春の青春18きっぷの4回目、5回目は3月27日~28日の1泊2日でのお出かけ。これまでの記事でも触れているが、北、東、南と来て最後は西に向かう。最初は山口県辺りを日帰りで・・とも思っていたが、いっそのこと九州に渡ろうと思う。
九州へは今年の年始、大分県は別府、宇佐八幡、国東半島といったところを回り、別府から八幡浜に渡るという変則ルートをたどった。このたびはどこに行こうかなと時刻表や地図を見る中で、目についたのが日田彦山線である。
日田彦山線は日豊線の城野から久大線の夜明までを結ぶ路線(実際の運転系統は小倉から日田まで)だが、2017年(平成29年)の九州北部豪雨で大きな被害を受けたところである。特に福岡~大分の県境を越える添田~夜明間では63箇所に被害があり、代行バスによる運行が続いている。そんな中、JRと沿線自治体の協議の末、鉄道による復旧は断念、バス(BRT)転換が決まった。
この区間にはこれまで1回、いや2回くらい乗ったかなというところだが、現在の代行バスがどのようなものか乗ってみようかなと思う。そして、行き先の日田は天領の町として知られているが、町歩きをしたことがない。小倉から日田彦山線に乗り、途中の炭鉱の歴史があるスポットを訪ねてもいいか、そして添田から代行バスで日田に移動し、日田で1泊がいいかなとプランニングする。
その中で、ふと思うことがあって、逆に初日に日田に行き、翌日に代行バスに乗るのもいいかなとなった。代行バスの時刻の組み合わせを見て、こちらのほうが行程として都合がよいようにも思う。キーワードは「日田彦山」線。今回、2日のコースで日田と彦山を訪ねようと言うコースである。
とはいっても、単に日田彦山線を往復するのももったいない。そこで、日田へは久留米から久大線で行くことにした。この久大線も久しぶり・・・というより、九州のほとんどの路線が久しぶりで、広島に移った機会を利用していろいろ訪ねたいところが多い。結局日田は日中の町歩きだけとして、宿泊は日田彦山線で福岡県に入り、筑豊のどこかということで別路線ではあるが新飯塚駅前のホテルとする。新飯塚は日田彦山線の田川後藤寺から後藤寺線で行ける。
青春18で西に向かうのなら、山陽線の西広島、または新井口から始めるところだが、この日は西広島からいったん広島に出て、山陽新幹線に乗る。これで一気に関門海峡をくぐって小倉まで行くことにする。
6時47分発の「こだま781号」に乗る。700系のレールスター車両だ。
今回利用するのは、JR西日本のネット予約「e5489」専用商品の「こだま直前割50」。3日目から前日までの購入で、山陽新幹線の「こだま」指定席が通常の50%オフで利用できるもの。3月28日までの金・土・日曜・祝日が利用期間ということで、この週末はまさに最後のチャンス。広島~小倉も指定席利用で3890円。
もっとも、このきっぷは指定列車の指定された席のみが有効で、列車の変更はできない。また「ルール上では」同じ列車の自由席に乗ることもできない。同じ商品の乗客が多いのか、指定席の5号車、6号車だけが乗車率がよい。
指定席が5号車、6号車・・という表示を見て、ちょっと違和感。山陽新幹線の「こだま」の指定席は8両編成のうち4~6号車の3両ではなかったか。改めてJR西日本の案内を見ると、一部の列車については4号車も自由席の設定だという。指定席が2両しかないから余計に・・。
広島を出発。ちょうど桜も満開を過ぎたところで、車窓も鮮やかに彩る。次の新岩国からも指定席に乗ってくる客がそれなりにいる。ただ、隣の7号車の様子も見た客が「7号車、誰もおらんで」と連れの客に話をして、通りがかった車掌に「ええじゃろ?」と声をかける。車掌も「どうぞどうぞ」てなもんだ。この人たちが「こだま直前割50」の客かどうかは知らないが、現場レベルでは自由席に移っても問題はなさそうだし、移る客もいるのだろう。中途半端に客が集まっている指定席と、ガラガラの自由席。コロナ対策云々ということになれば、どちらが安心だろうか。
徳山では周南の石油化学工場群。この景色は新幹線の高架ならではである。徳山から国東半島に渡るフェリーもあり、またいずれ乗ってみたい航路の一つである。
この後は新山口、厚狭、新下関と過ぎる。ここまでで1時間、やはり「こだま」といえども新幹線は速い。
新関門トンネルを通る。新幹線で九州に入るのも久しぶりのことである。7時57分、小倉に到着。ここでまとまった下車があった。
久留米に行くのならこのまま山陽新幹線~九州新幹線と乗るのが通常のルートだし、「こだま直前割50」にしても、もう少しお金を出せば博多まで安く行くことができる。ただ九州に入ったならできるだけ九州の在来線に乗ろう。