧船は入口で靴を脱ぎ、畳の上に座るタイプだ。開閉可能な窓がついているが、写真を撮る客のことを考えて窓の開閉は譲り合ってと呼びかけられる。熊本隊長は舟の最前部に陣取り、「右手に見えますのは・・」「左手に見えますのは・・」の案内があるとその方向を指し示すという。

この日はちょうど紅葉も見ごろになったという。

一口に帝釈峡といってもエリアは広く、鍾乳洞や渓谷の浸食作用でできた雄橋に代表される上帝釈(庄原市)と、神龍湖が広がる下帝釈(神石高原町)にまたがる。私は以前の広島勤務時に帝釈峡を訪ねたことがあるが、こうして並べると、その時に訪ねたのは上帝釈のほうだった。神龍湖は初めてで、それこそ20年ほどの歳月を経て下帝釈も訪ねたことになる。

この神龍湖は人造湖である。高梁川水系、成羽川支流の帝釈川に建設されたダム湖で、中国地方では古い1924年に完成した。その形が上から見ると龍の形に似ていることと、当時の神石町の名前から神龍湖と名付けられた。ダム湖とは知らなかった。

その周囲にはダム以前からの奇勝なのか、さまざまなスポットが見える。一般の乗船客も多い中、舟の全部に陣取っている熊本隊長が案内放送のたびに手でその方向を指し示し、「正面に見えますのは・・」というと正面を指す。そして扉を開けて船首に立つ。スマホで撮影しているようだ。なるほど、この位置でなければ撮れないアングルもあるわけで、これもこの日のツアーの様子、さらには以後のツアー客へのお知らせになるのだろう。

ダムのゲートの手前で折り返し、再び神龍湖を周遊する。一応周遊コースのため、多少の遠近差はあるものの、往復の中で席を立たずとも両側の景色を楽しめるところだ。

紅葉といっても湖の周囲が一面真っ赤に染まるわけではなく、むしろ淡い黄色などが目立つが、樹木の種類にもよるのだろう。ただ、同じ広島の県北で一足早い季節の訪れを多少なりとも感じられたことはよかったと思う。

40分の遊覧船の時間もあっという間だったが、このツアーのメインイベントとして訪ねることができてよかった。普段の公共交通機関利用だと、備後庄原駅まで「庄原ライナー」で来たとしても、その先の行程は限られたものになったことだろう。

再びバスに乗り込む際、遊覧船の運営会社からのプレゼントということで袋入りのこんにゃくをいただく。結構大ぶりなこんにゃく玉で、これからの時季だと適度な大きさにちぎって鍋で豆腐や厚揚げなどと一緒に炊こうか、それとも牛肉や野菜、それに里芋を加えて「芋煮風」に仕立てるか。こうした健康食品は独身自炊生活にはありがたいものだ。

さて、貸切バスは神龍湖から東城まで北上する。帰りの高速バスの時間まで限られているが、それでも東城の道の駅での買い物タイム、そして東城の町並み散策(店にも立ち寄るそうだ)をこなすというから目一杯詰め込みの庄原ツアーである。自治体としては同じ庄原市内だが(今回は一部神石高原町も入ったが)、同じ市内といっても限られた時間内での移動距離は半端ないものがある・・・。

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「庄原ライナー」で行く県北への日帰りツアー(2021年も参加しました)

2021年11月16日 | 旅行記F・中国

今年も秋のシーズンに合わせて、芸備線の「庄原ライナー」が、広島~三次の快速1本を備後庄原まで延長する形で運転されている。緊急事態宣言も解除されており、これを受けて庄原市、庄原観光推進機構が主催しての各種日帰りツアーが企画されている。昨年はこのうち、庄原ライナーと熊野神社、そして備後落合駅から木次線のスイッチバック体験というコースに参加した。広島に転居して間もない頃だったが、久しぶりに広島県北を訪ね、ガイドからさまざまな話を聴くこともできた。木次線に乗ることができたのも大きい。

そして今回、同じ木次線コースも設定されているが、別のコースが目に留まった。備後庄原を出発し、かんぽの郷庄原での昼食は同じだが、帝釈峡(下帝釈)の神龍湖の遊覧船での紅葉見物と、東城の町並み散策というものである。いずれもこれまで訪ねたことがないスポットで、東城にしても芸備線や中国自動車道で通過はしているものの、町中に入ったことはなかった。日帰り9800円だが、往復の交通費(復路は東城駅からの高速バス)、庄原からの貸切バス代、昼食代、神龍湖の遊覧船、ガイド費となるとこのくらいで妥当なところだろう。

さて、出発の数日前に最終旅程案内、広島~備後落合の乗車券が自宅に郵送されてきた。乗車券の金額が16900円とあり一瞬ドキッとするが、これは回数券をバラで配付したものだ。その中に、芸備線三次~備後落合~新見での臨時便運行に関するJRからのお知らせも入っていた。10月23日~12月5日の土日祝日限定で、ちょうど冬の青春18きっぷの期間前までである。自治体と連携した芸備線利用促進策の一つというが、ただこれで目立った効果がないとなると、また部分廃止の話もちらほら出るのかなと思う。

11月3日、10時05分発の「庄原ライナー」に乗るべく広島駅に向かう。キハ47の2両編成のボックス席はすでに先客で埋まっていて、ドア横のロングシートに腰掛ける。お出かけスタイルの人も目立ち、同じツアーに参加する人たちに見える。

天気のよい中、北東方向に走る。下深川から先は快速運転ということで途中の小駅は通過するため、結構スピード(と揺れ)を感じる。

三次に到着。ここで下車する人が多い。3分停車の間に先頭部に「庄原ライナー」のヘッドマークがかかる。この先、備後庄原まではノントップで走る。三次~庄原間は路線バス、高速バスの両方が走っているし、本数も圧倒的に多い。広島からの利用客を見越してのことだが、こちらも高速バスが走っている。

11時56分、備後庄原に到着。ツアー参加のほか、一般の観光で来た様子の客がほとんどである。改札口では名物ガイドの熊本「隊長」がお出迎えで、ツアー参加者は待合室で受付を行う。また一般の観光客にも、市内のコミュニティバスの案内があった。個人で帝釈峡などに向かうのかな。

貸切バスに乗り込んだのは20名あまり。一人参加は私だけのようで、あとはご夫婦、カップル、友人連れ、家族連れ、子ども連れ。まずは昼食会場であるかんぽの郷庄原に向かうが、遊覧船の時間の関係で滞在時間は40分しかない。「庄原ライナーがちょうど昼前に着くので、どうしても後のスケジュールが慌ただしくなって・・」とは熊本隊長。東城からの帰りの高速バスの発車が16時21分(これが最終)で、その時間までに観光スポットを消化しなければならないから結構慌ただしくなるようだ。芸備線だけでなく、地元の備北交通バスの利用活性化の一つでもあるので・・・。

かんぽの郷に着き、早速昼食である。メニューは松花堂弁当で、これなら食べるにもそれほど時間はかからない。食事を終え、ほとんどの人が土産物コーナーをのぞく余裕もあった。

さてこのかんぽの郷、昨年来た時にも日本郵政から庄原市への事業譲渡の話が出ていることに少し触れたと思うが、それから1年経つ中、正式に庄原市が取得して運営管理を行うことが決まったそうである。それにともない、今年の12月中旬でいったん閉館し、改修工事を行っって来年の春を目標にリニューアルオープンするとあった。県内ながら一度泊まりに来てもいいし、日帰り入浴でもまた来たいものだ。

13時、貸切バスで帝釈峡を目指して出発。のどかな車窓を見ながら、熊本体調のガイドを聞く。ところどころに親父ギャグが入る。テレビの取材なども受け、自らもYouTubeでの動画配信をするだけあってお手のものだ。庄原および周辺エリアのツアーとなるとほぼ間違いなく隊長がついてくる。

国道432号線から県道23号線に入る。熊本隊長から「日本ピラミッド」の案内がある。葦嶽山という山だが、昔から神武天皇陵と言い伝えられていたそうで、どの方向から見ても三角形に見えることから日本ピラミッドと呼ばれるようになったという。パワースポットということでたまにテレビの企画でタレントも来るそうで、その時も熊本隊長がガイドを買って出たとか。

神石高原町に入る。この日の天気は晴れの予報だったが、山間に入るといわゆる「天気雨」になった。この先大丈夫だろうか。また道幅が狭い道路に入るが、対向車も多い。「10年分くらいのクルマがいっぺんに通ってます」と隊長は言うが、やはりここは庄原方面からの最短ルートなのだろう。

帝釈峡スコラ高原荘を通る。

幸い通り雨だったようで、帝釈峡に着く頃にはまた回復した。駐車場は多くのクルマでごった返している。さてこれからこの日メインの神龍湖の遊覧船である・・・。

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第5回九州西国霊場めぐり~最後は熊本の食を再び。そして衆議院総選挙は・・?

2021年11月15日 | 九州西国霊場

九州西国霊場めぐりからいよいよ帰るが(ようやく記事もここまで来た)、新幹線の出発までまだまだ時間があるので熊本駅前で過ごす。

どこか一献できるところ・・とコンコースに出ると、「駅から百八歩横丁」という甲板を見る。百八歩で行けるかどうかはともかく、それだけ近いところだろう。果たして、何軒かの飲食店が軒を連ねている。駅のリニューアルに合わせて新しく開業したスポットのようだ。

そのうちの一つ「牛深水産 マルヒロ食堂」で店員が呼び込んでいる。いったん通り過ぎるが、他の店と見比べたうえで、飲み放題ありのほか、牛深の文字に引かれた。牛深とは天草にある熊本県最大の漁港で、今回天草まで行くことはなかったが、せめて海産物で楽しむことにしよう。

まずは魚の刺身の三種盛りを注文したら、サービスでもう一種ついてきた。赤魚、シマアジ、真鯛、カンパチ。サーモンで品数を稼ごうとしないところ(これは私の勝手な見立てだが)がさすがだ。

魚も美味いが、やはり馬刺しは欠かせない。値段はそれなりに張るが・・。スマホを見ると、赤身と白いたてがみと一緒に食べるとよいとある。ちょうど肉の旨味と脂の甘味が混ざり合って、霜降り、大トロの味わいだという。これはたまらんわい。

しゃくみそというのがある。しゃくとはシャコの仲間で、以前に食べた時は単に呼び方の違いなのかなと思っていた。しかし厳密には別種の生物のようで、シャコが海の深いところに棲んでいるのに対して、しゃくは有明海の干潟の泥の中に生息している。頭や殻も軟らかく、まるごと食べられる。しゃくみそは、しゃくの頭のとげと脚を除いて残りをすりつぶしたものだ。これはいける。今思えば、駅で瓶詰めでも買って帰ればよかった。

他には、鰹の腹身の燻製。テーブルに出された後、店員がガスバーナーでちょいとあぶる。燻製にすることで臭みを取り、旨味をぎゅっと閉じ込めて日持ちも効くという。これも、駅の特産物コーナーで売っていなかったか?

ビールの他にはデコポンや天草晩柑のチューハイをいただく。飲み放題の元は取れたはず。

これで満足して駅に戻る。コンコースには何やら仮装した人もいるし、外の暗闇で物陰で着替えをする光景も見る。セーラー服に身を包んだ男子生徒が駅前を駆け抜ける。ああそうか、今日(10月31日)はハロウィーンだったな。

熊本19時25分発の「さくら572号」に乗る。広島までは2時間弱。

乗車して30分あまり、衆議院総選挙の投票が締め切られた。テレビでは各局が特番を組む中、ネットでも早速情報が入る。私も寝過ごさないように、スマホ画面で気になる選挙区の情勢をチェックする。はい、こちとら期日前投票を済ませてきましたよ。

結果は皆さんもご存知のとおり、自民、公明の与党が絶対安定多数をキープした一方、立憲、共産が議席を減らし、維新の回復が見られた。広島県では7選挙区のうち6つを自民が取り、6区は亀井静香氏の応援を受けた佐藤公治氏が取った。春の参議院再選挙もあり、混戦も予想された3区もあっさりと公明の斎藤鉄夫氏が取った。一方、今回の特徴として、小選挙区で落選する有名議員も結構いた。その中の一人に、この日午前中に何枚ものポスターを見た熊本2区の野田毅氏がいたのには驚いた。(※これらの中には、新幹線の中ではまだ決まっておらず帰宅後に知ったものもあり)

無事に寝過ごさずに広島に到着。選挙結果は翌朝にゆっくり見ることにしようか・・・。

これで九州西国霊場めぐりも熊本まで到達し、札所数はまだ残っているが感覚としては早くも折り返しに来た感じである。ただこの先福岡、佐賀、長崎とたどる中で、鉄道では通ったが道中の町は見知らぬところ・・というのはいくらでも出てくる。改めてこの先もさまざまなものを絡めながら楽しみたいものである・・・。

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