早いもので今年も2月が終わろうとしている。「1月は行く、2月は逃げる、3月は去る」とはよく言ったものである。
今年から新たに始めた「新西国三十三所観音霊場めぐり」。1月に第1番の四天王寺と、近くにある客番の清水寺に参拝し、そこで次の行き先を決めるくじ引きとサイコロで出たのが、第30番の酒見寺(さがみじ)。1から一気に29まで飛んでしまうのが、私流の巡礼である。
その酒見寺は加西市にあり、北条鉄道の終点・北条町駅から歩いて10分ほどのところにある。また、中国ハイウェイバスの大阪~津山線でも、加西サービスエリアの手前にある北条バス停まで行けば、そこからも歩いて10~15分ほどで行けるようだ。したがって、公共交通機関でのアクセスは良いほうと言える。
高速バスで行くのも面白そうだが、「乗り鉄」としては北条鉄道で行きたい。で、北条鉄道に乗る・・・ということで、気になっていたことがある。
以前に西国第26番の一乗寺に行くのに、北条鉄道の法華口駅から5キロほどの道のりを歩いたのだが、その法華口にはボランティア駅長がいて、駅舎の建物を利用してパンの店「モン・シャブリ」というのをやっていた。北条鉄道のいくつかの駅にはこのようなボランティア駅長がいて、駅の活性化に貢献しているのだが、法華口の隣の播磨下里には、駅舎内に「下里庵」という、弘法大師を祀る寺がある。鉄道ファンという住職が月に2回ほどやってきてお勤めをしたり、鉄道ファンの集いのようなこともやっている。
前の一乗寺の時はタイミングが合わなかったし、その時は播磨下里よりも加古川線沿線のローカル線(と廃線跡)が気になっていたので訪れることがなかったのだが、今回北条鉄道に乗るのであれば、ぜひこの「下里庵」が開いている日に合わせて来ようと思っていた。
「下里庵」が開く日は北条鉄道のホームページでも告知されるようだが、1月以降、何の情報もない。そんな中、この「駅長住職」のブログでわかったのが、播磨下里駅が駅舎の改装工事に入ったということである。2月初めに工事は終わったのだが、その後も準備のためにまだ開いていないようである。
せっかく行くのだから開くまで待ってもいいのだが、そうだと新西国めぐりの先が進まない。また開くこともあるだろうからとりあえず加西の酒見寺に行くことにする。代わりに、西国の2巡目として、一乗寺にもう一度行くことにする。同じ加西市にあるということで、いいだろう(その分、西国の納経の巻物やら輪袈裟など荷物が増えるが)。
その一乗寺だが、前は法華口駅から歩いたが、姫路から神姫バスに乗って行くのが公共交通機関での一般的なアクセス方法だという。今回はそれで行ってみよう。確か、姫路を9時に出るバスがあったはず。
・・・さて、前日土曜日にバスの時間をチェックしようと、スマホから神姫バスのホームページを開き、ダイヤを検索する。と見ると、姫路からのバスは10時半頃しかない。これだと一乗寺に着くのが11時過ぎ。あれ?と思うが、この時は「9時のバスというのは平日か土曜ダイヤで、日曜は便の設定がないのだろう」と思っていた。
11時に一乗寺に着くのは遅いかな。とすると、前と同じように法華口から歩くことになるか・・・。歩くと1時間近くかかるところで、そうすると法華口に9時前に着く列車に乗ることに。とすると、自宅を出るのは早朝5時半・・・。播州は遠い。
北条鉄道の起点である粟生に行くにはJRの加古川線か、神戸電鉄の粟生線で行くことになる。ここは、存続で揺れているローカル線に乗ろうということで、新開地から神戸電鉄に乗る。粟生行きの各駅停車がある。1時間以上揺られるのもいいだろう。
粟生線といえば、前回(2014年12月)に乗った時には「乗らないと残りません」という、半ば脅しともとれる車内広告があったり、地元出身の作家・玉岡かおるさんをゲストに招いてのシンポジウムが三木市で開かれるとの広告がぶら下がっていて、結構揺れていた印象がある。あれから1年以上経って乗ってみるとそうした広告もないし、粟生線の「廃止」についてもそんなに危機感を持って言われているようには思えない。
三木市、小野市といった播磨中部の街を有することから、粟生線の全線、いや一部についても即刻廃止するということにはなっていないようである。ただ一方で、神戸電鉄としては「上下分離方式」を自治体に申し入れているという。実運行は神戸電鉄が行うとして、経営の部分を自治体に委ねられないかということである。ただ自治体としても、赤字部分を行政に押しつけるとして難色は示しているようである。粟生線は赤字でも、三田や有馬温泉に行く「本線」のほうは黒字だから・・・というのも理由の一つのようだ。当面、粟生線に列車が走らないという事態は避けられそうなものの、まだまだ予断を許さないようだ。
そんなことを思う中、日曜の朝のこととて1両に10人いない列車は粟生に到着。ここで北条鉄道に乗り換えだが、トイレも兼ねて一旦外に出る。駅に隣接した交流センターは陶芸の体験ができ、ロビーにはその作品集が並べられている。季節柄、雛人形をあしらったものや、般若心経を書きつけたものなどある。
JRのホームにはICOCAのカード読み取り機がカバーをかけられた状態で置かれていた。3月のダイヤ改正で、加古川線も西脇市以南の各駅でICOCAが使えるようになる。他にも播但線は寺前まで、姫新線は播磨新宮までが新たにICOCAの区間となる。加古川・姫路から先との行き来に利用する客の利便性向上である。
さすがに北条鉄道はICカード利用といかず、ワンマン運転で運賃は料金箱に入れる方式。そこそこの乗客がいる中、粟生から進路を左に取る。平野部で熱気球を飛ばそうとする景色も見る中、法華口に到着。パン屋は開業前だがちょうど仕込中のようで、出札口にはパンを焼くいい香りが漂う。
その前に、一乗寺参拝である。他に下車する人もおらず、テクテクと歩を進める・・・・。
今年から新たに始めた「新西国三十三所観音霊場めぐり」。1月に第1番の四天王寺と、近くにある客番の清水寺に参拝し、そこで次の行き先を決めるくじ引きとサイコロで出たのが、第30番の酒見寺(さがみじ)。1から一気に29まで飛んでしまうのが、私流の巡礼である。
その酒見寺は加西市にあり、北条鉄道の終点・北条町駅から歩いて10分ほどのところにある。また、中国ハイウェイバスの大阪~津山線でも、加西サービスエリアの手前にある北条バス停まで行けば、そこからも歩いて10~15分ほどで行けるようだ。したがって、公共交通機関でのアクセスは良いほうと言える。
高速バスで行くのも面白そうだが、「乗り鉄」としては北条鉄道で行きたい。で、北条鉄道に乗る・・・ということで、気になっていたことがある。
以前に西国第26番の一乗寺に行くのに、北条鉄道の法華口駅から5キロほどの道のりを歩いたのだが、その法華口にはボランティア駅長がいて、駅舎の建物を利用してパンの店「モン・シャブリ」というのをやっていた。北条鉄道のいくつかの駅にはこのようなボランティア駅長がいて、駅の活性化に貢献しているのだが、法華口の隣の播磨下里には、駅舎内に「下里庵」という、弘法大師を祀る寺がある。鉄道ファンという住職が月に2回ほどやってきてお勤めをしたり、鉄道ファンの集いのようなこともやっている。
前の一乗寺の時はタイミングが合わなかったし、その時は播磨下里よりも加古川線沿線のローカル線(と廃線跡)が気になっていたので訪れることがなかったのだが、今回北条鉄道に乗るのであれば、ぜひこの「下里庵」が開いている日に合わせて来ようと思っていた。
「下里庵」が開く日は北条鉄道のホームページでも告知されるようだが、1月以降、何の情報もない。そんな中、この「駅長住職」のブログでわかったのが、播磨下里駅が駅舎の改装工事に入ったということである。2月初めに工事は終わったのだが、その後も準備のためにまだ開いていないようである。
せっかく行くのだから開くまで待ってもいいのだが、そうだと新西国めぐりの先が進まない。また開くこともあるだろうからとりあえず加西の酒見寺に行くことにする。代わりに、西国の2巡目として、一乗寺にもう一度行くことにする。同じ加西市にあるということで、いいだろう(その分、西国の納経の巻物やら輪袈裟など荷物が増えるが)。
その一乗寺だが、前は法華口駅から歩いたが、姫路から神姫バスに乗って行くのが公共交通機関での一般的なアクセス方法だという。今回はそれで行ってみよう。確か、姫路を9時に出るバスがあったはず。
・・・さて、前日土曜日にバスの時間をチェックしようと、スマホから神姫バスのホームページを開き、ダイヤを検索する。と見ると、姫路からのバスは10時半頃しかない。これだと一乗寺に着くのが11時過ぎ。あれ?と思うが、この時は「9時のバスというのは平日か土曜ダイヤで、日曜は便の設定がないのだろう」と思っていた。
11時に一乗寺に着くのは遅いかな。とすると、前と同じように法華口から歩くことになるか・・・。歩くと1時間近くかかるところで、そうすると法華口に9時前に着く列車に乗ることに。とすると、自宅を出るのは早朝5時半・・・。播州は遠い。
北条鉄道の起点である粟生に行くにはJRの加古川線か、神戸電鉄の粟生線で行くことになる。ここは、存続で揺れているローカル線に乗ろうということで、新開地から神戸電鉄に乗る。粟生行きの各駅停車がある。1時間以上揺られるのもいいだろう。
粟生線といえば、前回(2014年12月)に乗った時には「乗らないと残りません」という、半ば脅しともとれる車内広告があったり、地元出身の作家・玉岡かおるさんをゲストに招いてのシンポジウムが三木市で開かれるとの広告がぶら下がっていて、結構揺れていた印象がある。あれから1年以上経って乗ってみるとそうした広告もないし、粟生線の「廃止」についてもそんなに危機感を持って言われているようには思えない。
三木市、小野市といった播磨中部の街を有することから、粟生線の全線、いや一部についても即刻廃止するということにはなっていないようである。ただ一方で、神戸電鉄としては「上下分離方式」を自治体に申し入れているという。実運行は神戸電鉄が行うとして、経営の部分を自治体に委ねられないかということである。ただ自治体としても、赤字部分を行政に押しつけるとして難色は示しているようである。粟生線は赤字でも、三田や有馬温泉に行く「本線」のほうは黒字だから・・・というのも理由の一つのようだ。当面、粟生線に列車が走らないという事態は避けられそうなものの、まだまだ予断を許さないようだ。
そんなことを思う中、日曜の朝のこととて1両に10人いない列車は粟生に到着。ここで北条鉄道に乗り換えだが、トイレも兼ねて一旦外に出る。駅に隣接した交流センターは陶芸の体験ができ、ロビーにはその作品集が並べられている。季節柄、雛人形をあしらったものや、般若心経を書きつけたものなどある。
JRのホームにはICOCAのカード読み取り機がカバーをかけられた状態で置かれていた。3月のダイヤ改正で、加古川線も西脇市以南の各駅でICOCAが使えるようになる。他にも播但線は寺前まで、姫新線は播磨新宮までが新たにICOCAの区間となる。加古川・姫路から先との行き来に利用する客の利便性向上である。
さすがに北条鉄道はICカード利用といかず、ワンマン運転で運賃は料金箱に入れる方式。そこそこの乗客がいる中、粟生から進路を左に取る。平野部で熱気球を飛ばそうとする景色も見る中、法華口に到着。パン屋は開業前だがちょうど仕込中のようで、出札口にはパンを焼くいい香りが漂う。
その前に、一乗寺参拝である。他に下車する人もおらず、テクテクと歩を進める・・・・。