大相撲初場所は琴櫻、豊昇龍の綱取りがかかり、そこに横綱・照ノ富士がどう立ちはだかるかが注目されていたが、序盤から波乱の展開。
そして、4日目に翔猿に敗れて2敗となった横綱・照ノ富士が引退を表明した。お疲れ様でした。
照ノ富士も波乱の土俵人生であった。モンゴルから相撲留学で来日、当時の間垣部屋に入門したが部屋が閉鎖され、伊勢ヶ浜部屋に移籍。そこから一気に大関まで駆け上がり、バケモノのような強さを見せてこのまま横綱になるのかと思いきや、ケガ、病気のため序二段まで番付を落とす。
復帰場所となった2019年春場所の初日、照ノ富士の土俵を見たのが私にとっては印象である。元大関が観客ガラガラ(この当時は、椅子席の客が溜席に座っていても特に注意されることもなく)の中、まず1勝をあげた。照ノ富士の引退会見でもこの一番について「一番緊張した」と振り返ったそうである。
その後は見事復活を遂げ、かつての大関を通り越して第73代の横綱に昇進した。ちょうど白鵬と入れ替わる形だったが、横綱昇進後もケガ、病気に苦しみ休場も多かった。それでも出場すれば優勝ということも多く、10回の優勝は立派である。
休場が多かったこともありナマの本場所で横綱としての取組を見ることはなく、巡業で土俵入りを見ただけであるが・・。
年寄株の目途が立たないから引退したくてもできない・・と言われていたが、そちらのほうも目途が立ったのだろう。進退をかけて初場所に臨んだが、終盤で綱取りを目指す大関と対戦するまで持たず引退となった。もう少し・・という思いもあったが、横綱自身もやり切った思いであろう。近いうちに伊勢ケ浜部屋を継ぐと思うが、部屋には元白鵬の宮城野親方もいて・・まあ、そこは当事者同士でうまくやってくれるだろう。
さて照ノ富士の後継となる綱取りだが、豊昇龍がチャンスをつかめるかどうか。終盤も焦らず堂々とした相撲を取れば一気に行くと思うが・・・。