中国四十九薬師めぐりが第49番・森福寺で満願となり、オプションとして若桜鉄道に乗車後、レンタカーで鳥取駅前に到着した。後は広島に帰るだけで、予約しているのは鳥取16時20分発の「スーパーいなば8号」。その発車まで2時間ほどある。
そこで、列車に乗る前の時間を利用して、改めて中国四十九薬師めぐり満願の一人打ち上げとしよう。向かったのは、鳥取駅高架下にある「三代目網元 魚鮮水産」。中国観音霊場めぐりの満願前祝いの時にも訪ねた店で、昼夜通し営業で昼飲みにも対応しているのがポイントである。
海鮮丼をはじめとしたランチメニューが中心だが、山陰の名物を含む一品料理もしっかり楽しめる。まずは、レンタカー運転終了後の大ジョッキ。いや~、潤うわ。
とはいえ、それほどたくさん食べられるものではない。あれから1ヶ月近く経ってからの記事だが、改めて食べたものの写真を見返すと・・猛者海老(モサエビ)はから揚げでいただいた。
他には鰰(ハタハタ)の一夜干し、長芋短冊・・、。うわ、前夜と同じものを頼んでいる。
その他アテとしてはカニ味噌(境港で水揚げされたカニ)、しじみの酒蒸し。これでいただくのは「日置桜 純米吟醸 伝承強力」(日本酒度+14)である。何だか、「日本酒度」が高ければ高いほどいいような思いに捕らわれているようだが・・。
ともかく、最後にもう一度日本海の幸を味わうことができて、これで四十九薬師めぐりも締めである。
ほどよい時間となり、ホームに上がる。「スーパーいなば8号」は側線に停まっており、その前にホームに入って来たのは若桜鉄道からの直通列車。先ほど私が乗った緑色の「若桜」号の前に、青色の「昭和」号が連結されている。
若桜鉄道の車両がホームを離れ、その後に「スーパーいなば8号」入線である。指定席車両の最後部の座席を予約している。指定席、自由席とも空席が目立つ。そしていよいよ鳥取出発となる。
列車は郡家で若桜鉄道を分岐し、智頭からは智頭急行に入り、鳥取県から岡山県、そして兵庫県に入る。前夜、鳥取駅前で飲んだ後、夜の東浜駅(山陰線で鳥取県内最後の駅)に降りてみようと思ったが、結局寝過ごして終点の兵庫県に入った浜坂まで乗ってしまった。まあこの時は思わぬ形で兵庫県まで入ったが、「スーパーいなば」の場合は列車の運行じたいがいったん兵庫県に入って上郡まで行き、そこから山陽線に入る形だ。
・・・ただ、気づけば智頭も岡山県もすっ飛ばし、画像は兵庫県に入った佐用の姫新線ホームである。何だかもったいない気分である。
改めて、智頭急行の兵庫県内の千種川沿いの景色を楽しみ、上郡着。ここで進行方向が変わり、私が座っている最後尾の席は、先頭の座席となる。乗降用のデッキがないので、座りしままに前方の展望もばっちり楽しめる。これは途中のウトウトなどもったいない。別に先ほどの智頭急行区間内で寝入って体力を回復したわけではないが・・。
山陽線のこの区間は、「青春18きっぷ」の時季になると混雑で着席が難しい区間なのだが、こうして特急(の最前列)に揺られることに特別感をおぼえる。
「スーパーいなば」同士のすれ違いもある。時刻表によると、相手は「スーパーいなば9号」のようだ。
短い時間だったが架線下の気動車の爆走を楽しみ、終点岡山に到着。ここまで来れば、後は適当な時間の新幹線に乗れば広島までそれほど時間はかからない・・。
最後は鳥取から岡山まで「スーパーいなば」に乗ったことで、中国四十九薬師めぐりをベースとした中国地方一周も無事に終えることができた。それにしても、四十九それぞれの札所がさまざまな個性を持つ寺院だったし、千年以上の歴史を伝える寺から、現代のニーズに応える取り組みをする寺まであらゆる景色を見ることができたし、初めて知ったことも多かった。合わせて、組み合わせた中国地方各地のさまざまな景色、味、鉄道などなどを楽しませてもらった。
・・・さて、帰宅後に中国四十九薬師霊場会の事務局がある第28番・常福寺あてに住所氏名等を記載したハガキを送り、「満願之証」の発行を申請した。
そして郵送されたのがこちらである。A4サイズで、名前の箇所を含めて印刷されている。番号に「五二〇號」とあったが、平成のはじめに発足した霊場会で、令和5年の時点で満願が520というのは少ないように思う。地元の人たちを中心に、別に満願したところで証明書の申請などしない方が圧倒的に多いのだと思うが・・。
これで中国四十九薬師めぐりは満願。さて、次はどのような形で中国地方を満喫しようかな・・・?