14日、恵比寿地区で恵比須顔になったところで、JR川崎駅に降り立つ。ここから歩いて向かうのはミューザ川崎シンフォニーホール。ここに来るのも3回目。うち2回はわざわざ関西から出向いてのことになる。
今回の旅行のきっかけというか、一番の目的というのがここで行われる「第6回ジェントルハートコンサート」。川崎を中心に、学校でのいじめ問題に取り組んで活動するNPO法人「ジェントルハートプロジェクト」の活動の一環として行われているコンサートである。「音楽を通してやさしい心を持ってほしい」というのがコンサートの趣旨。
昨年まではこの法人が「手づくり」の感じで行われていたのだが、今年は東京FMも主催で入ったり、出演者が豪華になった分料金も上がったりと、コンサート色が強くなったような気がする。チケットも、これまではNPO法人に事前申し込み、当日現金払いだったのが、関西に居ながらにしてe-プラスやローソンチケットなどでも購入できるというのがイベント色が強くなったというところかな。
早めに前売りで購入したためか、私の席は結構前のほうである。周りにはいかにも「あの人のファン」とおぼしき人たちが多い。そう、私もその歌い手が第一のお目当てで来ているようなものである。
13時30分の開演。ステージが暗くなり、アカペラの歌声が響く。そう、元「ジャングルスマイル」のボーカル、高木いくのさん(愛称:いくのふ)の登場。
FM曲で聴いて以来「ジャンスマ」というのは私の好きなユニットで、魂を刻むといった感じの深い歌詞、痛々しくなるくらい熱いボーカルというのが心に響くものだったが、活動休止。そのいくのさんも、この「ジェントルハートコンサート」のを音楽活動再開のきっかけとしてステージに立っており、ファンを喜ばせてくれている。このコンサートで歌声もやさしくなったというのかな。
まず披露したのは、このコンサートでは必ず唄うという、ジャンスマ時代からの一曲「抱きしめたい」。一番をアカペラで唄い、二番からはこちらもこのコンサートにいつも出演している中村幸代さんのピアノに乗せて唄う。近くでは早くも身体を振るわせる人も。やはりナマの歌声というのはジンと心に響いてくる。
そして2曲目は、活動再開に合わせてリリース(といってもメジャーレーベルで出したというより、自主制作のようなつくりだが)した中の1曲「和(やわらぎ)」。幼い頃からの「友だち」だった周りの山や川や星空などをイメージして作ったという作品。心安らぐ山里を思い浮かべる1曲で、愛があふれる(といっても痛々しくない愛)感じがする曲である。
この後は、先ほどピアノ伴奏を担当した中村幸代さん、CANONさんと続く。中村さんの暖かなピアノ演奏とMC、CANONさんの豊かな声量のボーカルが響く。
「いじめが原因で自殺した子どもたちからのメッセージ」の映像が上映され、「生まれてくれてありがとう」の言葉で締めくくられた後、後半。今回のメイン(というか、料金が上がったのはこのため?)である、中西圭三さんと西村由紀江さんの登場。
中西圭三さんといえば「WOMAN」とか「YOU AND I」とか、ダンスユニット「ZOO」の楽曲を手がけていたというイメージで、私は学生時代に「WOMAN」をカラオケではよく唄ったもの。もっとも友人たちには「WOMAN」が「ウォーメン」に聞こえて「我們ボクたち・・・你們キミたち・・・」などと野次られたものだが。
その中西さんをナマで見るのは初めてなのだが、「WOMAN」の頃からすればえらいふっくらとして見える(私も学生時代に比べればふっくらしておりますが)。それでも高いキーのボーカルは健在で、より深い愛の世界を唄うすがたはさすがだなと思う。
そして最後は西村さんのピアノ演奏。こちらにも心癒されるものを感じる。
いずれの出演者もMCで語っていたことなのだが、今でこそ音楽の世界で人を喜ばせる、感動させる立場にあるが、そんな人たちでも子どものころは引っ込み思案で人前に出るのが極端にいやだったり、それこそこのNPOのテーマでもある「いじめ」に遭ったつらい経験を持つことがあったという。そんな中でも友の支えや、自分で何か打ち込めるものを見つける、その悔しさや辛さをバネにする・・・大人になるまでの成長の糧として生きてきたというメッセージを伝えてくれる。音楽を通して、子どもたちに命の大切さを伝えられないかという・・・。
最後はかえつ有明中学・高校のマーチングバンドの激しい演奏とダンスでシンフォニーホールが興奮に包まれ、コンサートもクライマックス。最後は出演者が勢ぞろいし、客席も一緒になって「翼をください」の合唱。
終演後、本日の出演者たちのCDの販売が行われていた。その中には高木いくのさんの「和」ともう1曲「恋」がセットになったCDがあった。迷わずこちらを購入。するとそこにはいくのさんご本人が出て、CDを購入した人へのサインと握手会が行われていた。もちろん、私もその列に加わり、CDにサインをいただく。二言三言お話もさせていただき、サインをいただいたのも初めて。これはファンとして思い出に残るなあ。今後音楽活動も少しずつ再開していくというので、これからも彼女の歌声が聴けるのが楽しみである。
さてその興奮もさめやらぬまま、川崎から南武線に乗車。そこで向かうは武蔵小杉。南武線と東急東横線が交わるこの駅に、前日13日、横須賀線の新駅が開業。帰りはこの駅から品川に向かうことにする。
その前のちょうど夕方の時間。こちらでは久しぶりの再会となるさくらもえぎさんとしばし合流。可愛らしいお子さんもご一緒で、武蔵小杉駅近くのファミレスで会食。お子さんもちょうど暴れ盛り(?)で、食事中もなかなか元気なものである。初対面の私にも近寄ってなついてくるから無邪気なものだ。その子育て奮闘記などもいろいろとお話いただき、私にいつこういう環境が訪れるかは全く見えない話なのだが、いろいろとためになり、話のほうも盛り上がった。小さいお子さんになつかれるのも悪くはないが、個人的にはもっと同世代の女性になつかれたいところだが・・・・。・・・・。
そろそろ私の帰りの新幹線の時間も近くなり、さくらもえぎさん親子と連れ立って武蔵小杉の新駅へ。最近高層マンションなども林立し、新たな都心への拠点としての発展が期待されるスポットであるが、新駅のほうはまだとりあえず「駅として開業してみました」というくらいでまだ建設中といったところ。こちらからホームに上がる。
横須賀線のすぐ横は新幹線の線路である。うーん、パッとみればここに新幹線の駅があってもまったく不思議ではない。前後のカーブがきついために駅のホームが造れないということだが、熱海や新神戸のような駅もあるのだから、いずれ先にはここに新幹線「新川崎」などという駅ができても不思議ではないと思うのだが・・・。これからの街の発展に期待したいところである。
最後はホームでお見送りをいただき、10分で品川へ。新幹線がえらく近くなった・・・。
今回とても長く感じた関東遠征。この次もきっかけを見つけてまだまだ知らないスポットを訪れてみたいものである・・・・。